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フライングデリバリー  作者: ウラン
第一部
20/40

15: 苦い初恋盟友…登場

少し修正しました。

「フオーーー! 虹色の花畑だッ!!」


 あれから数時間、やってきました花の街ペロ!!

 今、目の前に広がっている景色はヌルボットが言った様に、虹の()()に分けられて植えられている花畑があり、赤からアネモネ、スパラキシス、クロッカス、クローバー、ネモフィラ、ブルースター、そして紫のアネモネの7色が綺麗に咲いている。


 そして、ペロの門のアーチを(いろど)るのは白、ピンク、紫のカルミアだ。

 星型の(がく)とつながった5枚の花弁があって、蕾は突起があり可愛らしい形をしていて女性に人気のスポットだ。


 街の中には他にも花がたくさんあって目移りするが、一番大きくて目立っているのは、花ではなくて風車だ。

 穏やかな風を街に巡らせて花の香りでいっぱいになっている。

 この香りを香水にしたら街の特産品になるのでは? と街の商人達が開発して、今では売り上げトップの人気商品である。


「相変わらず凄いなー! 絶景なり絶景なり。」

「なりなりーー!!」


 真似っこがこの頃マイブームのヌルボットは、初めて見る観光地と景色にはしゃぎ飛び回って注目を浴びているので、尻尾を掴んで大人しくさせる。

 ーガシッ

「ピィ!?」


 毛皮がぶわっと膨らみ硬直したヌルボットを隣に戻して尻尾を離し、景色から賑やかな方へと視線をずらす。


「そして、人もいっぱいなりー。」

「ピッ! 人がゴミ…「言わせねーよッ!!」……なりー。」


 硬直がとけて、飛びながら俺の肩に(しだ)れて頬を突ついてくるヌルボットを、もういいやとそのままにして、周りを見ると花見客が集まって宴会をしているのか、飲めや歌えと盛り上がっている様子。

 昨日の惨事を見ているようだ…主にモンジの。



 俺達は一旦そこを離れて、青々と日差しで輝く草原が広がり、白い風車が近くに見える場所に来た。

 そこにポツンと一軒しかない平屋のログハウスが建っていて、外観は花街ペロには珍しく花壇の一つもなく、庭には年期の入った斧と薪割り場に水色のタオルケットが掛かったハンモックがあって、木こりの家って雰囲気の家だ。


 煙突から煙が上っているから留守ではないな。

 俺は玄関のドアをノックする。


 ーコンコン

「こんちはー。お届け()でーす! ……アイツ居るかな?」

「ここドコ? 花見は~?」


 疑問符が頭に飛んでキョロキョロするヌルボットに答える。


「知り合いに会うって言っただろ? ここはそいつの家だよ。花見は夜にな、夜の景色もまた見物だぞー。」

 ードンガラガッシャン  Σイテー!!

「ビクン!?」

「……。居るな。」


 ヌルボットに話していると物にぶつかり転けて痛がる大きな声が聞こえて、ヌルボットは吃驚して、俺は察した顔で幼馴染の存在を確認した。

 騒音をだしながら家の中で暴れている幼馴染に呆れて待っていると、慌てたようにガチャガチャ玄関のドアを開けて青年が出てきた。


「ごめんなさい、遅れて! 誰からで…す!? わあ~リシャーー!! 久しぶりだな!」

「おう、久しぶりスレイニー!」


 いつもの挨拶でハイタッチをする。

 出てくる時にバタバタしたせいで草臥れた服装だが、顔は整っていて爽やかさが滲み出た青年だ。


「元気だったかい?」

「まぁな。仕事で近くまで来たから寄ったんだ。ガジルさんは?」


 今の時間ならいつもお茶を飲んで寛いでいる人物、一緒に住んでいるスレイニーの祖父を訪ねてみた。


「そっか! じいちゃんは腰痛めて寝てるよ。あ! リシャこれから時間ある?」


 いつものだよと腰に手を当てて苦笑いをするスレイニーが、閃いたみたいな顔に変わり、話を替えて聞いてくる。

 俺も納得して、さっきから頭を嘴で甘噛みならぬ甘突きしてくるヌルボットを肩から下ろして、いい加減紹介しろと無言の訴えをしてくるのを宥めてスレイニーに紹介する。


「ああ、持病のな。あるけどその前に紹介したい奴がいるんだ。」

「よかった! …うん、さっきから気になってたんだけど……いつの間に産んだの? 異種族婚? やるなーリシャ! 前から毛足の長い子好きだと思ってたんだ、ドンピシャだー。良かったね!!」

「良かったじゃねーよ!? お前何天然爆発させてんの!? 産める訳ねぇだろ!! あと、勝手に人のタイプ晒してんじゃねーよ!!」

「ほら、やっぱ好きなんじゃん。」

 ーΣバシッ!

「揚げ足とるなッ!?」


 いきなり爆弾をぶっこんできたスレイニーに直ぐ様ツッコんだ。


 確かに小さい頃は案の定、女と勘違いして扱ってきたので、それに腹が立ちスレイニーの手を下半身に持っていき掴ませて、『俺は男だッ!!』と叫ぶと、手を掴まれて下半身に持っていく時は顔を真っ赤にして『まだ早いよッ!!』と慌てていたが、ブツを掴まされた時の固まった後、顔色が青くなり絶望したスレイニーとの思い出は俺の中ではNo.3に入る出来事だ。

 初恋だったらしい……何処かで聞いた話だが、スレイニーの黒歴史だ。


 だから、嫌でも知ってるだろと怪訝に思ったのと、もふもふ好きなのをコイツにバレてたのが図星で妙に恥ずかしく手が出た。


「Σあいたッ!! …もう、スグに手が出るとこ直した方がいいと思う! 馬鹿になったらどうするのさ。」

「そうだな、周りが可哀想だ。これ以上被害を出す前に殺っとくか?」

「なんでッ!?」


 ギャーギャー口論しながら本格的に体術で首を絞めたり、足を堅めたり俺達二人が取っ組み合いをしていると、存在を示すようにヌルボットが羽を広げて飛び、ポンポンと俺の肩を叩いた。


「…パパよ!」


「「………。」」

「やっぱり!!」

「違ーーうッ!!」


 ヌルボットのせいで疑惑が確信になって納得顔のスレイニーに俺は違うと否定しても、わかってる、わかってると肩を回して詳しくは中でと、家の中へ誘ってきた。


(いや、全然わかってないからッ!!)




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