SS7-7、女婬夢族ジブリールの居場所~ジブリール大人になる~
《正義》の技術によって眠ってる村の住民の内、男を探し出しジブリールは片っ端から精気を吸いまくってる。精気を吸ってる間、男達は起きずに楽々吸う事が出来る。これも《正義》のおかげだ。
精気を吸った男共は身体的にも精神的にも痩せ細り明らかに何かの病気を患っているかのように見える。でも、命に別状はなく《正義》の技術が解ける頃には八割位には回復してるだろう。
精気を吸いすぎて殺してしまったは、ジブリールの餌場として機能しなくなってしまう。殺すのは簡単だ。だけど、家畜のように半永久的に摂取出来れば、ほぼ一生精気には困らない。
「はふぅ~、もう居ないのよ。初めてで疲れたのよ」
「終わった……………のか?!」
「どうしたのよ?」
「いや、お前本当に《恋人》なのか?」
精気を吸う前は、ちっこくて胸もなくまな板と言っても過言でなかったが、今現在のジブリールはどうだ。二回り程背は高くなり、ボッキュッボンと出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。
それに妖艶さを放つ色気が半端なく、普段女に興味を頂かない《正義》が初めて女という生物に興味を抱いた、というより今のジブリールに対してのみだろう。
「そうですけど?あれあれ~、どうしたのよ?顔が真っ赤かですけど?熱でもあるの?」
成長したというより一気に色気の大人の女性になったジブリールに《正義》は気持ちの整理が追い付かず混乱している。
「今は俺に近付くな。少し離れて歩け!もっと服を着ろ!」
《正義》がアイテムボックスからジャージを取り出し、村の男達の精気を吸いグラマーに成長したジブリールに着させた。
ジャージのジッパーを閉めても胸部はキツイらしく、ジッパーが閉まらない。谷間が強調され、むしろ《正義》にとって目のやり場に困る事になった。
「もっと胸元を閉めろ」
「はふぅ~、これ以上はキツイわよ」
ジッパーを胸元より上へ閉めようと上げると………………自然にジッパーがボヨンと胸元まで下がり胸が這い出ようとする。
他に服を着せようにも成長したグラマーなジブリールには、この世界での衣服ではどれも小さく(主に胸部が)《正義》にとって悲惨な事になるのは目に見えている。
地球の衣服を着せようにも呼び出す手段が《正義》にはない。ジブリールが着させたジャージは偶然にも、地球に召還された時に着ていた物である。
アイテムボックスにずっと入れっぱなしでタンスの肥やしとなっていた。アイテムボックス内では時間経過しないので、腐蝕は全然していない。
「仕方ない。あるかどうか不透明だが、商人ギルドを覗いてみるか」
「私は、このままで良いのですけど……………ボソッ」
《正義》が昔に着ていたジャージには《正義》の匂いがそのまま付着しており、ジブリール的にはご褒美以上に家宝にしたい代物だ。後でクンカクンカと嗅ぎたいくらいだ。
「何か言ったか?」
「何でもないのよ!」
《正義》は元勇者なだけあって勘が鋭い。
《正義》にとって目のやり場に困るが、ジャージを着てるおかげでジブリールは《正義》と一緒に歩けている。それだけでジブリールは、今幸せなのだ。
「この街の商人ギルドはここのようだ」
「なかなか大きいのよ」
辺境の街にしては立派過ぎる程の建物だ。外装に至っては領主や低級貴族の屋敷と言われれば信じてしまうだろう。
豪華な扉の上部にはデカデカと『商人ギルドイナクス支店』と明記してある看板が飾られている。
「さてと入るか」
「あっ、待ってください」
《正義》の背後に着いて行き豪華な扉を開き中へ入ると、そこはまるで別世界のようだった。
天井には2m~3mあるであろうシャンデリアが吊るされており、入り口から受付の中心に位置する場所に初代勇者の黄金像が凛々しく立ち輝いている。
「ほっふぁ~、これは立派な像なのよ」
「………………切って良いか?」
「《正義》切ったらダメですよ。いくら恥ずかしいからって」
本当に切ったら犯罪者………………いや、魔神教会自体が犯罪組織みたいなものだが、本当に壊したら《正義》個人として指名手配されてしまう。
そんな事が起これば、数少ない魔神教会の収入源が失くなってしまう。それが分かってるからこそ、《正義》は口にしても実行はしない。
「……………ジョーダンだ。俺がそんな事する訳ないだろう」
「《正義》が言うとジョーダンに聞こえないわよ。まったくもう」
《正義》の目は本気であった。私が止めてなかったら…………………もしかしたら切り倒していたかもしれない。《正義》のジョーダンはジョーダンに聞こえないから厄介だ。
「そんなに怒るな《恋人》よ。あそこが受付らしいな」
無理矢理にでも話題を反らそうと受付へ足を伸ばす。受付には、商人用と一般客用があり、《正義》とジブリールは一般客用へと近付いた。




