古代神の願い
前話と同じく、誤字脱字等あるかもしれない。第2章プロローグにするか、第1章エピローグにするか迷う
天魔の邂逅
古代神の願い
かなり飛ばして創始樹に向かうと、レガルト山脈から200キロほど始まったところから既に炎に包まれていた。
今はどうでもいい話だが、この前訪れた村はギリギリ支配されていないようだ。
更に進み、首都近辺。ここも炎に包まれ、交戦する創始樹兵と異彩を放つ集団。今、まさに奴隷確保をしている奴隷商人も居た。
俺はそこへ向かい、炎龍から降りる。
「なんだお前──」
奴隷商人は最後まで言い切る前に灰になった。
俺は檻を壊してこの場から逃すため、転移魔法を発動し、無言で立ち去る。炎龍を一回戻して昔、自分が住んでいた屋敷の方に向かう。
しばらくするとあの屋敷が見えてきた。ここには炎が上がってない。
もしかしたら無事なのかもしれない。
そういう希望を抱きながら部屋に突入する。
すると、そこには捕らえられた高位精霊アクレアと、数人の男達がある檻を囲んで何かをしていた。
「……天魔か……?逃げろ!!あいつらに殺さ──ぐっ……」
「煩い精霊だなぁ。おい兄ちゃん、こいつらの仲間か?残念だったな……あの婆さんは死んだよ。あとあの娘とは楽しませてらっている。お前も加わるか?」
何が壊れた音がした。
「聞いて──」
男は一瞬にして肉塊にされ、エリアを囲んでいる男も同じように肉塊にされた絶命した。
「………」
先ほどの男が言ったようにエリア達は酷い状態だ。
黙っていると、アクレアが微かに口を開いて「殺してくれ」と言った。
「………」
俺は何も言わずに炎龍の炎でこの屋敷を焼いていく。
そして、アクレアも同様にすると、灰になる前、あまり聞こえなかった。いや、聴きたくなったが「ありがとう」と言って亡くなった。
この「ありがとう」は殺してくれてありがとうなのかはわからない。
ただ、殺意が湧いてくる。
黙っていると、外が騒がしくなってきたので屋敷の外に出ると、屋敷の周りを先ほどの異彩を放つ集団に囲まれていた。
「………」
「人類の敵よ、言い残すことは?」
「………」
「ないか………そりゃそうだよなぁ、何もできずに終わったのだから。この俺が一番最初に倒すものとして特別に教えてやろう。ここ、首都の獣人は全て死んだ。見てみろよ、あの大木。どんどん燃えていくぜ?」
「………」
「黙ったままか。つまらん。殺せ」
その男の横にいた黒髪がこちらに剣を向けて走ってくる。
「………」
ここで過ごした数年、いろいろなことがあった。
拾ってもらったことや、見ちゃったこと、契約したことや学んだこと。
いろいろなことを経験したと思う。
その思い出を壊すものは何か?
