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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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79食目、魔法大国マーリン行き四日目~食材ゲット~

 死の人形(デス・ドール)の襲撃を受けてからは暫くカズトも騎士隊の人達と一番前の馬車と共に見張り兼護衛をやっていた。王様王妃様は渋ってはいたが、代わりとしてチェスと〝クッキー〟や〝ポテトチップス〟に飲み物としてジュース数種類を置いて来た。

 

「勇者殿助かりますぞ。それにしても、あの人形共は一体全体何だったでしょうか?」

 死の人形(デス・ドール)を分かった途端、狂戦士バーサーカーと化したビィトは普段の口調に戻っており、カズトは安心する。あの戦闘の中には、流石のカズトでも入るには躊躇してしまう。


「それなんですが………俺【鑑定】を持っていまして、使用したところ………とある組織名が記されていました」

「組織名?それは一体?」

 話しても良いのだろうか?でも、おそらくカズト一人だけでは手に余る。先の死の人形(デス・ドール)の契約者は全て同一人物━━━リザ・テミス、魔神教会No12《首を吊るされた男》の称号を持つ人物だ。それはとんでもない力を秘めたヤツだ。

 普通、死の人形(デス・ドール)を含め人形系の魔道具は精々一人で契約・起動させられるのは10体までなのだ。それを250体を一度に契約・起動をするなど一種の化物しか言い様がない。


「…………心して聞いてください。ビィト隊長も聞いた事のある名前です。それは魔神教会、それもその幹部の名前が契約者として記されていました」

 俺の報告に目玉が飛び出そうな程ビィトは驚いている。

 それもそうだ、魔神を崇拝してるせいで度々過激な行動を起こす秘密結社で、グフィーラ王国だけではなく他国もその行方を追っており、国際指名手配にもなっている状態だ。それ程被害が各国で多発している。

 だが、国際指名手配になってはいるが幹部やそのトップの名前は一切不明なままだった。下っぱの者は度々捕まえてるが、下っぱだけに幹部の名前はおろか拠点が何処なのか教えられていない現状だ。


「勇者殿、流石です。魔神教会の幹部の内、一人の名前を明らかにするとは!」

「いえいえ、たまたまです」

 そうたまたまだ。相手が死の人形(デス・ドール)を使ってこなければ、おそらく分からなかっただろう。

 死の人形(デス・ドール)は、人形系魔道具の中で本当に特殊で契約する際、偽名は使えず所属する組織名やその称号の一部も一緒に登録されてしまう。

【鑑定】を持つ者なら一発で誰が契約者なのか分かってしまう。この機能を弄る事は不可能とされており、おそらく偽名ではないと思われる。


「勇者殿。勇者殿にお願いがあります。陛下と一緒に世界会議:メープルにご出席くださいませんか?」

 世界会議:メープル?えっ、何それ?聞いた事ないんだけど………。

 世界会議:メープル━━━━この世界アグドにおいて四年に一度、全各国が集まり開催される会議で各国の国王が一ヶ所に集まる数少ない行事なのである。


「その世界会議:メープルとやらに、どうして俺が出るんだ?そもそも、今初めて知ったのだが………」

 魔法大国マーリンに行くのは、婿として嫁いだ息子とマーリン女王の謁見が目的だと聞かされていた。


「それは………陛下に口止めされていたもので。サプライズとやらで会議始める途端に同席させると言うつもりだったらしいです。あっ、この事を私が言った事はどうかご内密に」

 ビィト隊長が話したおかげでサプライズではなくなったけど、ビィト隊長のお願いとあれば王様が言った後驚いたフリでもしとくか。



 ☆★☆★☆★


 この後の護衛中は何事も無かったとはいかなかった。度々小規模の魔物モンスターの群れに襲われた。それでも俺が参加せずとも一回につき数分程度の戦闘で済んだ。

 元々はグフィーラ王国が誇る五つある騎士隊の内の一つが青龍隊だ。そうそう普段なら遅れを取るはずもない。

 それにどの魔物モンスターも食用として食べれるものばかりで、牛に鳥に羊から乳や肉を手に入れた。


 ・牛:ニュウギュウという魔物モンスターで見た目は、地球の白と黒の斑点模様が特殊の乳牛そのままであった。ただ一つ違ってたのが闘牛並みに角が尖っていた位だ。

 このニュウギュウからは、牛肉と角に加え牛乳が手に入った。地球と同じか牛乳を【鑑定】したら―――――


 ・名前:牛乳


 ・レアリティ:D


 ・効果:体力回復(微)、魔力回復(微)、骨格強化(微)

