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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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SS1-4、帝国の三勇者~拳が歌に喧嘩を売る~

「もう止めたのです?せっかく楽しみにしてたのに、ぶぅぶぅなのです」

「なにかな?リンカも喰らいたいのかな?」


 ブンブン

「ごめんなさいごめんなさいなのです。リンカが悪かったのです」


 帝国で面識がない人に三勇者の中で一番強いと聞けば、リンカ3:メグミ7でメグミの方が強いと票が割れる。リンカは三人の中で一番背が小さく、どちらかというと強さよりも可愛さ……………外見で票を入れたという人が多い。

 だけど、予想外にも三人の内で一番強いのは…………………戦う歌姫ことココアかもしれない。美しい花にはトゲがあるとは………………この事を言うのだろうか?

 地球で素手での武道の大会を総嘗めしたリンカでさえ、ココアだけには逆らわないと心の奥底で誓いをたてている。ココアに瞬殺されたメグミには、御愁傷様とお祈りを捧げた。


「さて、出発しましょうか。この荷物メグミはリンカが持ってね」

「うん、分かったのです」


 ココアが気絶してるメグミを軽々しく持ち上げた。気絶してるメグミをポイっとゴミを廃棄するかの如く放り投げ、それを見事にリンカがキャッチし、背後へおんぶをして運ぶ。

 気絶したメグミが手放した聖槍ゲイ・ボルグは、メグミから離れた途端に目映い光の玉へ変化し、メグミの近くへ来ると消えた。どうやら持ち主以外に持たれぬよう自然とアイテムボックスへと帰るようだ。

 いつもの事ながら水流の様に流れた連携だ。学ばないメグミが暴走し、それに態とリンカが乗り、ココアが暴走メグミを止める。三人の中では、いつもの光景で気にする必要がない。


「いつも思うけど、メグミは重くないの?」


 いつもメグミをリンカに運んで貰ってる。訓練になると言って進んで運ぶ。

 メグミは、この三人で一番身長は高く余計な脂肪がない分、筋肉質であり本人は秘密にしてるけど、女性としての体重はそこそこある方だ。


「うん?軽いのです。道場の方が正直キツイのです」

「見た目は愛らしいのに、こんなに強いなんてギャップ萌えね」

「ココア?ケンカなら買うのですよ?」


 メグミを背負いながら器用にシュッシュッとボクシングのジャブとステップを踏みながら、ケンカの準備を進める。

 リンカは見た目は年頃の可愛い女子だけど、強さを求める中で可愛いや萌えとかは逆にリンカにとって侮辱の他でない。ただし、カズトに言われるのは別でデレデレとなってしまう。


「止めとくわ。リンカの強さは充分に分かってるからね」


 速さではココアの方が上だが、地球でやってた武術で鍛え上げられたリンカの見切りはココアの速度を凌駕する時もある。

 真正面からの勝負では、リンカの見切りが勝つ場合があり、ココアがリンカの死角から狙えば………………ココアが勝つかもしれない。その時の場・時・運の状況により勝負の行方はかなり変わって来るから、どちらが強いかは明白には誰にも分からない。

 今のところの勝敗は、27対24でリンカの方が優勢に立っている。所謂、ライバル関係だ。そこにメグミも加わる事で、残三通りの組合せがあるが、それは……………また別の話だ。


「早く出発しないと今日中には……………無理でも明日には着くはず」

「全然説得力がないのです。リンカ達が徒歩でどんなに急いでも一週間は掛かるはずです。ココアは地図が読めなくてダメダメです」

「う、うるさいわね」


 技術スキルにより物体の探索は得意だけど、地図が読めないココア。戦闘狂で暴走すると何処に行くか解らず方向音痴のメグミ。この三人の中で唯一地図が読め、道には迷わないリンカ。

 無事に目的地へと着く事が出来るのはリンカ次第となる。


「地球にいた時は、いつもプロデューサーに送り迎えして貰ってたから地図アプリとか必要なかったし」

「でも、方角位は分かった方が良いのです」

「うっ………………ねぇ、これってケンカを売ってるわよね」

「あっ、分かったのです?」


 リンカとメグミのバトルをココアに止められ、リンカは不完全燃焼のまま、歩みを進めるというのか?否、折角燃えそうになっていた闘志を何処かに放出するしかない。

 ここはやはり、リンカとココアでバトルをやるしかない。まだ気絶+眠りから目を覚まさないメグミを地面に放り投げ放置する。

 

 シュッシュッパッシン

「リンカは何時でも良いのですよ?」


 準備運動するかのようにジャブとステップを繰り返し、体を温めベストコンディションにもっていく。

 非戦闘の者や運動嫌いな者が勘違いするのが、今から戦闘するのに運動するのはバカがするという認識だ。アスリートは試合前にきっちり準備運動をし、体を温める。

 そうしないと、スムーズに体が思うように動かない。まるで冬に車のエンジンを掛けようとして時間が掛かるように。


「さっきは止めたけど、本気で行くわよ?」

「さっさと来るが良いのです。負けても知らないけど」


 リンカの挑発にココアはニコニコと笑顔だけど、瞳が笑ってない。睨んだだけで人を殺せるなら、おそらく殺せると思われる。


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