病原菌だ。悪いものは倒さなければならない。
例え、同じような境遇であっても。
あちら側は既に帝国の駒。ある程度刺激を与えないと普通の感情を取り戻さないだろう。
洗脳されようが脅されて今のようになっていようが所詮敵でしかない。
そう思っていると、勇者が次々と襲いかかってくる。
俺はそれを淡々と殺していく。
何も思えない。何も感じない。唯一思うことは帝国が憎い。
それ以外のことを必死で何かを考えようとすると、白い空間が見えた。
幻覚だろうか、そう思うと白い空間の向こうに1人の女性が立っていた。
話しかけるべきか、そう迷っていると、向こうの方から接触してきた。
「久しぶり。天魔」
久しぶり……?あいにくだが、俺はこの人と一度もあったことがない。
ついに頭がおかしくなったか?とでも考えていると、女性は口を開いて「可笑しくもなっていないわ」と言った。
「誰だ?」
「ああ、そっか……確か天魔を作った時、すぐに消えちゃったものね。初めまして、天魔。私は古代神、天側元最高神。別名、───と呼ばれているわ。これで気付いたかしら?私は───」
私は、貴方の母親であり創造主よ。
目の前の女性はそういった。
いろいろな文献を漁った結果、古代神の一部は一族を裏切って両極を持つものを産み出したとかかれていたような……と、思い出す。
また、自分を詳しく鑑定していると、自分の魂には2神の古代神の情報が書かれていたことも思い出す。
「その通り。今は天魔の中で眠むらせてもらっているけどね。本当だったら10年前くらいには復活して面倒見てあげたかったけど、父親の方が煩くてね」
「魔側の最高神はどこだ?」
「その名前で言ったら可哀想よ。天魔のお父さんは今、貴方の代わりにグレムフィア兵と戦っているわ」
「俺の父さんは強いのか?」
「強いわ。それも、世界の源を制御できるくらいの」
世界の源?どこかで聞いたことがあるような……。
「世界の源。別名は色々とあるけど私はそう呼ばせてもらっているわ。その世界の源は世界の意思であり、全ての力の源。けど、今はその世界の源はこの世に存在していないのよね。いや、消滅したわけじゃないのよ?単にあの衝撃であなたの体と融合したなんてこと………。安心して、別に乗っ取られることはないから。あなたの意識を乗っ取れるのは私と父さんしかいないから」
いやいや、怖いよ。乗っ取られたらまたここに来ることになるんだろ?
「そういうことになるね。でも、そう何度も乗っ取らないから」
と俺の母はそういった。
でも、本当に怖いなぁ。
「ま、こんなことはどうでもいい。本題に移るけど、いい?」
俺は無言で頷く。
すると、笑みを浮かべて
「一度だけしか言わないからよく聞いてね?はっきり言って悪いとしか言えないけど、今、この世界は貴方が誕生したことによって地味に狂いかけている。
それに恐れた現代の神があなたに襲いかかることになる。
ま、弱いから安心してね?
その現代神はどうやって接触してくるかわからない。不意を突かれないように、ここを訪ねるといい。いや、向こうから来ているかな?ま、それだけ伝えたかったからじゃあねー」
「!?」
俺の足元に黒い穴ができてここから強制退出をさせられた。
無理矢理だ。あんなものにはなりたくない。
そう考えると、周りが明るくなっていき、カラフルな世界に戻っていった。
あたりを見渡すと、既に鎮火した炎と、無数に転がる人の死骸があった。
きっと俺の代わりに神様が倒したのだろう。
これからどうするかを考えていると、左腕に痛みを感じた。
袖をまくっていると、新たに自然が描かれた刻印が刻まれていた。
また、ポケットの中にはカードのようなものが入っている。
それを取り出してボタンのようなものを押すと、大きい地図が現れた。
現在地はグレムフィア帝国植民地創始樹連邦と出ている。
どうやらこの国は負けたようだ。
ここから少し離れたところに人集りができている。
早くここから離れなくては。
そう考え、体の向きを変えると、何かにぶつかった。そこには角を生やした男性が立っていた。
「すいません」
「問題ない。ところで君、魔大陸にこないか?」
「魔大陸に?」
「おっと自己紹介が遅れた。私の名前はラグナ。初代魔王且つ、現役魔王だ。そのはずがないと思ったか?だが、そうなのだから仕方ない。警戒しなくていい。ほら、私は君と同じ古代神の眷属なのだから」
彼はそう言って手を出した。
その手には俺と同じ……いや、色は違うが、それ以外は同じのものだった。
「さあ、行こう。魔大陸へ」
魔王は俺の肩を掴んで転移魔法を発動させた。
次話 12/3前後(期末テストの影響で遅れる恐れあり)
第2章魔王城〈1〉か、第1章最恐の神対現代神の使徒(勇者)を投稿します。




