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天魔の邂逅  作者: シグマ
冒険者創始樹編
8/20

冒険ギルド レガルト山脈産魔獣軍殲滅戦〈4〉

天魔の邂逅


冒険ギルド レガルト山脈産魔獣軍殲滅戦〈4〉


村に戻った翌日、村長へ依頼達成の旨を伝え、村の復興を手伝うことにした。


「あの、これ何処に運んだ方がいいでしょうか?」

「これは北門に運んでくれ」

「わかりました。後、門のところを強化しておきましょうか?」

「頼んだ」


木材をアイテムBOXにいれ、北門に向かって歩く。

北門は村の中心よりも被害があり、今魔獣の襲撃があれば村はあっという間に滅んでしまうだろう。

そう思いながら周りの被害状況を見て回って居る最中、炎龍が話しかけて来た。


『手伝いなんかしてよかったの?』

「別にいい。時間には余裕があるし、1週間はここに滞在して『転移』して戻る予定だから。

それに、蜂蜜とかここでしか取れない野菜が貰えるからな」

『そう?よかった……暫く飛んで居なかったから地味にキツかったんだよね……』

「そうか、なら帰りも──」

『お気遣い有り難うございます』


……まあ、いいか。

昨日、手伝ってもらったし、少しぐらい休みをあげよう。

俺は炎龍に気づかれないように本当に小さい声でそう言った。




この後、天魔の協力で5日で村の復興を終え、それ以外の時間は酒や食べ物が振舞われ、日付が変わっても終わらない祭りが開催されたのだった。




「『転移』」


俺が何処に転移するかを想像し、魔力を込めて言うと、景色が変わった。

周りに田畑が広がる大地は、街を覆う石の壁に変わり、5階建てなどの家々が並ぶ狭い空間となっていた。


「戻って来たのか……結局テントとか使わなかったな」

『そりゃあ、往復2週間はかかる道のりを数日で済ましたんだからね』

「だよな……でも、いつもお前を足として使うのは情けないし、近場だったら自分で歩こうかな」

『それが当たり前。その考えに至ってよかったよ。久しぶりと言っても大体1週間しか離れてないけどギルドに顔を出したら?』

「そうだな」


俺はギルドのある建物の扉を開き、中に入ると、依頼を手続きをしてくれた人が居た。


「生き残れたんですね」

「頑張りましたから。これが依頼達成の証と、ゴブリンの上位種?の首です。ゴブリンジェネラルとゴブリンメイジなどなどがあります」

「へぇーゴブリンジェネラルねぇー………は?ゴブリンジェネラル?」

「ゴブリンジェネラルがどうかしましたか?」

「どうしてゴブリンジェネラルが……嫌、これは冗談ですよね?冗談なら冗談と言ってください。笑って見逃すので」

「冗談だと思うのであればこれから取り出してみるといいですよ。ほら」


受付の人はゴブリンの首を鑑定すると同時に目を見開いて驚く。


「ははは……これは何かの冗談……じゃないよね……。

とりあえずゴブリンジェネラル等、討伐報酬は金貨9枚と銀貨3枚です。

後、後日ギルドにお越しください。

ああ、忙しいことになった………!!」


受付の人は報酬を手渡すと、走ってギルドの奥の部屋へと消えて行った。


「何か厄介なことに巻き込まれたか?」

『さあ?とりあえず宿屋に戻って今日は寝よ?』

「だな」


俺達はゴブリンジェネラルのことを忘れて宿屋のベッドで眠りについた。



その頃、連邦国ギルド本部では……


「それは本当か!?」

「はい。ゴブリンジェネラルの出現が出たと言うことは連邦国東部で何かしらの異変が起きていると判断していいでしょう。村からの報告によると村周辺に巣が5つ存在し、数百匹の群れが村に押し寄せてきたそうです。全部駆逐されたようですが」

「わかった。明々後日、ここで会議を行う。それまでにこの国に居るAランク以上の冒険者を招集しろ!!それと、連邦国東部支部にレガルド山脈周辺を調査しろと伝えておけ!!」

