表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
2章魔法大国マーリンへ行こう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/552

68食目、カズトが二人?!

「この度マーリンに行くのは。息子に会うためとマーリン女王と謁見するためじゃ」


 マーリン女王………魔法大国マーリンは、例外なく国王は女性と決まっている。何故なら、魔術族マジシャンは女性の方が魔力が強く魔法の扱いに長けているからである。

 因みに魔術族マジシャンの男女比率は3:7と女性の方が多いのも大きな要因だ。


「グフタフにカズト殿の話をしたら、ぜひ会いたいと頼まれてのぉ。近々マーリン女王と謁見する予定じゃたのでな、ついでにカズト殿を連れて行く事にしたのじゃ」


 俺はついでなのか!はぁ~、まぁ良いけど。噂によれば、魔法大国マーリンには勇者が一人いるらしいと聞いていた。本当にいるなら会ってみたいと思っている。


「何で俺にレイラの兄━━━グフタフ王子が会いたがっているんだ?」


「「「「何でって!ねぇ」」」」


 えっ?何みんな驚いてるの?察してないの、俺だけ?


「カズト、あなた勇者なのよ!しかも魔王を倒した」


 実際倒したのは俺じゃないんだが………


「その武勇伝が本になって全国に出版されてるのじゃよ。今は5刊まで出ておったかのぉ。もちろん、儂も読者の一人じゃ」


 えっ!聞いてないんだけど………本って何?本ってどういう事?


「レイラ?!」


「あぁえぇーっと………勇者伝説っていう本がありまして………今では五千万部の大ヒットになっていたような」


 目を泳ぎまくりながら説明してくれた。これはレイラも持ってるなと確信する。


「グフタフもその本のファンなんじゃよ。それで連れて来て欲しいと頼まれた訳じゃ。実の可愛い息子の頼みなんじゃ、断れまい」


 マジですか!それは光栄ですけど、その反面恥ずかし過ぎる。穴があったら入りたい気分だ。


「そうすると、長期間店を空ける訳だから………うむ、しょうがない聖剣の力を使うか」


 聖剣という言葉に飛び付いたのが青龍隊隊長ビィトだ。騎士や剣士を含める冒険者になる男達は一度でも良いから聖武器をこの目で見たいと夢を少なからず見ている。


「持ってみるか?これが聖剣エックスカリバーだ」


 シャキーンと鞘から抜き天に掲げた。なんとも惚れ惚れする剣先に何物にも切断しそうな刃、どれもとっても聖剣に相応しい風貌だ。


「良いのですか!それでは………」


 カズトがビィトに聖剣エックスカリバーを手渡しビィトが柄を握った瞬間、ズシンと凄まじい重さに耐えきれず床に落としてしまう。というよりも、聖剣エックスカリバーにビィトがひれ伏してる形になっている。

 ビィトの両手が柄の下敷きになり、重過ぎて立ち上がれない。どんなに力を入れようともびくともしない。


「やっぱり、こうなったか。ほれ、大丈夫か?」


 カズトは聖剣エックスカリバーを握り持ち上げる事で、ビィトはやっと解放され立ち上がる事が出来た。

 聖剣エックスカリバーを含む聖武器の名前の由来は先程のように勇者しか扱えない武器だからこそ聖武器なのだ。エックスカリバーの場合は勇者以外の者が持つと、その凄まじい重圧によって持ち上げる事が不可能になる。

 それに聖武器一つ一つに対応した勇者がおり、対応してない聖武器はビィトと同じく扱う事は不可能である。


「いやはや、まさか聖武器がここまでの物だとはお見逸れ致しました」


 納得してくれれば、それで良い。盗もうにも出来ないしな。


「カズト殿、それで聖剣の力を借りると申したが?」

 王様が心配するのも無理はない。聖剣エックスカリバーに限らず聖武器は強力なものが多く一国を滅ぼしたという記録が残ってる程だ。

 まぁそれは勇者の力を我が物とせんとするバカな国王が仕出かした事だ。滅多にある事ではない。


「なに、安心すると良い。危険な事ではないからな」


 カズトは聖剣エックスカリバーを中段に構え瞳を瞑り集中する。店を開いてからは一度も使用してない能力を解放するのだ。久しぶりで集中する必要はなくはないのだが、一応念のためにしてる。

 店を開いてから使用していた聖剣を"属性系"と名付けよう。属性系は炎・水・風・土・雷・光・闇の聖剣がある。

 今からやろうとするのは違うタイプの聖剣だ。属性系とは全然方向性が違う。もうそろそろ解放出来るから楽しみにしてると良い。


「はぁぁぁぁ、形態変化モードチェンジ双児宮の聖剣………ジェミニ」


 聖剣そのものには変化はない。ないのだが、不思議な事が起こった。聖剣エックスカリバーが二振りになっているではないか。


「な、なんと!聖剣が二つになったではないか!」


「双児宮の聖剣………ジェミニ………成る程!それで二つになったのですな」


 ビィトは納得してるようだが、まだ驚くイベントが待っている。この双子の聖剣ジェミニは別に二刀流となった訳ではない。二振りあるのに二刀流ではない理由は…………


「さてと、スキル発動!【双子ダブル】」


 技術スキル発動させると、レイラ以外度肝を抜かれたように呆けている。目の前で起きた出来事が信じられず、何度も目を擦り瞬きを繰り返す。


「「これが双子の聖剣ジェミニの能力スキルだ」」


 カズトが二人になり、それぞれ聖剣エックスカリバーを手に持っていたのである。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