プロローグ・出会い・その6
読んでいただきありがとうございます!
「……じゃあ、その10人のボディーガードを倒す算段はあるのか?」
日田は仕切り直して、こんな質問をしてみた。
「ねぇぜ」
「ああ?」
「嫌、だから無いんだって。俺は能力的に、真正面から突撃して一気に制圧するのが得意だし強いんだよ。でも……、確かにそうか、日田の能力、なんか特殊そうだったもんな。」
白金の能力と言えば、体の右半分に炎をまとい、それを自在に操る……。と、見た感じだが。こんな能力だったかと日田は予想付ける。
「まぁ、確かにお前の能力って、ゴリゴリの戦闘向きっぽいもんな。………そうだ、一応協力するんだし、俺の能力も言っとく。俺の能力は体をスライムみたいな粘性のある物質に変えるってもんなんだ。」
「へぇ……」
日田の能力を聞いた白金の顔は、微妙な物だった。
まぁ、戦闘向きな能力と言う点では、白金の能力には劣るだろう。
(それでも、結構便利ではあるんだけど……)
「それで……、日田は戦闘慣れしてるほうか?」
「いやいや、俺は一般高校生だぞ?そんなわけ無いだろうが」
「おっ!それなら良かった。ちょうどいいぜ」
そう言って手を叩く白金の笑顔を見て、日田の頭に嫌な予感が走る。
「実はな、この学校に、大門桜のボディーガードの1人が生徒として通学してる」
「はっ!?」
「それでそいつを今ここに呼び出した。……わかるな?ここで今そいつを叩く」
「いっ、いやいやいや!心の準備!心のっ!!」
やはり唐突で、危険過ぎる白金の言葉に、日田は焦りに焦る。
出来ればしたくなかった心の準備を、急速に整える。だが、1度異様にはね上がった心臓は、中々静かになってくれない。