決意
「ここは……」
僕、尾張宣長が気付くと、見慣れた天井だった。それは僕の部屋の天井だった。
「僕の部屋か……」
頭の中には、先程の少女が頭の中に浮かんでいる。
ダークエルフ、アリア・ネバーランドダーク。
尾張夕映によって、ヴァンド・バルト卿によって一緒に呼び出された者。
夢の世界に現れた彼女は、最後に僕にこう告げていた。
「『この世界は、正しい世界なのかい?』――――――――か」
あの質問の答えは、正直に言えば『Yes』である。
この世界は正しい世界、現実世界。そして彼らの居た世界は偽物の世界、妹の書いた小説の世界である。どっちが正しいかと言えば勿論、こちらの世界が正しいに決まっている。
けれども、どうしてそんな質問をして来たんだ?
「これはあの妹に聞いておかないといけないな」
また、龍王院竜禍のように僕が後々に黒歴史とするような事をされるのも嫌だからな。
「と言うか、龍王院の腕が消えた件について、あのヴァンド・バトル卿が撃った銃について色々と知ってそうだから、な」
何せ、龍王院に連れられてヴァンド・バトル卿を探しに行く前に彼女はこう忠告した。
『良い、お兄ちゃん? ヴァンド・バトル卿は『この世界でない者』を殺すためにバトル卿は黒い銃、『夢殺し』を持っている。人格の宿りし銃、そしてちょっと特別な銃。
そしてお兄ちゃん達に向かってその黒い銃で撃とうとしたら、多分リュウカちゃんはお兄ちゃんを守ろうとするかも知れないけれども、絶対にリュウカちゃんに受けさせてはいけないからね? 分かった?』
そして事実、あの銃、『夢殺し』に撃たれて龍王院は重傷を負った。
「その説明、ちゃんとさせてもらおうか」
と、僕はそう小さく言ったのであった。
まぁ、だいたい分かったが一応本人の口から説明はしてもらおうじゃないか。
後、それの対応策も。




