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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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80食目、魔法大国マーリン行き四日目~アーモンドフィッシュ~

 ・名前:羊毛


 ・レアリティ:D


 細い糸状へ精製し防寒具の材料になる。それ以外にも最近では、貴族が掛け布団の中に入れる事がブームになっている。

 一部では、断熱材の材料として重宝されている。


 これでセーターでも編めば売れるだろうか?でも、俺は編み物はからっきしだからな。アイツがいれば編み物は大丈夫なのだろうけど、いないヤツの事を考えてもしょうがないか。


 ☆★☆★☆


 ハクション

「メグミ大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。ただのクシャミだから」

「ですです、メグミが風邪なんて引きませんです」


 帝国にいるはずの三勇者がのんびりと通り掛かる街の依頼をこなしながら、グフィーラ王国へと目指していた。


 ☆★☆★☆★



「いつもよりも魔物モンスターが多い気がする。こう何度も群れに遭遇するなんて、今まで無かったぞ」


 召還獣であるデュアルボア(カズトのみ気付いてる)の件は別だが、森林や山々等々の種族が住んでいない所に魔物モンスターは住み着くもので、公道や街みたいに整備された場所に出現するのは稀である。

 まぁどれも食材になるものばっかだし、カズトにとっては懐が温まりウッハウッハである。これでどんな料理にするかで頭がいっぱいだ。


「ビィト隊長、そんなイライラしてないで、これでも食べません?」


 子供の頃、たまに給食出てきて好きな人もいる事だろう。小魚とアーモンドにゴマが振り掛かってる〝アーモンドフィッシュ〟だ。小魚とアーモンドを一緒にポリポリと小動物園のように食べ、俺も子供の頃は好きであった。

 イライラするのは、きっとカルシウムが足りないせいだと俺は小皿に盛った〝アーモンドフィッシュ〟を分けてあげた。小腹が空いた時にも、こういうお菓子感覚で食べれるのが適してるんだよな。


「これは………魚ですかな?」


 魚は足が速いため任務中・護衛中には敬遠されがちだが、肉ばっかり食っていては栄養が偏りがちになる。

 カズトの故郷:日本でもこういう事があったそうだ。

 明治に存在した軍隊に白米を食べる側と玄米を食べる側とで実験した。結果として白米側は体調不良の者が続出し、玄米側は元気で病気の者は出なかった。

 この実験で解った事はビタミンの発見であった。玄米にはビタミンが大量に含まれていたのだ。

 まぁつまり何が言いたいっていうと、栄養はちゃんと取りましょうって事だ。長時間の任務・護衛なのだから、このままでは隊員達は倒れる恐れがある。



「大丈夫だ。俺がちゃんと調理したからな。俺もこの通り同じ物を食ってるが、何とも無いぞ」


 ポリポリと食ってるところを見せる。子供の頃の味を思い出しながら、見様見真似で作ってみた。そうしたら、あの頃の懐かしい味で味見した時に涙がポロポロと溢れてきてしまった。


「勇者殿を信じよう。いざ、参らん」


 目を瞑り何処かの戦場に赴く気持ちでビィトは〝アーモンドフィッシュ〟を一摘まみ口の中に放り投げた。


 バリボリ


「うん?これは旨い。旨いぞ、それに何処かからか元気が沸き上がってくるようだ。ふんぬ」


 ビィトが突然ボディビルダーの《フロイト・ラット・スプレッド》という正面を見据えて背中の筋肉を広げるポーズをやったところ、膨張する筋肉に鎧が耐えられず、上半身の鎧が弾け飛んだ。


 ムキムキと力む度に筋肉が意志のある別の生物であるかのように動いている。俺は無言になり、取り敢えず何も見なかったと内心で思う事にした。

 弾け飛んだ鎧はというと、止め金具が外れてるだけで壊れてる様子はない。鎧姿しか見たことないビィトが、まさか中身が筋肉ムキムキの暑苦しいオッサンだとは思わなかった。

 普段は風魔法を自在に使う剣技で、いつも涼しい顔のイケメンなオジサン的ポジションだと考えていたが、現実は違かった。


「皆さんもいかがですか?」


 俺は現実逃避的な意味で他の青龍隊メンバーにも配った。そうしないと精神的に持たないから。


「うむ、いただこう」

「俺も食べる」

「儂も、隊長が美味しいと言うのなら」

「どれどれ、勇者殿の作ったものだ。いただこう」


 バリバリボリボリ

 全員が一摘まみ〝アーモンドフィッシュ〟を口の中に放り投げた。カズトは大丈夫だろうと高を括ったのだが、現実はいつも予想斜め上の事が起こるものだ。


「「「「ふんぬ!力が漲ってくるわ」」」」


 他の青龍隊メンバーもビィト隊長と同じくボディビルダーのポージングをとると、上半身の鎧が弾け飛んだ。

 それぞれポージングをとる度に全員が筋肉ムキムキで別の生物みたいにビクンビクンと動いてる。


 カズトはグェェェェェェと吐きそうなのを堪えて〝アーモンドフィッシュ〟を【鑑定】した。これにもしかしたら青龍隊がああなった原因あるかもしれない。


 ・名前:カズト印のアーモンドフィッシュ


 ・レアリティ:B+


 ・効果:イライラ解消、筋肉増強+興奮作用(人による・微)


 カズトが調理した美味のアーモンドフィッシュ。カルシウムが多く含まれイライラを解消するの受け合いだ。

 人によるが筋肉の割合が増加し、興奮してしまうので注意。まぁ対した効果はないので、安心すると良い。


 安心すると良いと書いてあるけども、目の前の惨劇を目にしちゃ安心もクソもない。

 俺が〝アーモンドフィッシュ〟の説明文を読んでいたらいつの間にかに「「「「筋肉祭りぃぃぃぃ、ワッショイワッショイ」」」」と叫んで、そのまま魔物モンスターの群れへ突っ込んでいってるである。


 よし、この〝アーモンドフィッシュ〟は封印しよう。







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― 新着の感想 ―
[気になる点] 自衛隊に白米を食べる側と玄米を食べる側とで実験した。 自衛隊ではなく、明治の軍隊ですね。 昔はなかったんですよ(^_^;)皆、貧乏だったから 海軍は早くから白米の害に気がついて 対策…
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