 普通の牛乳。白い液体でニュウギュウから取れる戦利品。そのままでも飲めるが、料理にも使用出来る。だが、調理方法は誰も知らない。


 うん、ファンタジー的要素が加わってはいるが、正に牛乳だな。それにしても、調理方法は誰も知らないってここに調理方法を知ってる人ここにおるのだけれど………。


 ・鳥:コカトリスという魔物モンスターで鉱物のように硬い羽根を飛ばし攻撃してくる。この羽根に刺さったら石化状態に陥ってしまう恐ろしい魔物モンスターだ。

 それでも、青龍隊の中には遅れを取る者はいない。遅れを取るようなら騎士隊には入っていない。よって、なんなく討伐出来た訳だ。鳥系魔物の中では高級食材として貴族王族の間で出回っている。

 運良く卵もゲット出来、カズトも初めて見る。見た目は卵の形をした石であるが、実は石の殻に覆われた卵なのだ。この卵も高級嗜好品が好きな貴族に出回っており、一回味わうと他の卵だと満足出来ない程美味である。

 だが、硬い石の殻で覆われてるため割るにはハンマーを用いる必要がある。


 ・羊:ホルンマトンという魔物モンスターで、クルッと丸まった角が特殊の羊系魔物だ。気性が荒く動くものがあれば、何にでも闘牛並みに突っ込んで来る。

 それでもコカトリスと比べると危険性は少ない。対処法としてはタイミングを計り横へ跳べば良いだけだ。後は隙が出来た横側を攻撃すれば楽に倒せる相手である。

 手に入った勝利品は羊肉・羊乳・羊毛・角だ。何気に一番勝利品が多いかもしれない。

 そして何となく勝利品を【鑑定】してみた。


 ・名前:羊肉


 ・レアリティ:D


 ・効果:体力回復(良)

 倒した羊系魔物の種類や年齢によって、ラム→ホゲット→マトンと変わっていく。因みにラムが一番高級だ。

 肉系の中では好き嫌いが別れるアイテムでもある。匂いが独特で苦手な人もいるのだ。


 だが、俺は好きだ。料理人たるもの好き嫌いあってはいけない。そのお陰かは解らんが、匂いがキツイ〝クサヤ〟や〝ブルーチーズ〟に〝臭豆腐〟等々好きになってしまった。

 一回嫁達の目の前に出してみたら、案の定一瞬で遠くに距離を置かれ、プロ野球チーム顔負けの豪速球で森の彼方へと棄てられた。この日を境に匂いがキツイ食べ物はNGとなった。

 慣れれば美味しいのに…………。



 ・名前:羊乳


 ・レアリティ:C


 ・効果:体力回復(良)、魔力回復(微)

 牛乳よりは珍しい食材。羊系魔物だったらどの魔物モンスターからでも手に入る。濃厚で栄養満点でそのまま飲め、作物が取れない地方では貴重なタンパク源だ。

 料理にも使えるが誰も調理方法を知らない。


 牛乳の時もそうだったが、ここに料理出来るヤツがいるのに何で誰も調理方法は知らないって出るんだ?俺のように勇者━━━つまり異世界から来た者は除外されてるのか?

 うーん、解らん。





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― 新着の感想 ―
[気になる点] 匂いがキツイ 〝クサヤ〟や〝ブルーチーズ〟に〝臭豆腐〟 クサヤはそんなに匂いますか? 個人的には、そんなに臭わないなと思って 口に入れて噛んだ瞬間に口一杯に広がる 肥溜めの香ばしい香…
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