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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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88食目、魔法大国マーリン行き五日目~テレビを見るその2~

「これが勇者殿の世界なのか?!随分と高い建物が建っておるのぅ。誰かの城かのぅ」

「魔法で建てたのかしら?こんなのどう考えても人の手では建てられないもの」

 ニュースで流れてる風景に驚愕を隠せないようだ。天気予報のコーナーが流れており、その際に映ったビル群に目が点になっておられる。


 いえいえ、科学の力を使ってるが全て人の手で建てられ、これら全て城ではなく『ビル』という建物で、あの中にて仕事をやってると簡単に伝えた。


「なにっ!城ではないのか!」

「あんなのどうやって人の手で作れるのですの?!」

 科学と言っても、魔法が発展してるこの世界では理解されにくい。

 だが、小耳に挟んだ話なのだが錬金術師という者(職業か種族かは不明)が存在してるらしく、その者達はこの世界では変わり者として扱われ魔法よりも科学に近い力を信じて行使してるらしい。

 その者達ならば、科学を理解出来るやもしれないが、ただ噂が先行してるせいで明確な住んでる場所は不明である。


「うおっ!馬が引いてないヘンテコな馬車が走ってるぞ」

「魔法で走ってるのかしら?それにしても、速すぎない?」


 カズトが転生以降にデビューしたのだろう。知らない若いアイドルが何かしらのロケで自動車が何度も映り込んでおり、王様王妃様はアイドルよりも自動車の方が気になってしょうがない様子だ。

 流石に自動車を【異世界通販ショッピング】で買えないだろう。何となく探したら…………ありましたよ。でも、燃料が準備が出来なきゃって、ガソリンまで売ってるよ。

 探せばある物はあるんだね。でも、こちらの世界では魔物モンスターと間違えられるかもしれない。当分は買わないで置こう。


「おっ!この魔道具のボタンを押すと次から次へと変わるぞ」

「ちょっとストップ!私これが良いわ。よちよち、おいでおいで。可愛いでちゅね」


 王妃様が気に入ったであろう、番組は動物に関するクイズ番組でカズトも昔見てた人気番組である。10年程続いたご長寿番組であったが予算の関係上、番組終了の運命を辿った。

 たまに年末やら夏休みのお盆とか復帰する事があり、ついつい見ちゃうのだが…………テレビ画面上の犬の赤ちゃんに王妃様は赤ちゃん言葉を掛けている。

 それに思わず笑いが込み上げて来る。ここは笑ってはいけない、どうにか我慢するんだ。


 十数分で動物クイズ番組は終わり、王妃様は残念そうにテレビ画面を見詰めている。

 助かったぁぁぁぁぁ、番組終了間際で笑わずに済んだ。笑いを我慢したせいか、顎とお腹が痛い。後で回復技術ヒールスキルでも掛けておこう。


「違うのに、なってしまいましたわ!他には………あの愛くるしい生物には出て来ませんの」


 こちらに転生してから、テレビって一回も見てないからな。どんな番組がやってるなんて、番組表を確認しないと俺にも分からん。まさか、映るとは思っていなかったからな。

 カズトはポチポチとリモコンを操作し、番組表の画面へ切り替えた。確認してみるが、残念な事に動物番組は…………この時間帯はやっていなかった。

 王妃様的には残念だが、カズト的には笑い地獄にならなくて済んだと内心喜んだ。


「心中お察し致します。代わりでなんですが、こちらをどうかお召し上がりくださいませ」


 カズトが差し出したのは、前の【契約の儀】にて契約対象物となってる〝フォンダンショコラ〟にホイップクリームを乗せ、皿の縁周りにベリー系の果実をふんだんに盛り付け彩りを加えたものだ。

 これを見た王妃様は悲しみから一変、口角が上がり無我夢中で食べ始めた。何の躊躇いもなく食べたせいか王妃様の口元や頬にクリームやチョコがベットリと付いてしまってる。

 食べ終るのを待ち待機してるメイドの一人が口周りを拭き取り、まるで子供のようだ。良い大人が可愛く見える。

 

「わ、儂にも何かないか!」

「うーん、そうですね?少々お待ちください。ご用意致します」


 カズトは王様王妃様の側を離れ、奥にある馬車に備え付けのキッチンへ引っ込む。二人には【異世界通販ショッピング】の事は秘密にしており、見られないため死角になるキッチンへ来たのだ。

 折角だから王妃様と違うものを用意しようと【異世界通販ショッピング】で菓子類やデザートから何かないかを探す。今から作っていては時間が掛かり過ぎる。

 ふとカズトの目に止まった商品がある。王族が食すには少々味気ないかもしれないが、カズトは迷いなく買った。ビニールで包装されてるので、皿に乗せて提供した。


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