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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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75食目、魔法大国マーリン行き三日目

 ━━━━魔法大国マーリン行き三日目━━━━


 昨日倒したデュアルボアは全部アイテムボックスへ昨日の内に収納した。もちろん部位毎に解体し、収納した。その解体が、この世界では珍しいのか全員でジーーーっと見詰められ、めっちゃやりずらかった。


 そこで今日の朝食は、デュアルボアを多少使い王様王妃様を含む貴族は食べた事ないだろう貧民ぽい料理、おにぎりをつくろうと思う。

 カズトが産まれる前になら兎も角、今現在の日本ではおにぎりのレパートリーは数百種類に増え、世界でも認められてきてる。

 おにぎりにとって絶対必須なご飯は、アイテムボックス内に炊飯器を用意してあり、予め炊いてあったのだ。それにより、時間が大幅に短縮が出来る。


 おにぎりのド定番中のド定番は、何て言っても〝塩おにぎり〟だろう。とてもシンプルだと思われ安上がりだと思われがちだが、バカにしちゃいけない。

 米の甘味と塩味は最強の組み合わせの一つだとカズトは確信してる。塩味の後に甘味が欲しくなり、また塩味の後に甘味が欲しくなる無限ループに陥る。

 日本の有名某菓子メーカーが発売してる〝ポテトチップス〟や〝かっ○えびせん〟も中々食べるのが止まらない事も同じ理屈である。そこにコーラがあれば最高だ。


 次に定番な具というと〝おかかおにぎり〟だ。だが、肝心の鰹節が存在しない。なので今回は【異世界通販ショッピング】で買った物を削り器で削る。

 日本にいた頃、鰹節作りの名人にも弟子入りをした事がある。だから、いずれは1から作りたいものだ。

 削り節にカズトがブレンドした醤油と混ぜ、おにぎりの中へ入れて"おかかおにぎり"の出来上がりだ。


 次に絶大の人気を誇る具といえば、俺は〝ツナマヨおにぎり〟だと思っている。某コンビニが発祥らしく、発売後瞬く間に全世界に広まったという。開発者によると、マヨネーズをご飯に掛けて食べてる人がいる事が開発のヒントになった事が有力な説である。良く開発したと俺はその者を褒め称えたい。

 ツナマヨといえば、ただ単にツナとマヨネーズを混ぜると思ってる者が大半だと思う。それは間違いで、単純に混ぜ合わせれば油ぽくなり喰えたもんじゃなくなる。これが家庭で作ろとすると、失敗する理由だ。

 正確な作り方は、ツナとマヨネーズを1:1で混ぜ合わせ隠し味としてトマトケチャップを加える事が大事だ。トマトケチャップの酸味がツナの魚臭さを中和してくれるのだ。

 後は、おにぎり内にツナマヨを詰めれば"ツナマヨおにぎり"の完成だ。


 後は俺が好きな具を包んでいく。シャケ、昆布、梅干、焼きおにぎり、最後にデュアルボアの肉で焼き肉風にカズト特製焼き肉のタレで焼いたのをおにぎりに包んだ。

 これを全部を海苔で巻けば(例外として焼きおにぎり以外)カズト特製"おにぎりタワー"の完成だ。まぁただ単に大量のおにぎりを大皿に積み上げただけだ。これで取り敢えず朝食の準備は終わった。


「見張りお疲れ様です。これを皆さんでどうぞ」


 見張りをしてる青龍隊隊員に〝おにぎりタワー〟を緑茶と一緒に差し出した。パンより米の方が腹持ちは良い。

 徒歩で歩きながら、モンスターや盗賊等から警戒しなきゃならないから、腹持ちが良い米の方が集中力が上がり良いとされている。


「カズト殿、かたじけない。おーい、カズト殿から差し入れだぞ」

 隊員一人の号令で次から次へ馬車から青龍隊全員が出てくる。疲れた様子だが、大量のおにぎりの前にすると例外なく全員が無我夢中でおにぎりを手に取り、中には涙を流してる者までいる。


「うめぇぇぇぇぇ、こりゃぁうめぇぇぇぇぇよ」

「シクシク、お母ちゃぁぁぁぁん」

「兄弟達は元気かな?会いたいなぁ」

「俺はこの任務が終わったら結婚するんだ」

「カズト殿、何処か懐かしいような味を感じます(久し振りに実家でも帰るとするか)」

 一人だけ不穏なフラグを立てた者がいるが、まぁ絶賛のようで俺は満足だ。


 青龍隊隊員達が食べ終わる頃には、王様王妃様が起きて来る。その時間に合わせメイド達はそそくさと準備に忙しい。

「王様王妃様、お待たせ致しました。こちらが今日の朝食でございます。我が故郷の代表的料理でございます。どうか、ご賞味ください」


 丁度テーブルに王様王妃様が席についた時、どーんと大皿に積まれた大量のおにぎりに驚愕の表情を隠せない王様王妃様。レイラも流石にこの量に呆れ果て「あっはははは」と開いた口が塞がらない。


「こ、これは凄いという一言しかないな。これは東方で食べられてる米とやらか。何処か小麦に近いような気がするのぉ」


 一応知識としては知っていたか。でも、米って小麦に近いかな?同じ穀物だけど、全然用途が違う。稲の時は似てるかもしれないが、脱穀すると俺には全然似てない気がする。

 その事は王様には指摘しないでおこう。機嫌悪くなると、後々面倒くさいから。


「フォークやスプーンはないのか?」

「王様、手掴みでそのままガブッと食べて下さい。それが〝おにぎり〟の作法でございます(ウソだけど、箸やフォークで食べる人は聞いた事ないし、本当みたいな事だよな)」


 カズトがおにぎりを食べて見せる。作った本人が言うのもアレだけど、美味しい。何と言うか懐かしい気がする。これがお袋の味ってヤツだろうか。



「これは塩ですわ。シンプルだけど何個も食べれる気がするわ。こっちはシャケかしら?う~ん、シャケと米は合うのねえ。美味しいわ」


 海苔のお陰で手を汚さずに食べられ、味も多種多様で王様王妃様だけではなく、メイド達にも大変好評であった。


 

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