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ギタイ -全テヲ飲ミ込ム者-  作者: もちのすけ三郎
ブラック・サービス
22/42

黒い正義と流動する者その9

読んでいただきありがとうございます!

「な……何だぁ!?」

黒鱗を追跡し、サービスエリアを進んでいた日田の前に現れたのは、数十人の男女が作り上げた人混みだった。

そしてその人混みの後ろには、トイレへのドアがある。

(困った……。俺の体の1部の反応はトイレの中にあるのに……。これじゃ入れんぞ……)

そう思った日田は、人混みの後ろにいた男性に声をかけた。

「すいません……。この人達は、何でこんな所に?」

「あっ、ああ。何かトイレに入るドアが開かねぇみてぇでよ。ここのトイレ、男女共このドア通らねぇとトイレに行けねぇんだわ。……それでこんな人が集まっちまってるんだよ……」

男性は困った様にポリポリと頭をかくと、ここにいてもどうしようもないと思ったのか、どこかに行ってしまった。

(俺の力なら……開けられるかもな)

ギタイの身体能力は、全体的に人間よりも高い。

「す、すいません。ちょっと……」

日田は人混みをかき分け、何とかドアの前にたどり着く。

「これか……」

目の前には、普通の銀色に光るドアノブがある。

簡単に動かないのだろうと思うと、何故だが異様な圧力を放っているようにも思える。

「ふん……っ!」

日田は両手でドアノブを握り、力一杯回し、引いてみた。

ギギッ、ギギギッ!と鈍い音を立て、ドアノブが軋む。

「っつ……!マジかよ……!」

しかし、ドアは開かない。これ以上引っ張り続けると、ドアノブだけ外れて、壊れてしまいそうになる。

「!?」

その瞬間、日田の目に写った物があった。

それは、ドアノブの隙間からニュルリと覗いた黒い液体の様な物。恐らく「黒鱗」だ。

「なっ何だぁ!?」

そして覗き出た黒鱗に気を取られた瞬間、さらに信じられない事が起こった。

ドアノブが、何時間も熱されたフライパンの様に、熱くなったのだ。

「づっあっ、熱っ!!」

そしてそのあまりの熱に、日田は思わずドアノブから手を離してしまった。

(黒鱗とこの異常な「熱」……。まさかこのトイレの中では……)

日田は一瞬ドアの前で立ち止まり、どこかに走り出した。

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