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天魔の邂逅  作者: シグマ
第1章 【創始樹の邂逅】
1/20

天魔神の象徴-1

【天魔の邂逅】第1話


2015.2/19 (木)

16:21


内容を一部変更。


拾った地点を創始樹から精霊の祠へ変更。

それに伴い、第2話も改稿を行います。

天魔の邂逅


第1章 創始樹で邂逅

第1話 天魔神の象徴〈改稿version〉


ある世界に半端者が生まれ落ちた。

その半端者は互いに嫌い合い、長い間、もしくはこれからもまた戦争することになる神と邪神の間で生まれた子だった。

母となる神は神々の中で最強と呼ばれていた神で全種族に加護を与えていた。

父となる神は神々の中で最恐、冷酷などと言われ、敵味方関係なく殺しに殺して来た最も憎まれた神出会った。

最初は敵対していた彼らは、ある時、神側の最強は他の神の反感を受け、消滅させられそうになっていた。その時やって来たのが邪神側の最恐の神。

この後、彼らは協力し合い、困難を乗り越え、ある時自分たちの子供を成した。

その子供は両者の象徴となるものを持ち、地上に降り立った。


──両極の劔を持って。


また、彼は戦う。

現代の世界と。





ここは、世界エンデアの獣人の国、創始樹フォンドツリーの守護者の根元に作られた町。

この町には精霊の祠という精霊と契約するための神社のような場所があった。

その精霊の祠に1人の少女がやって来ていた。


「えーっとこれをここに置いて、この魔石をあの池の中に落とせばいいのかな……」


少女はそう独り言を言いながら魔石をポケットから取り出して池の中に投げた。

少女がやっているこの行為。

これは精霊と契約するために必要な儀式のようなものだ。

これを精霊と契約ができるまで1ヶ月に一回行うという。

本来ならこれで終わりなのだが、魔石が着水した瞬間、大きな魔法陣が精霊の祠に広がった。


「何……?」


少女は突然起きた出来事に怖がって座り込んだ。

恐ろしいものの、少しは興味があった。

少しずつ目を開く。

すると、精霊の祠に広がる魔法陣の中心から何か箱が現れた。


「なんだろう?」


少女は水に濡れることも気にせず魔法陣の中心へ向かい、謎の箱に触れた。その瞬間、魔法陣は消え失せた。


「何があったの……?」


あたりを見回すが何もない。ただ、鳥の囀りや虫の鳴き声が聞こえるだけだった。


「この箱、何が入っているんだろう」


少女は池に浮かぶ箱に視線を向けた。

箱の中身に警戒しながら蓋をあけると、中には人族と思われる種族の赤子がいた。


「えぇ!?どうしよう………生きてるかな……」


不安になり、箱を池からとってとりあえず陸地に置いて呼吸しているか確認した。


「よかった……。でも、どうしよう」


(周りに大人がいないし捨て子だろうし……)


少女は考えた末、家に連れて行くことにした。

箱を両手で抱えて家に帰ろうとする。


「きゃっ」


少女は石に躓つまずいて顔から盛大に転けた。

顔や膝に出来た傷から血が少し滲にじみ出ている。


「──痛っ...っ!?」


(あれ?何処に...あ、あった...よかった...)


赤子は一切怪我をしていなかった。

それに安心した少女は赤子を抱えて走り出した。


「あと少し…」


少女の家が視界に入った時、突然右半身に激痛が走った。

赤子を怪我させまいと必死に手を伸ばすが届かず、彼女は意識を失ってしまった。


「全く世話の焼ける子だ」


1人の年老いた女性は先程木から落ちた少女を見てため息をつきつつ、髪を撫でた。


「ぅ...ん?...!」


「目覚めたか。全く、あそこは馬車がよく通るから注意しておきなさいと言ったでしょう」

「そんなことより...」


少女はあの赤子が心配で堪らなかった。もしかしたらあの出来事で死んでしまっているかもしれない。


「そうだった。あの赤子、何処で拾ったんだい?」

「精霊の祠の池に捨てられていた?」

「捨てられていた?ここから国境まで400km離れている。わざわざここまで来て赤子を捨てる奴がいると思うか。何処でさらって来たか言いなさい!!」

「攫ってない!本当に池に浮かんでいたんだよ!!」

「そうかい?まあ、ひとまず信じよう。捨てられたのであれば納得できる点が一つある。

この紋章、見覚えはないかい?」

「この紋章...」


赤子の両手の甲にある紋章が描かれていた。

左手の甲に冷酷の神の象徴と言える蒼炎を纏った劔つるぎの紋章が。


「かつて根源の利権を求めて天の神と争った邪神、冷酷神の紋章...」

「別名、最恐の神、2強神とも呼ばれている。

神の象徴と言える紋章を持つものはあるものを継ぐらしい。

その赤子の場合は敵味方関係なく殺戮した神の加護を持っている。それに加えて神々のし...これはお前には理解出来ないから話さないでおこう」

「えぇー...教えてよ」

「ダメだ」

「ブーブー」

「あんたは子供か!!」

「子供だけど?ねえ、この子をうちで預かっていい?」

「ぐ...いいだろう」


老女は少女の期待の眼差しを受け、少し嫌そうな顔をするが、許可を出した。


「やった!これで私にも弟が!!」


少女はその喜びを行動で表すため、普段はイヤイヤでお使いをするが、今日は元気よくお使いに出かけるのだった。




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