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モフモフの世界シリーズ

モフモフの世界は甘くなかった!

作者: 朝香 美々

はじめましても、お久しぶりですも、纏めて。

こんばんは。朝香 美々です!


短編です。けれども、今後続きを書くかもしれないです。

しかし、なかなか思う通りに話が書けないのが苛立ちに換わってしまう。


本編で出てくる動物は、全て私好みの子達ばかり。肉食系が好きすぎてヤバい!!m(。≧Д≦。)m


ちなみに、昔シベリアンハスキーを飼っていました☆


そんな感じで、楽しんで読んでください!

では、どぞ。。。

 私、異世界トリップをしちゃいました。


 別に望んでしたわけじゃないんですけどね?

 なんか、気がついたらココにいました。




   *


 地球での最期は、久しぶりの実家へ帰郷したその日だったと記憶してます。


 私は、実家に帰ると早々に居間で寛いでいた。

 ここに来るまでの三時間程の電車の旅は、私の体力を削ぎとっていたらしい。母親の顔を見た途端に疲れがどっとおしよせ、二階にある自分の部屋まで行く気力は無くなっていた。


 パタリとソファーに倒れこむ。



「かあさん、飲み物~」

──と怠そうにわたし。


「はーい……ってそうだ、ごめん。今ちょうど切らしてるんだったわっ!」

──あ、今気がついた的に母。


「ぇ。まぢで言ってるの?」

──嫌な予感たっぷりの、半ば諦めモードわたし。


「うん、マジよ!ちょっとソコまで買いに行ってくれないかしら?」

──テヘッ☆とかしちゃいそうな、お母様。




 何だろうか。

 デジャヴだ!

 無性に腹立つ!!



 遠路遥々、久しぶりに娘が帰って来たというのに、家の母親は流石と言うべきか。変わってないなぁ、と安心するところなのか。

――否、そこは認めちゃいかん!!と、心の中の私。


 しかし…色々と言いたい事はあったが、やっぱり親には逆らえないわけで。


 私は、重すぎる腰をヨッコイショ、と勢いをつけて上げると財布と一応、身分証明書をショルダーバッグに詰め込み未だに納得しきれず重い足を引きずりながら居間を出発した。


 そうして、近くのコンビニまで出向いた私は、お菓子とかも買ってこう!

――と意気込んでいた道中に、だった。


 私の視界が突然前後を見失う。

 よく見たトリップ小説に出てくるお決まり文句を、私は本当に意図せずに呟いていた。



「どうして、こうなった…?」







 そんなわけで、その後は冒頭に繋がるわけである。


 どんな訳かは、私だって知ったこっちゃない!!

 そこから、いきなり私はココにポツンと一人で立ってました。

──ってな感じですかね。


 スンゴイ適当ですけどね!

 ハイ!以上。





  **


 こうして私は、いつの間にか私の常識が通用しないこの異世界〝ヒスクラフィム〟に立っていました(無理矢理)。

 だって、それ以外にどうやってシュウシュウ付けたらいいのやら!誰か、本当に助けろよ!!

 白馬の王子でも、俺様な王子でも何でもいいからさあ!




 この時、自暴自棄になってしまった私の脳内は安易すぎた、もはや馬鹿としか言い様がないほどの考えなしだったと本当に今更ながらに後悔しているよ。

 だから、どうかお願いだから誰か、嘘だといって欲しい。


――私がココに来てしまったという事から、丸っと今までの事、全て……。





―――――――――・・・



「――…ああ、それからと言うもの。私は何故にこんな事をしていなくてはいけないのか…っ理不尽である!!しかし…世の中とは理不尽なのであるが故に人々は…「っうるさいぞ!!」……。」


(…被った。――もう、なんなの?)



 ちょっと膨れながらも、声がした方向に顔を上げる。

 ソコには、想像通りの態度でソレは居た。



 私の遥か頭上、木の枝に横たわっていたのは立派な体躯を持った一匹の黒豹。

 二メートルは超えているだろうその体躯は重いだろうに。しかし器用に少し太いくらいの枝に納まっている。ちらりと見える足はゴツくて爪も鋭く、こんなので猫パンチされてしまえば人間の私などひとたまりもないだろう。

 怒りのために鼻先にシワを寄せて鋭い牙を惜しげなく見せつける様は、正に木上の王者にふさわしい風格だ。


(しかし、私はそんな姿を見ても怖かないぞ!っと)


「何をグチグチとほざいてる。この周辺で奇怪な行動をとるなとあれほど…」

「わかってるよ、もう。」


 ブツブツと人間の言葉を話すこの黒豹は、この辺一体をしきっているボス的存在らしい。

 性別は、雄。名前をルティルヴァデス。通称はルー君(非公認)。年齢を聞いてみたが、不明。しかし、この世界の中では若輩者だと彼は言っていた。

 とても俺様な性格で、私とは馬が合わない。しかしこんな奴でも、只今絶賛私の保護監督者(?)である。あまり認めたくないのが、正直なところだ。


 経緯は、私がこの世界に飛ばされて(?)しまったところまで遡る。

 ちなみに待ったなしでとりあえず聞いてくれ。色々と私も、最初はありえなくてテンパってましたからわからなくもないが、なにも言わずに聞いていただきたい。




○○○○○○○○○○○



 この世界で初めて出会った生物は、日本語を喋れる狼だった。


 何が何だか分からずに、呆然と立ち尽くしていた私。まさに、開いた口が塞がらない状態。

 そんな私の目の前に現れた、真っ白な毛並みの狼。とても幻想的な空気を纏い、そこに佇んでいた。気付くまでじっとこちらを見ていたのか、こちらが気付いてからは微動だにしなかった。

