プロローグ・出会い・その4
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夕陽が雲の中に隠れ、空を闇が支配し始める。
そんな時、日田は曲がりなりにも自分の父親だった人物が、他人の家族を殺していたことを叩きつけられた。
(いや……、俺の父、「しくらあざみ」が、何人もの人間、ギタイを殺した事を俺は知っていた。「しくらあざみ」の悪名は、全国に轟いている)
「別に同情を求めるわけじゃねぇが……、ギタイの身体の法則に、「多く人間を食べた親から生まれる子供のギタイには、強い能力が宿る」っつーもんがある。「しくらあざみ」の息子のお前の能力が借りれれば、今回の仕事……、かなり困難何だがそれが確実に達成出来るかと思ってな」
「っても、俺の力は大したもんじゃねーぞ。……だが、まぁ、………」
そこで、日田は言葉に詰まった。
(まさかこんなところで父親の名前を聞くことになり、そして父親の被害者に会うとは……。)
「……わかった、やってやる!ただし、あんまりきついのは無しな!痛いのもなるべく無しで!」
「うおっ!マジかよ……。自分でここまでやっといって何だが、調整人に協力するなんて、かなり物好きだな。」
「……で、その仕事ってのは、どんな内容なんだ?」
日田は早速、白金に聞いた。
「ああ、今回の仕事……。日田、お前「大門・桜」って知ってるだろ?」
「あ……、ああ。最近よくニュースとかで見るな。「人間とギタイの共生を訴える女性ギタイ」って……。よくあんなに派手に活動して、殺され無いなって思うよ」
「ああ、それには理由があってな。まぁ、その理由も後で話すが……。今回の任務は、その「大門・桜」を殺す事だ」
白金の口から出たその言葉は、日田が薄々どこかで予想していたような、かなりヘビーな物だった。