プロローグ・出会い・その5
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「大門・桜」。
嫌でも目立つ金髪の長い髪を下げた、人とギタイの共生を訴える組織、「ガブ」の代表。
メディアにも積極的に姿を現しており、可愛らしい容姿と、どんなに誹謗中傷を受けても崩れない、「共生」への積極的な姿勢で人間の中にも彼女を支持する者も増えてきている。
「あのさぁ……、「殺す」だとか、そんな物騒な言葉はあまり使わない方が良いと思うんだけど……。っつーか俺の話聞いてた?殺しの手伝いしろって、ハード過ぎるだろ」
「っても、お前「しくらあざみ」の情報、ほしいだろ?」
「っつ……。そりゃ欲しいけど……。」
日田は何とも言えなくなってしまう。
自分の父親がどこにいるのかは、昔から喉から手が出るほど欲しかった情報だ。
しかし、その情報を得るために背負うリスクが、何とも言えなく、大きい気がするのだ。
「日田、お前さっき言ってたよな。良くこんなにメディアに顔出して殺されないよな、って」
「あ……、ああ。普通あんだけ顔だしてりゃ、すぐ掃除人に殺されるだろ。」
「もちろん、ちゃんと理由がある。大門桜自体は大して強くは無い。そりゃ、共生を訴えてるんだ。人間殺しちゃ不味い」
白金は、一旦言葉を切り、続ける。
「大門桜にはボディーガードが10人居る。こいつらがめちゃくちゃ強い。掃除人達が大門桜の討伐を後込みするくらいにな」
「……ん?待て、と言うことは。俺たちは二人で全国にいる掃除人が討伐を嫌がる様な猛者どもを、相手にしなきゃいけねぇってことか!?」
「ああ。まぁ、大丈夫だろ。二人いれば百人力だ」
「後九十八人どこ行ったんだよ。まず後戦力九十八人連れてこい」
そして日田は、今日何度目かもわからないため息をついた。