小休止
あの後、3人は尻を叩かれる様にお爺さんの家に連れて行かれた。なかなかの屋敷具合に3人は矢張りこのお爺さんがこの村の中心人物なのだろうと確信した。
「ささっ、中の方へどうぞ、どうぞ。客室までご案内させていただきますのでね。」
言われるままに3人は靴を脱ぎ屋敷の中に上がった。客室も中々に広く男3人でもまだ少し寂しさを感じるくらいの広さで中央に囲炉裏があり四方が障子で遮られていた。食事の準備が出来るまで寛いで下さい。と言い残しお爺さんは部屋を離れていく、そして男達はその言葉を真摯に受け入れ思い思いに大の字に寝転んでいると何か外の方でヒソヒソ話しが聞こえる。
「・・・とに、旦那様は・・・・・・あの人たちを・・・る気なのかねぇ?」
「しょうがないよ。だって、そう・・・ないとさぁ・・・」
全部は聞き取れなかったがあまり良い話でないのは分かった。何となく現実に引き戻された様に感じたローは起き上がり胡座をかきながら服の内側に入れておいた小型の通信端末を出すとどこかに連絡を入れる。
「コチラはぼや騒ぎ、ぼや騒ぎ。予定の村に入りました。今の所は表立った異変は確認出来ず。しかし気になる点があるので暫くこの地に留まります」
「コチラ本隊、本隊。事情は了承した、何かありしだい連絡されたし。」
「コチラぼや騒ぎ、ぼや騒ぎ。了解しました。されでは連絡を終わります。」
通信が終わり端末を服に仕舞っているとき、障子を小さく開き中を覗いている存在に気づいた。別段、悪意の類いを感じない為にほっておく事にしようと思っているとエンがコッソリと覗き見犯がいる障子に近寄っている。コンはそれを楽しそうに静観し、ローも何も言わなかった。
エンの指が障子に引っかかっても覗き見犯は気付いていないエンは心の笑みを抑えきれない。
「誰だ! 覗き見をしてるのはぁぁぁぁっ!?」
「きゃぁぁぁっ!?」
叫び障子を勢いよく開くと部屋の中につんのめる様に転けた。
そしてコンが少しハシャぎ気味に言う。
「二名様、むさ苦しい男の間に御案内!!」