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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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91食目、魔法大国マーリン行き七日目

 ━━━━魔法大国マーリン行き七日目━━━━


 朝食は魔法大国マーリンでマーリン女王の謁見後に立食パーティーがあると聞いていたので、軽く摘まめるサンドイッチを作った。

 それに、ほぼ魔法大国マーリンとの国境は過ぎており、もうそろそろ女王がいると思われる城がある城下都市が見えて来るはずだ。

 カズトは昨日の内に何かしら魔神教会が仕掛けて来ると警戒してたが、珍しく空振りに終わった。今日も警戒を怠らないつもりだが、もう魔法女王マーリンの敷地の中だ。何かあれば、直ぐ様にマーリンの部隊がすっ飛んで来るだろう。

 余程のバカでない限り襲ったりしないはずだ。


「勇者よ、あれが魔法大国マーリンの城下都市じゃ。あそこにマーリン女王の住居でもあるマーリン城がある。そこでマーリン女王と謁見する事になっておる」


 馬車の窓から王様が指差す方向に周囲を囲むよう巨大な防壁が見えた。あれが魔法大国マーリンなのか!物凄くでかい防壁に囲まれているではないか!

 距離からして、まだ掛かるのに視認出来るという事は近くに寄れば天を仰ぐ程にでかい事だろう。日本で例えるなら東京タワーが二塔程の高さである。


「初めて来ましたが………大きいですね」

「確かレイラ、留学してた時期がありましたわね」

「えぇ、魔法は兎も角………他の講義もためになりましたわ。魔法大国マーリンは別名で研究国家マーリンと呼ばれてますの。

 星の数だけ研究会があると言われ、国民は必ず何処かの研究会に所属してるのですわ。実績を積んでる研究会程、国から会費が出ますの」


 ほぉ~、研究会ね。話を聞く限りじゃ、まるで………国という名の学校みたいだな。まぁ、別に学校はあるみたいだが。


「確か変わった研究会で()()()()()って言うのもあったわね」


 何っ!勇者研究会だと!それはとても気になる。レストラン〝カズト〟でも"刀の勇者"である獅子之助がいるから気になってはいた。

 自分の職業なのに全然知らない事ばかりだ。俺の相棒である聖剣に関しても知らない事が多すぎる。

 もし叶うのであれば、勇者研究会の話を聞きたいところだ。まぁそれは機会のあればの話だ。今は王様王妃様の護衛として任務に就いてる立場なのだから。


「なるほど勇者研究会か。ちょっと興味あるな」

「確か………何の勇者か忘れましたけど、勇者が会長のはずですわ」

 えっ?!勇者が勇者研究会の会長だと!そんな偶然ってあるのか。偶然じゃなく必然なのか、明らかに態とらしい感じがする。


「その勇者は、どんなヤツか覚えてるか?」

「気になるの?そうねぇ………うっすらだけど、大人ぽくて優しい女性だという事は覚えてるわ」

 女だったのか!

 レイラが勇者研究会会長である女勇者に興味を抱いてるカズトをジトーーーッと見詰めて来る。そんな視線に耐え切れなく、カズトは冷や汗を掻きながら馬車の窓から魔法大国マーリンの防壁を口笛を吹きながら見詰めた。


「あれ、馬車が止まって?」


 窓から馬の先を見ると渋滞が起こっていた。渋滞の先には魔法大国マーリンに入国するための関所で検問が行われてるらしかった。衛兵らしき騎士が人物や馬車を一つ一つ確認してるのが目に取れる。


「今年は大国会議が開催される年じゃからの。各国の王やその王子・姫を見たさに各国から人が集まって来るのは道理じゃ。それに儂らは並ばずに済むはずじゃ」


 王様の言う通りにしばらくして馬車は列から外れ違う方向へと向かって行く。

 そちらには別の関所が存在しており何時間と掛かる列とは違い、全然空いているではないか!


「ふぉふぉ、王族やそれに準ずる者しか通れない関所じゃ。ここなら直ぐに城へ行けるぞい」

 どういう仕組みか理解出来やしないが、この関所を含めここに繋がる通路は結界系の魔法が掛けられている。

 魔法が不得意なカズトでも感知位なら出来る。この結界魔法は王族とそれに準ずる者達を透明化し、ここに誘導する魔法らしい。それに相当な術者が組んだと思われ、逆立ちしてもカズトには出来やしない。


「お待ち致しておりました。グフィーラ王国の方々ですね。我々の城………マーリン城までご案内致します」


 衛兵というよりは魔法使いや魔術師と言った方がしっくり来る兵士が馬車を城へと誘導してくれるようだ。

 王族専用の関所を潜ると、そこは………別の世界に来たよう思ってしまう程、別世界の風景であった。

 ある者は杖や箒に股がり空中を飛び、ある者は手を使わず荷物を浮かせ運んでいる。

 こんなに魔法を日常的に使用してるところ等見た事ないカズトにとってキョロキョロと見渡してしまう。

そして、門を潜った当たりから僅かに漂ってる匂いがカズトの鼻にキャッチされる。だが、その時には何の匂いか分からなかった。


「さぁ、着きました。女王様がお待ちでございます。お疲れでしょうが謁見の間へとご案内致します」


 一週間は長いようで短いような、そんな気持ちは置いといて………やっと魔法大国マーリンの女王に会える。






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