僕の妹は中二病です
僕の妹、今年で中学3年生となる尾張夕映は中二病である。しかも重度の。
中二病とは、思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックスから発する一部の言動傾向を小児病とからめ揶揄した俗語である。
そして中二病には主に3つのタイプが存在する。
1つ目は、DQN系。反社会的な行動や不良を演じるタイプの中二病である。
そして2つ目は、サブカル系。流行に流されずマイナー路線を好み、他人とは違う特別な存在であろうとするタイプの中二病である。
最後に3つ目は、邪気眼系。不思議な・超自然的な力に憧れ、自分には物の怪に憑かれたことによる、発現すると抑えられない隠された力があると思い込み、そういった設定のキャラ作りをしている中二病である。
僕の妹、尾張夕映は最後の3つ目、邪気眼系に分類される。ノートに自作の痛々しいキャラクターを書きまくり、見ているだけで恥ずかしくなるようなコスプレに身を包み、聞いていると耳が腐ってしまうような言葉を僕に聞かせまくる、それが僕の妹の尾張夕映である。
僕、今年で高校1年生となる尾張宣長は夕映に大変迷惑をかけられてしまった。
自分で書いた痛々しいキャラクターの設定情報を僕へと語り。
アニメの世界でも一次元超えたようなコスチュームを堂々と着こなし。
『漆黒の闇』やら『アカシックレコード』やら『聖悪剣ロストワールド』やら変な恥ずかしい言葉を言いまくっている。
……まぁ、背格好はモデル級の身のこなしだし、成績も優秀だから別に問題ないと思うんだけれども。
そんな彼女だけど中学3年生になるのにしたがって、自身の中二病設定が書かれたノート『世界改革のための同士設定』(何故、セオードなのかは不明。多分、気まぐれで思いついただけだろう)のページ数が無くなったため、そして親からの勧め(勧めと言う名の忠告)もあって彼女は中学3年生の少し前にそのノートを処分した。
まぁ、そのノートのせいで僕の高校生活と言う名の青春が破壊されるとは思っても見なかった。
これはそんな僕、尾張宣長が青春を送るために頑張る物語である。