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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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72食目、魔法大国マーリン行きの護衛二日目~サンドイッチ~

 ━━━━魔法大国マーリン行き二日目━━━━


 時計があるなら五時を過ぎた当たりだろう。見張りの隊員以外はまだ寝てる頃だが、俺は起床し朝食の準備へ取り掛かる。

 朝食のメニューとして考えてるのが"サンドイッチ"である。一番有名な"サンドイッチ"の由来の説が貴族の第四代サンドイッチ伯爵が考案したというのが有力だ。

 だから、王様王妃様にピッタリなメニューだと考えた訳だ。後はサンドイッチに挟む具材が問題だ。


「う~ん、昨日の残りのカツと………」


 まぁ取り敢えず、作りながら考えるか。

 定番から考えて、玉子とマヨネーズの"たまごサンド"だ。茹で玉子とマヨネーズに胡椒や塩で味付けをして出来上がりのド定番なサンドイッチだ。

 続いてハムチーズ、ツナマヨ、各野菜系にイン○タは無いけれど、マンゴーやアボカド等々の彩り取りの具材を取り入れる。


「お早うございます。良く眠れましたでしょうか?」


 朝食を作り終え、カズトは王様王妃様の馬車を訪ねる。カズトが扉を開けた時には二人共正装に着替えられており、テーブルへ着席なされている。


「お父様お母様、お早うございます」

 昨日とはまた違うドレスで現れたレイラ。露出は控え目だが、ピッタリと肌に密着しておりスタイルが思う存分分かってしまう。


「カズトもお早うございます。どうですか?今日のドレスは」

 満面な笑みでクルっと1回転し、ミニファションショーを開催する。


「はっ!とても似合うよ。キレイ過ぎてボーッとしてしまったよ。マギで惚れ直した」

「もう、カズトったら褒めるのが上手なんだから」

 王様王妃様二人だけではなく、メイド達も見てる前でイチャイチャしだすカズトとレイラ。


「ゴホンゴホン」

「「はっ!」」

 王様の咳払いで我に帰る二人。二人して王様王妃様の方向を見ると、腕を組み眉間に血管が浮き出て明らかにイライラしてる王様とニコニコ笑顔で暖かな眼差しを向ける王妃様。


「カズト殿………いや、勇者カズトよ。儂と決闘を━━━━」

「あらあらまぁまぁ、仲睦まじく羨ましいですわ。我が夫を黙らせてあげるから早く続きを」

 で、出来るかぁぁぁぁぁぁ!周囲にいるメイド達もキラキラと何かを期待してるような温かい瞳でこちらを見詰め、キャキャっとひそひそ話をしている。

 そんな光景にレイラも羞恥心が積もり下を向いて黙ってしまっている。この空気を打ち砕く打開策は………俺の手の中に今ある。


「お待たせ致しました。こちらが本日の朝食のメニュー………サンドイッチ(各種)セットをご用意致しました」


 王様王妃様の目の前に彩り取りのサンドイッチとカズト特製ブレンドコーヒーのセットが置かれる。カラフルのサンドイッチに王妃様の瞳はキラキラと輝く。地球でいうところの"映える"見た目だからしょうがない。


「これは………パンか?しかもピザとは別の意味で柔らかい!しかもパンの間に何か挟まってるのか。これは面白いのぉ。

 こちらの飲み物は………初めて見るはずなのじゃが初めての気がせん。何か本能に訴え掛けてくるような匂いじゃ」


「サンドイッチは我が故郷のとある貴族が提案したとされてます。王様王妃様にピッタリかと思い作りました。

 コーヒーは朝の目覚めにピッタリな飲み物でございます。苦味が苦手でしたら、こちらの"ミルク"と"角砂糖"をお好みでお入れ下さい」


 ミルクは兎も角、角砂糖が注目の的となった。砂糖自体が貴族の間で流通してからそんなに日は経っていない。

 それなのに、目の前に真四角に固めた砂糖が存在する。それ自体が()()()()()事なのだ。希少過ぎて規制が掛かってる程で使用し扱いこなす者というと片手で足りる。


「か、カズト殿これを何処で手に入れたのだ?」


「すみません。それは企業秘密で言えぬのでございます。昨日お召し上がりましたクッキーにもお使いしました。そこで、ここの秘密にして頂けませんか?」


 カズトは砂糖の出所を教え出来ないと謝罪したと思いきや、人差し指を唇の前へ出し人払いをするようお願いした。メイド達が立ち去ったのを確認後、自分自身の秘密の一端を教える。


「実は砂糖を広めたのは、俺でございます。なので、ここに砂糖がある事自体は不思議ではないのです」


「「なっ!」」


 貴族の間で流行してる調味料は、勇者自ら広めたと言うのだから誰だって驚くに決まっている。


「砂糖を広めた事を内密にしてくださるなら、これから砂糖を融通しても構いません(そこまで高いものではないしね)」


「うむ、良かろう。して、相談なのじゃが………この角砂糖とやらを分けて貰えんかのぉ?」


 早速食い付きやがった!

 元々コーヒーの味を調整するための角砂糖だ。差し上げてもカズトの懐は痛まない。日本の物価で換算すると………ほんの数百円程度だ。


「あなたズルいですわ。私の分も残して置いてちょうだい」


「王妃様ご安心を。王妃様の角砂糖もございます」


 角砂糖が入ってる小瓶を王妃様の前に出すと大喜びで手に取る。その様子を見てる実の娘であるレイラは恥ずかしさの余りに顔を両手で覆い隠し、そっぽを向いている。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 『おくんなまし』は里言葉、遊郭で使われた言葉です。高貴な方の口から出て来ない言葉であり、仮に王妃が遊郭の出であったとしても人前では口にしないでしょう。 異世界だから言葉も違うといってし…
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