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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

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71食目、魔法大国マーリン行きの護衛一日目

復活しました。

何もなければ、今まで通りに更新していきますので、これからも宜しくお願いします。

 ━━━━魔法大国マーリンへの行き一日目━━━━ 



 王様王妃様の護衛任務1日目、王都を出発してから日が傾き夕方になる。完璧に暗くなる前に街道から外れ夜営が出来る箇所を探す。


「全員止まれぇぇぇぇ!ここで夜営を設置する。それぞれ準備せよ」


 青龍隊隊長ビィトの号令によって馬車は一斉に停車し、馬を近くの木々に縛りつけ馬車の車輪が動かないよう木製の車輪止めを設置する。

 みんなが夜営の準備をする中で王様王妃様に加えレイラはというと馬車の中でカズトがアイテムボックスから取り出したボードゲームの一つであるオセロのルールを説明すると、見事に無我夢中で交代しながらプレイしてる。


 因みにカズトは夕食の準備に取り掛かる。

 俺はアイテムボックスからミミから城へ向かう前に受け取った魔道具を取り出す。

 10cm四方の立方体で、そのままでは何の魔道具か不明だが受け取った時にミミの使用説明を聞いたところ「地面に置けばオールOK。終了すれば自動的に戻る」と言っていた。

 ミミの言う通りに地面に置くと自動的に起動する。まるで男心を擽るロボットの合体か変形シーンを見てるようで、現れたのはシステムキッチンだった。


 最初はガチャガチャと四方から色々な部品?が出現し組み合わせて徐々に出来上がると思え見てて楽しく感じたが、途中から全然理解出来なかった。

 だ、だってぇ~、何であそこからあんな風になるのか意味不明だった。何て説明したら良いのか俺でも分からない。ただ、これだけは言える。あれを見たヤツは絶対に意味不明と嘆く事だろう。

 さてと、キッチンを設置出来たし調理開始といきますか。


 俺のアイテムボックスには、まだワイヴァーンの肉がたんまりと残っている。この護衛時に使用しても全然減らない気がしない。だって、討伐時に十数年分を手に入れたか大量過ぎて計算しようがない。でもまぁアイテムボックス内は時間停止してるし大丈夫なのは確かだ。

 それで、ワイヴァーンの肉で何か出そうと思う。大量にあるので忘れがちだが、ワイヴァーンの肉は巷では高級食材だ。貴族でもそうそう食べれるものではない。

 そんな物を食べさせたら騎士隊の皆さんの士気が上がる事必至だ。そこで俺は縁起が良い"カツ"を作るつもりだ。ワイヴァーンだからドラカツか。


 

 先ずはワイヴァーンをステーキ肉サイズに切り分け、肉叩きで筋を切っていく。これによって固くはならない。

 "カツ"を含めフライ系の揚げ物は、たまに例外はあるが大抵はこの三つを用意する。

 小麦粉→卵→パン粉だ。この順番に浸けていき油で揚げれば完成する。衣の厚さや揚げ時間によって味が大きく左右される料理だけであって料理人の腕が試される。

 俺は二度揚げをオススメする。

 一度目は低温の油でじっくりと中に火を通すよう揚げ、二度目で高温の油でカリッと仕上げる。

 揚げ終わったら一口大に切り分け、皿に千切りキャベツを盛り付け、カズト特製ソースを"ドラカツ"に掛けてあげれば完成だ。後は炊きあげたばかりの"ご飯"と"味噌汁"をつけて、みんなに提供する。


「こりぁぁぁ、旨めぇぇぇぇ!」

「隊長旨いっすよ」

「こちらお代わり」

「あっ!ズルいぞ。こっちもお代わりだ」

「ガツガツ………旨めぇぇぇよ、本当に旨めぇぇぇよ」


 青龍隊隊長ビィトを除く全ての隊員が無我夢中で"ドラカツ定食"を無我夢中で食べお代わりが続出する。


「こら、お前達もっとゆっくり食べんか!どうも、ウチのバカ達が食い散らかしてすみません。カズト殿」


「いえいえ、こちとら一介の料理人として食べて貰えるのが嬉しいですから構いませんよ。ビィトさんも、どうぞ召し上がって下さい」


 一方、王様王妃様がいる馬車内はメイド達が颯爽と動き回りカズトが調理した"ドラカツ定食"を配膳している。

 動き回ってるメイド達を見てるレイラはソワソワとしていた。普段、レストラン"カズト"で客達に配膳してる方だからか動きたくて仕方なくなる。

 だけど、今は王族としてここにいるのだ。働いたら王族の威厳に関わる。だから、今はじっとするしかない。 


「うむ、これが今回のカズト殿の料理か。前回の"ステーキ"とやらに似ているが違うな」

「そうね、こちらは一口に切られ食べやすいわね。それに外側はカリッサクッと歯応えがあり、中は柔らかくジューシーに肉汁が溢れてくるわ」


 よかったぁぁぁぁ!気に入って貰えたようよ、カズト!

 と、レイラは目の前で手を止めずに食してる二人を見て安堵する。

 人間の貴族の中で舌が肥えてるのは、王族である王様王妃様の二人だ。この二人に連続で料理が認められる事は滅多に………ていうか、王様が王位を継承して30年、一度たりともない。


 ホッとしたレイラは緊張が解れたのかグゥゥゥっとお腹の虫が可愛く鳴る。それを合図にレイラも食べ始める。

「………!(うまぁぁぁぁい!毎日、カズトの料理を食べていますが………まだ、これ程の料理を隠してるとは………)」

 レイラも他の者と同様、お代わりをご所望したのである。


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