邪院寺真
「邪院寺真は私の中でもかなり微妙なキャラクターなんだよねー」
邪院寺真の説明を頼んだ僕に、尾張夕映はいきなりそう言う。
「邪院寺真。真理世界フェルトと言う世界に作って置いた神官のキャラクター。
勇者や魔法使いなどの正の存在、果ては魔族や魔王などの負の存在などのありとあらゆる存在に知識を貸す、全ての知識に精通する知識の全能者。知識はあるけれども使えると言う訳では無く、ただただ知識を持つ者。
何がやりたい訳でも、何がしたい訳でも無く、ただ森の奥にある屋敷の所で彼らに気ままに知識を与える存在。それが彼、邪院寺真」
「なんとも分かりづらい奴だな」
つまり知識を与える者……と言う事か。
えっ? じゃあ行動は知識を与える事しかしてないし。
「じゃあ、そいつは何をしに来たんだ?」
「さぁ? 残念ながら私には分からないね。私はそこまで有能では無いから」
製作者である尾張夕映にも分からない彼、邪院寺真の目的。
果たして彼は何がしたいんだ?
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「さぁ、始めよう。邪院寺真の……真の目的を」
誰もしない学校で、1人。邪院寺真はそう言っていた。