 大きさは大体犬のゴールデン・レトリバーくらい。その狼が唐突に話し掛けてきた時は、地球が滅ぶと言われたあの『ノストラダムスの大予言』くらい驚いた。──ああ、ちなみにコレに私は滅茶苦茶驚いてしまった類いの人種です。


 それで、落ち着いて話が出来たのは結構な時間を有した頃。声からして雌だということはわかった。穏やかそうな雰囲気の彼女に恐る恐る話し掛ければ、以外と話の通じることに、安堵のため息を一つ。そして事情を話していたら、私自身がとんでもない事になってしまったのだということを悟ったのだ。


──異世界トリップって、無いわ…。


 さすがにその時は、困惑やら恐怖やらが混じってしまって結果、号泣。

 いきなり泣き出してしまった私に、狼の彼女は狼狽えもせずに私の隣にそっとお座りをすると次から次へと流れる涙をぺろりと優しくなめてくれた。


 彼女なりに慰めてくれたのだとちゃんと理解できたのは、体中のぐちゃぐちゃな思考を涙で流し終えてからようやく理性が働いてからだった。




 彼女の名前は、メーライト。なので、メーちゃん(公認)と呼ぶことにした。歳はさすがに女性(?)には失礼だと思ったので聞かなかった。声からして人間に例えるなら高校生くらいだろうか。彼女には高いトーンであっても独特の癒しのオーラ、つまるところ母性が見え隠れしていた。

 まあ、後で彼女は子持ちだという驚愕の事実を知ることになるのだが、それはまた別の話である。


 世の中知らないことが沢山在るのだと、この時思い知った。



 それから、有り得ないモノやら奇怪な生物やらのオンパレードに私の狭き思考回路はまた停止してしまった私に、彼女は優しく宥めながらも群れの仲間に紹介すると言って森の中を先導してくれた。


──彼女が天女に見えてしょうがなかった。


 そして半日程獣道を何とか進んだところで、漸く彼女の群れと対面したのである。


 正直なところ、期待も何も抱いていなかったと言えば嘘になるのだが、やはりそこは動物たちのオンパレード。人に通じるモノは何もなかった。少しの落胆と寂しさを、不意に顔を舐めた彼女の優しさが紛らわせてくれた。

 あとは、さすがに肉食草食関わらずの光景に私の常識からは外れていたのが印象的だった。



 それからと言うもの、彼女のおかげで今後の私の身の振り方はあれよあれよと決まっていった。


──本当に、トントン拍子だったなぁ…。


 まずは住まい。彼らはやはり人間で言うところの野宿をしているようだった。二~三日くらいなら兎も角としていつ帰れるかどうかもわからない今、もしかしたら長い期間になるかも知れないとわかっていて、好意に敵意ではないけれども恩をアダで返すような事を言うのは本当に申し訳なかったが、彼女に話して何とか野宿は逃れた。ただ、罪悪感は半端なく私を襲ったのはまだ治らぬ傷である。

 それから、森の一角にある古い城のような建物が何故かあって、そこの管理者にお世話になるという事で話がまとまった。私たちは早速その地に赴くことになったのであるが、私はそこの管理者が人間であるのだと思い込んでいて、初対面の際その姿を見て悲鳴をあげてしまった。


 それが目の前に居る彼、ルー君…もとい、ルディアナスであった─…。




●●●●●●●●●●●



「お前は何だってそう言うことが聞けぬのだ。ん?阿呆か、阿呆なのか。んん?」


「う、言い返せないのが腹立たしいデス。」



 ルー君は、フンと鼻を鳴らしてまた木上で器用にも寝だしてしまった。



「ええ!?寝ちゃうの?!」


「お前も寝るか?」



 至極、面倒臭そうに、どうでも良さそうに、片目をこちらに据えてため息混じりにそう宣う動物。

 それには私がカッチーン、又はプッツンときた。


 私は怒りのあまり良く考えもせずに木を登り始めた。

 木登りが得意ではない訳ではなかった。子供の頃には登った事はある。それに彼が居る木は、ちょうど良いことに登れる様に枝もさほど少なくない大木。あの高さまで登るためには、人間である私には到底無理な話なのだが、今の私では危険の文字が頭から抜け落ちてしまっていた。

 それを、そんな行動をとることがわかっていてあえて言うその根性が、私には腹立たしいかぎりだった。


「ほんっと、いい性格してるよね!…この、腹黒ッ陰険ッ唯我独尊ッ俺様野郎ーー!!」


 吐き捨てる私をチラリと見てため息をつき、俺様野郎はこれまたふてぶてしーく狸寝入りを決め込んでしまった。


 そんな黒豹(やつ)に再び向けて放たれた私の叫びは、森中にコダマしたのだった。



 そして、その数分後に駆けつけた奴により、怒濤のお説教へとシフトされることとなるのは、また別お話でされるのだろう…。







end


腹黒い男は、基本架空の人物だからこその萌え。

それを知ったのは、中学の頃でしたね♪


似非王子滅びろ!!です。


あれは、私の一生の汚点にランクインされることでしょう。

皆様も、二次元に三次元は重ねちゃダメっす。




では、また次の機会がございましたら。


それまで、ご健勝であられますよう─…。





美々。。。




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― 新着の感想 ―
[一言] この作品も2作品目も面白かったです! 今までの経緯や会話などもっと詳しい内容をみてみたいです!
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