「わかりました。ところでギルドマスター、総合本部の方に増援を願いますか?」

「本当はしたいが、借りを作りたくない、なんとしても、この国に居るものだけでこの異変を解決するぞ!!」


と、ギルドの会議室は慌ただしくなっていた。




翌日、天魔は朝起きてすぐギルドに向かった。

ギルドの周りに人集りが出来て、その中には強そうな人ばかり居た。


「何があったのですか?」

「何でも東部の方でゴブリンジェネラルが発見されたという情報が入ってAランク以上のものがこの場に招集されたのだ。他にも、東部ではワイバーンなど下級龍の群れが多く見られ、レガルド山脈は魔物で覆い尽くされて居るらしい。坊主もそこに用があるなら気をつければいい」

「気遣い有り難うございます。あ、受付の人、何のようですか?」


受付の人(名前は知らん!!)が近くに立って居たので呼び出された理由を聞いて見た。


「今日呼び出した理由は東部の異変についてです。詳しいことは明後日言う予定だったんですが、これほど冒険者が集まったのだからきっと大丈夫でしょう。と言うことで10時から会議を行うのでなるべく外に行かないようにしてください。後、本来ならFランクの冒険者が参加されるのは認めて居ませんが、AAランク冒険者である、エディック様から推薦があったため、参加してもらいます。なお、拒否権はありません」

「あ、ないんだ……」

「当たり前です。ゴブリンジェネラルを倒すほどの実力があれば十分な戦力になります。それに龍の契約者だそうですね?それなら偵察もできるでしょうし」

「とにかく戦力だから連れて行くと言うことですね?わかりました。ところで、報酬とかはどうなるのですか?」

「会議の時にいいますので。それと私の名前は受付の人ではなく、リアと言います」

「これはご丁寧に」


拒否権なしって……。

炎龍召喚しなければよかった。

エディックで遊ばなければよかった。

…………それだったら空から他の冒険者が戦って居るのを観れたのに、余計なことをしたから見られる側になったのか……。


でも、新たな情報を手に入れたからよしとしよう。

あの受付の人の名前はリアと本人が言ってたからきっとそうなのだろう。

それに鑑定もしたしね。

そういえば、この前鑑定したらスリーサイズが表示されたから迷わず表示しないように魔法をいじくったな。いやー、あれは本当にビビった。少し、数字を行っただけじゃないか。

怖い怖い。


『確かに怖かったね。主に空気が』

「ああ、だからあの受付の人の前で二桁の数字はなるべく言わない方がいいかもな」

『次言ったらどうなるかな……』

「間違いなく俺らの首に切れ込みが入ってたかもな……」


ああ、考えるだけで恐ろしい。

ちょっとトイレに行ってこよう。(嘘)

暫くこの場から離れ、あまり人のいないところに向かった。


「やっぱ静かなところは落ち着くな」

「君もそう思うか。私もああいう場所は苦手なんだ」

「あの、誰ですか?」

「まだ自己紹介をしていなかったな。私の名前はクロア。これでもSSSランクの冒険者でチーム『白銀の嵐』のリーダーだ。君の名前は?」

「俺の名前は天魔。

最近登録したばかりのFランカー。ある冒険者のせいでこれからの会議に参加させられる哀れな駆け出し冒険者だ」

「知ってるよ。龍を従える子供ってことで有名になっているよ。

でも、何故か君からは全く魔力が感じられない。もしかしてもう魔力をコントロール出来ているのかな?」

「まあ、それくらいなら出来ますよ。少し前まで冒険者の知り合いにいろいろと知識を教わって居たので」

「何て名前の冒険者かわかるか?」

「知っているが……あ、時間だ。申し訳ありませんが僕はこれで……」


なんでこんなところにSSSランカーがいるんだよ……。

あ、Aランク以上の冒険者は招集されているのだった……。

これはこの後面倒になるな……。

そう思いながら会議室とかかれた部屋に入る。

すると、40人もの冒険者がギルドマスターから説明を受けていた。

少し遅刻したな……。

バレないように後ろに行けばいっか。


と、思っていた天魔だが、気配を消して部屋の後方に向かっている最中、後ろから投げナイフが飛んできた。


「3分の遅刻だ。これからは遅刻しないように」

「すいません」

「君はそこの席に座るんだ」


差された方の席に座る。

そして、横を見ると席が一つ空いて居た。

その席の上には『白銀の嵐』リーダー、クロアと。


きっと今回の依頼で最も関わることになる人物だと、今確信した。








投稿し忘れる前に投稿。2日連続投稿は珍しい。

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