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フライングデリバリー  作者: ウラン
第一部
11/40

7: 一・張・裸ァーー!!!

少し修正しました。

 

 ーデンッ!!


「どうだッ! 似合ってるか?」


 ヌルボットが短い両手を腰のあたりに置き、短い足を精一杯横に開いてドヤ顔を見せながら、腹を押し出してポーズをとっている。


 ない胸を張ることができないから、一体化した腹ごと張ったんだろう。


 先程プレゼントされたポンチョとゴーグルを装着したヌルボットが()()に感想を求めた。

 そう…、俺達+狂信者(従業員)()()()()()()に。


 なぜオカメインコが一緒しちゃってるかというと…


 俺達が居る部屋に従業員の一人ダインがノックをして入ってきて、店の庭にいた迷いインコを保護したと報告してきた。

 野性か飼いオカメか知らんが、自然に還すか主がいるならタグを着けているしと思ってアンナと話の内容を聞いたら、アイツら(狂信者)ここでもやらかしやがった!


 どうやら、オカメちゃんは例の歌を聴いてしまったらしく、人を気にせずストリートデビューしてしまったらしい…。


 外にいたお客さんが斬新な宣伝かしらと、店に聞きに行きダインが慌てて対応したとの事。


 ナイスだダイン! またの名を"フォローの聖人"、周りに常識人が少ないため損な役割を任せられた、いや、押し付けられたとも言うな。

 断れない男の宿命…。


 で、その意中のオカメちゃんは今、支配人ルルの居る事務室に預けているらしい。


 元凶のもとなんかに連れて行ったら新たなもふもふ(生け贄)だと、食われて魂が抜かれるからな。


 ほら、ここにも…とヌルボットを見ると、案の定、体を自分で抱き締めて頭を上下に振り、ヘッドバンしている。


 心の傷は深いらしい…


「ダインいつも苦労かけるね。それと、申し訳ないが、狂信者どもを呼んで来てくれるかい、今日の作業場はもう仕舞いだ。片付けは後でいいから早く来るように言っといてくれ。飴と鞭作戦を施行するよ。」

「!? 分かりました。素早く行ってきます!!」


 ダインはそう言って早々と部屋を出ていった。

 飴と鞭作戦って……、大体解るけど、一応聞いてみよう。


「なぁ、飴と鞭作戦って何すんの?」

「ん? ただ、うちの娘も入れて坊やのファッション御披露目(飴)して、帰って眠ると悪夢を反省するまで見る(鞭)だけだよ。上げてから落とす基本さね。腕がなるねぇ~。」


 ほう、思ってたのと違った。

 俺は奴等の目の前でエルスとヌルボットを撫でていいだろーとか、触りたいだろ~でも触らせてあげなーいと、煽ってからコソっと後でエルスに触らせてあげてと頼んでやるよッ、と飴と鞭を使うかと思った。


 まぁ、エルスが良いよなんて言わないと思うが。


「それって、闇魔法の妖精の悪戯(フェアトリック)? そんなに強力だったっけ?」


 俺も昔よく使われたやつだ…躾として…。


 肘をぶつけてボーーン! と叫びながらジーンと痺れる夢、蚊に指を刺されて痒くなる夢、靴の中に小石が必ず入ってる夢など地味な嫌がらせシリーズが盛りだくさんだった。


「違うさ、()()()()()()自分にとっての悪夢を見続ける、暗黒魔法の深淵への悪夢(ナイトメア)だよ。」

「えげつな!? さらに強力だった!」


 いつの間にかアンナが暗黒魔法を覚えていたとびっくりする。


 あれって、精神攻撃が多いんだよね…主に、尋問とかに使われるから騎士とか治安機関(リングス)に多く使い手がいる。

 まさに、飴と鞭、鬼に金棒の女王様(アンナ)にピッタリだ。


 ヤツ等にはいい薬になるかと口の端しを引きつらせ思った。


 そして…ヌルボットは白く燃え尽きたようだ……


 よしッ、おおいに反省してもらおう、アンナ様! 殺っておしまいッ!!




 ◇◆◇◆




  という、経緯があり現在ではヌルボットがお立ち台にふんぞりかえっているのだ。


 ちなみに、エルスは(ハナ)で台に登ったはいいが、審査員達の顔を蔑む目で見回しながらフッと鼻で笑い降りて行った。

 登場わずか5秒である。


 もちろん奴等は心臓が剛毛だから、逆に『エルツン(エルス、ツンデレ)の目線頂きましたー!! ツンデレ最高ォーー!』と喜んでいた。

 デレてはいない…ツンツンである。

 なんでもエルスならご褒美になるらしい、デレてはいないが。


「おーヌル似合ってるぞー」

「あぁ良いじゃないか。」

 ーグッ!

「キュイ!」


 そして審査員側はプラカードを出して審議している。


 ーシュバッ!!

 狂信女「[10点]!」 狂信女「[ 9点]!」

 狂信女「[10点]!」 狂信男「[ 9点]!」

 狂信男「[ 9点]!」 狂信女「[10点]!」

 狂信男「[10点]!」 狂信女「[10点]!」

 ラリ男「[ 5点]!」 オカメ「[ 5点]!」


 狂信女「合計は…87点ッ! まずまずですね~、そんな中ラリ()さんとインコちゃんは中々厳しい判定です。どうしてか解説してもらいましょうか!」


 ラリ男「大事な魅力が隠れて半減してる、裸が一番イイッ!!」

 オカメ「[同じく。]~♪ モフモフニテヲタタコ! モフッモフッ!」


 狂信女「なるほど~流石ラリ男さんですね! 卑猥な発言で自分の性癖をただ漏れしてますッ!! インコちゃんは元々だから分かります。お歌上手ですね~♪」


 あっちは恥ずかしい討論会をしている。

 ラリ男の性癖は興味ない。

 

「ピィピィ! 結局いいのか、悪いのか? どっちなんだ?」

「あっちの話は気にするな、似合ってるよ。」

「そうか、ピィ~♪ これでお揃いだなッ! トラハのナンバーツーことヌルボットだゾって名乗れるな♪」

「ははッ、だな。」


 こうして、ヌルボットの一張羅が完成した。


 そろそろお暇するか、時間も時間だし、今は午後の17時前だ。

 もうひとつの荷物は明日に持ち越しだなとため息を吐く。


 先に宿屋に行ってから、ここの町(スミス)飛行バイク(ジェイバー)のメンテ頼んで、おれはまだ腹一杯だけどヌルボット夕飯いるかな? まぁ、食いすぎるのもな…軽食でいいか。


 ちゃんとセーブさせないと丸々太って顔が埋まり丸い毛玉になりかねない、可愛いけど。


 …よし、予定は決まった!


「アンナ、そろそろお暇するわ。用事がまだ残ってるし。今日はありがとうな、エルスも、ありがとう。ルルとダインに宜しく言っといて!」

「アンナー、エルスー! ありがとねーまたよー!!」


 信者に気づかれないように俺達は早々に挨拶をし、出口へ向かう。


「あぁ、長いこと悪かったね。また来な! 用事がなくてもね。」

「キュイ! キュー。」



 ~♪ 一・張・羅! もふ! いっちょ、裸ッ! もふ! モッフモフゥ~♪


 外野が煩いが、お前達の命運もここまでだッ!!

 永遠に眠らないように気をつけなッ!




 どうなったか、また手紙にでも教えてもらおー♪



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