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妹の中二キャラが僕の青春を邪魔する  作者: アッキ@瓶の蓋。
闇の銃妖精 アリア・ネバーランドダーク

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夢の中で会いし精霊

 龍王院竜禍(りゅうおういんりゅうか)は意外に食欲旺盛(しょくよくおうせい)な奴だった。何せ、持って来たお粥を物の数分で食べ終わってお代わりを要求していたのだから。ちなみに何故か「あーん」を強要してきた時は少し驚いたが。まぁ、何はともあれ元気そうなのは良い事だ。

 何故か彼女はお粥を食べ終わった後、



「宣長様……。背中がかゆいので、汗を拭いてくれませんか?」



 などと恐ろしい事を言って来たので、「調子に乗るな」と言って置いて代わりに夕映(ゆえ)を行かせておいた。一応、人類分類学上の性別は『女性』、つまり『Female』。少なくとも同性の方がまだ気分も楽 と言えるだろうし。明日、また見に来ると言って僕は自室へと戻った。

 そう言えばまだお風呂に入っていなかった事を思い出し、風呂に入って置いた。風呂に入らない事も考えたが、あの純真そうな江戸川甘露(えどがわかんろ)から、「あれ……? ノブ君、少し臭いよー」といつもと同じ顔で言われるのは勘弁願いたい。僕はそう言われて平気でいられるほど精神力が高い訳では無いのだ。妹と違って僕は完璧なる一般人なのだから。



 お風呂と言っても鴉の行水(妹曰く、『クロウズ・バスタイム』)を終えた僕はパジャマに着替えて自室へと戻る。机の上に置いて置いた携帯がピカピカ光っているのを見て何事かと思って確認すると、1件のメールが入っていた。

 誰あろう、僕の幼馴染の江戸川甘露からのメールだった。



『ノブ君へ。こんな遅くにごめんなさい。リュウちゃん、大丈夫だった? 詳しい事は知らないけれども、リュウちゃん早く学校に来れるようになると良いね♪』



 と書かれていた。僕は『大丈夫。きっとすぐに来れるようになる。後、心配してくれてありがとう』と打って送って置いた。



 そして僕は眠りについた。明日にはきっと龍王院の病状が良くなると信じて。










 その日の夜、僕は奇妙な夢を見た。

 夢と言うのはすぐに忘れてしまう物だが、その夢は僕の頭にしっかりと刻み付けられている。



 そこは白い、真っ白の白そのものの空間であった。そこに1人、人間が居た。そいつは黒その物の人間である。

 エルフを思わせる細長い耳に全身真っ黒の身体。小柄な身体に黒いガンマンを思わせるジャケットを着ており、その背中には彼女の身体と同じくらいの大きさの二丁拳銃を背中に背負っている。そしてその目は黒、白目もまるで無いまさしく黒しかない黒目であったであった。



「お前は誰だ?」



「……ボクはアリア・ネバーランドダーク。君こそ誰なのかい?」



「僕は……尾張宣長」



 尾張宣長とアリア・ネバーランドラーク。

 僕と彼女の初めての邂逅は、まさしく夢のような出来事だった。

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