ー世界史ー
※世界観のお話です。
この世界【コーゼスト】は昔、
大地は一つしかなかった。
緑が多く空気が清んでいて、風が吹くとサワサワと木々が一つ一つと連なり音楽を奏でて拡がっていき風が遊び、踊る。
海や川は透明から徐々に青く色がグラデーションに変わっていき、生き物達がスイスイ気持ち良さそうに跳び跳ねたりして泳いでおり、湖も空の色を真似て色を変え、写し鏡のようだ。
土は作物に栄養をあげて、美味しい物を作るのを手伝ったり、中に潜っているものにはいい寝床になっている。
たまに、火山が噴いたりするが、自然に溢れ…気候も穏やか、大地に生きる動物、人はもちろん精霊…はたまた魔物にも住みやすい環境だった。
そして、生きているものみな魔源を宿している。
私たちが自然と使っている魔法は己のと、自然の溶け込んでいる魔源を使って現象をおこしている。
風・水・土・火・雷・氷・闇・光の基本8属性、
暗黒・神聖・空間・時間の特殊4属性…12属性があり、それぞれ自分に適性があれば使える。
……だがある日、自然にある魔源が突然暴走し、世界に初めて災厄がおとずれた。
地震が起き、大地が割れ、幾許も無く地面が崩落する。
海が荒れて津波がおき、近い街などをのみこむ。
火山が活性化し大噴火がおき、飛んだマグマが大地を焼く。
…人々は阿鼻叫喚し、かつての光景が嘘のように、地獄と化した。
精霊たちはこの事態に嘆き、このままでは世界が無くなってしまうと奮起した。
精霊王を中心に上位、中位が集い大地の中心へ行き、下位の精霊達には後を託し、存在と引き換えに、なんとか封印できた。
残された下位の精霊たちは、世界をめぐり、地獄と化した環境を整えようとがむしゃらに力を使い続けた。
そして、元の姿までとは云えないが、ある程度環境が戻ると、精霊達は自然と溶けこんで、消えていった……。
こうして、世界の危機は去ったがあれから精霊を見たものはいない。
これだけの世界の災厄を、精霊達の偉業、尊さを忘れないように、人々は史書として後世に残している。
◇◆◇◆
それから2000年がたち……
今、大地は四つに別れている。
四季の大地【ウェンディ】大陸
東南にあり、大きな街は三つ、村はいくつかある。
[歯車の帝国メカニカ]・・機械仕掛けの都で乗り物が豊富。季節は夏。
[豊穣の町ハーベスト]・・農産業が盛んで畑が多い、季節は秋。
[春風の町ペロ]・・花畑が広がる風車の街、一番の観光地で、季節は春。
この三つの街に囲まれた中央に雪原ジーオ山脈という冬山がある。
万年雪の大地【グレンネス】大陸
北東にあり、街は一つだけで後は雪原。
[郷愁の国フリージア]・・自然が厳しいが他種族が多く暮らす雪国。
中央大地【ヘイレンツ】大陸
世界の中心にあり、大陸自体が小さくて街は一つだけ。
[聖国プラニボ]・・かつて精霊達が封印した場所、上に山、下は大渦に挟まれ難攻不落の国。精霊を祀る宗教"スピリツ教"の発信地。
神秘の大地【アネクポード】大陸
北から南西まであり、北側に街が一つしかない、あとの3分の2の土地は大森林と砂漠で人が入らず、未開の地となっている。
[商人の街チェント]・・商人が中心で発展した街、温泉街が有名で、プラニボ聖国に向かって下にヒュージ山脈という平べったく横に長い山がある。
◇◆◇◆
その一つウェンディ大陸にあるメカニカ帝国が、物語の始まりだった……。