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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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SS1-6、帝国の三勇者~槍が盗賊と戦う~

 リンカとココアが戦ってから翌日、気絶してたメグミも起きたところで軽く食事を取り、鉱石の洞窟ガリウムに向けて出発だ。


「なぁ、俺は何で寝てたんだ?昨日からの記憶が全くないんだけどよ」

「「………………」」


 リンカとココアの二人はメグミから顔を反らし目がめっちゃ泳いでいる。二人はメグミに気づかれないよう目配せをし、昨日の事を話さず裏を合わせる事にした。


「きっと疲れていたのよ。特に魔物モンスターや盗賊は出なかったし、リンカと二人で交代で見張りをしてたから大丈夫よ」

「ですです、ぐっすりと寝てたのです」

「そうか……………なんか悪い事をしたな」


 リンカと戦おうとして、ココアに気絶された事は完璧に忘れているようで二人はホッと安堵する。

 よっぽどな事がない限り、メグミはシリーズ系を使わない方が良い。メグミのシリーズ系は七種類あり、どれも代償を払うものばかりで使い過ぎは命に直結する。

 だから、メグミが対人戦闘を行う場合は正式な場所━━━━闘技場等で行った方が無難で、使用制限を設けた方が良い。


「寝ていたせいか、むしゃくしゃと戦いたい気分だ。何か魔物モンスターや盗賊でも出て来ないかな?」

「そういうのをフラグと言うのよ」

「そうそう、出て来たらメグミのせいなのです」

「そんな訳━━━━」

「ぐへへへへ、お嬢さん方身ぐるみを置いてきな」


 木の影から十数人出て来ては三人を囲う。言動や装備品の類いからコイツらは盗賊だと思われる。メグミのフラグが立ってしまった形となってしまった。


「ほら言わんこっちゃないのです」

「もう、メグミはフラグが立ちやすいんだから。余計な事を言わないことよ」

「す、済まない」

「なにごちゃごちゃ言ってるんだ!さっさと身ぐるみを置けと言ってるんだ」


 刃物を見せてこちらを恐喝をしてくるが、生憎とこちら三人は勇者なのでそんなのに屈指ない。ついてないのは、むしろ盗賊達の方だ。というか憐れみしか残らない。


「戦いたいって言ってたからメグミに任せるわ」

「あいつら弱そうだから、リンカもパスなのです」


 ブンブンブンブン

「はぁ~、しょうがねぇなぁ。俺が片付けるから休んどけ」

「「は~い」」


 聖槍ゲイ・ボルグをブンブンと振り回し盗賊の前へ出る。一方のリンカとココアの二人は目ぼしい岩があったので、そこに座り雑談をしている。


「さぁどういつから死ぬか?俺は、今むしゃくしゃに気分が悪いんだ。生きていられるとは思わない事だ」

「それはこちらの台詞だ。野郎共、どうやら遊びたいらしい。最初に倒したヤツには初めにヤる権利をやろう」

「お頭、さすが分かっていらっしゃる」

「俺が先だ!」

「我が先である!」

「シャッハー、先に行くぜ」


 盗賊のリーダーらしき男の宣言で部下が俄然にヤル気が出てしまい、暑苦しい空気がメグミまで届き嫌そうに表情を歪める。

 戦う事が大好きな戦闘狂兼女なのに男ぽく粗暴なメグミも流石に目の前の盗賊みたく、むさ苦しい男どもは嫌らしい。


「そんなに自殺したいなら殺してやる。燃やし尽くせ!炎の聖槍グングリル」


 メグミが持つ聖槍ゲイ・ボルグが変化し柄は血で染めたと言えば信じられる程に赤く、刃の腹には公明な彫刻家が掘り出したと目を疑いたくなる程の盛大な龍の彫刻が施されている。

 そして刃先から炎が燃え盛り、まるで炎の精霊サラマンダーを思わせる程に荒々しくあるが、その反面刃先の炎により腹に彫刻されてる龍も赤く輝きキレイでもあった。


「野郎共、怯むな!そんなのただのハッタリだ。その槍も何かの魔道具だ。今日はついてる、金になるぞ」

「シャッハー、俺様が頂くぜ」

「邪魔だ、俺が先だ!」

「我が先に行くのである!」


 炎の聖槍グングリルを見た途端、盗賊達は一瞬怯んだがリーダー格の男の渇により、勢いを取り戻し考えなしに突っ込んで行く。

 盗賊らしく盗んで来たのだろう。武器はちぐはぐで統一されておらず、大剣だったり両手斧だったりと盗賊ぽく似合ってない。だけど、盗賊の特性上である俊敏さはあるようで中々速い。

 しかし、それは一般の冒険者や騎士と比べての話だ。盗賊の相手をしてるのは、勇者の一人であるメグミであるのだ。盗賊のスピードなんぞ止まって見える。


「遅いな、こんなものか?【炎龍突き(サラマンダー・ランス)】」


 一斉にメグミへ襲い掛かった部下達は、それぞれ炎を纏った一突きに首と胴体が離れ、その場に崩れ落ちた。

 切り口は炎で焼かれ血液は噴出する事はなく、盗賊のリーダー格の男からしたら阿鼻叫喚な惨劇に違いないのだが………………死体がなければ綺麗なものだ。


「お前で最後のようだが、殺るのか?」

「くっ、クソがぁぁぁぁぁぁ」


 襲い掛かって来ると思いメグミは構えていたが、盗賊のリーダー格の男は予想外な行動へ出た。

 懐に仕舞っていた何やら小型の爆弾らしき物を数個地面に叩きつけたのだ。その瞬間、一瞬で白い煙が其処らじゅうに充満した。これは毒ではなく煙幕で、煙が止んだら盗賊のリーダー格の男は居なくなっていた。



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