表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

138/552

84食目、魔法大国マーリン行き四日目~コカトリスのフライドチキン~

明けましておめでとうございます。

今年も、どうかよろしくお願いします。


 早速、シロが出してくれた最新式調理器具を使って調理してみる。

 一番最初に目を引いたのは、電気式ノンフライヤーという油不使用で揚げ物が作れるという料理家電だ。

 カズトがこちらに来た時にはまだ発売されてなかったが、カズトの【異世界通販ショッピング】にラインナップされており名前と写真で存在自体は知っていた。

 だが、使う気になれなかった。理論的には理解してるが、それでも本当に油なしで揚げ物が作れるのか疑問であった。


「さてと何を作ろうか?そういえば、ここで作るのは初めてだな」


 今までは既に作ってあるものをアイテムボックスに入れてシロに提供していた。無くなれば、それで終わっていたのだ。

 だが、作れるのであれば話は違う。アイテムボックス内は時間停止してるので、出来立ての状態を保てるが料理人として、やはり直に作ってやりたいものだ。


「よし、あれを作ろう」


 カズトはアイテムボックスからコカトリスを取り出し、羽根の部分━━━手羽先や手羽元に解体していく。胴体部分はまだ使わないので、仕舞っとく。

 コカトリスの手羽先と手羽元をカズト特製唐揚げのつけ汁に、これもまたカズト特製ミックススパイスを入れた〝フライドチキン〟用つけ汁に漬け込む。

 味が染み渡ったら手羽先と手羽元にカズトが調合した衣を纏わせ、普通なら油で揚げるところだが電気式ノンフライヤーがあるので、折角だから使ってみる。

 数分の内に油で揚げたのとほとんど変わらずにコンガリと出来上がった(油を使ってないので俺的には揚げた事になるのか疑問が残る)。


「はいよ、先ずはコカトリスのフライドチキンだ。出来立てたがら熱いので、お気をつけを」

「ふん、火傷など女神である妾に不要なものだ。では、頂くとするかの」


 そういう人……………ではなかった、そんな神に限って火傷とかドジを踏むんだよな。こういう人達って態々フラグを立てないと気が済まないのかね。


「あちちっ、ハフーハフー。忘れておった、妾猫舌であったわ。お主のせいで火傷したではないか」


 えぇぇぇぇ、俺のせいにされても超困るんですけど…………!

 大丈夫と言ったのそっちやん。俺はちゃんと忠告したよね。それで火傷になったからシロ自身が悪いと思うのだけれど………。


「でもまぁ、美味しい料理に免じて許す事もない。寛大な妾に感謝するのだぞ」


 なんか俺自身が作った料理よりも俺が格下と言われてる風に聞こえるが、別に悔しくはない。悔しくはないが…………シロが上から目線でなんかムカつく。

 女神だから偉いのは確かだが、それでも敢えて言われるとムカついてしょうがない。


「はいはい、次の料理が出来上がりました。〝フライドポテト〟でございます。こちらのマヨネーズかケチャップをつけてお食べ下さい」


 シロの美味しそうに食べる姿を見てると、ムカつきが収まってくる。料理人の性というものだろうか。

 料理を美味しく食べてる者を見てると、何故か自分の事かのように幸せに感じてしまう。


「この赤いソースをつけて食べると甘くて、しょっぱくて…………う~ん、何とも良い言葉が見つからぬ。全知全能の女神である妾が言葉に詰まるとは」


 えっ…………?何処に全知全能の女神がいると言うのか?俺の目の前にはダ女神のシロしかいないように見える。自分で自分を全知全能とかと言って恥ずかしくないの…………だろうか?

 ぷっ、あっ…………やべぇ、これは我慢出来ない。


「ぐっはははははは」

 ダメだ、笑いが止まらない。シロが変な事言うから笑ってしまったじゃないか!笑ってはいけないのに、次から次へと笑いが混み上がって来る。


「何を笑っているのじゃ?」

「いやいや、何でもない。お詫びとして、これを進呈しよう」


 俺が笑ったという話題から反らすため、俺は試作品とした作っといた〝イチゴショートケーキ〟ワンホールを丸々テーブルへ出した。

 普通はカットして提供するものだが、丸々ワンホールで出すと絶景を眺めるかの如く圧巻する。けして、一人だけで食べるものではない。


「ゴクン、これは………スゴいの一言しかないのじゃ。これを妾一人で食べても良いのかや?」

「あぁ、もちろんだとも。召し上がれ」

 若い女性ならともかく、男性があれを食べたら胸焼けやら胃が痛くて、しばらく胃薬を手放せなくなるの必須だ。


「はむっ、う~ん♪甘くてふわとろじゃ、まるで…………甘さのメリーゴーランドなのじゃ」


「シロ様はメリーゴーランドを知ってるので?」

 この世界には、そんな遊具はもちろん存在する訳ない。だから、不思議と思って聴いてみた。


「はて?メリーゴーランドって何じゃ?何故か、口に出てしまったが知らんの。パクっ」

 ガクッと転びそうになるが、そこは耐えてみせる。

 もしかしたら、シロは笑いのセンスは…………ないな。こんなダ女神を世間に出したら大パニックに陥ってしまう。

 こんなナリでも、神は神だ。おそらく、失神する者多発する事だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