ハイファンで良くあるクラス転移直後に現れる魔王の奴の話
「ご報告です。マリーン様、人族国の魔道周波数表を手に入れました」
「うむ。これから会議じゃ」
我は魔王マリーン。儀式をしなければならない。
儀式とは人族をビビらせて魔族に認められなければならない。
威厳を見せることだ。
「その周波数は確かか?」
「はい、間違い無しです。同志が2年かけてゴミ箱から漁りました」
「空中魔道仕官の交代時間も掌握しました」
「認識阻害魔法出来るネ」
「飛龍隊の訓練は?」
「順調です。空中給餌の訓練も完璧です」
「獄卒班より。牢屋の準備完了です。貴族牢に準じています」
会議をしていると急報が飛び込んだ。
「はあ、はあ、陛下!王宮のモグラから『ドラゴン山を登れ14』とあります!」
「・・・後14日ほどで集団召喚が実施される。ということは、予備日を含めて後7日後に出発しなければなりません」
そうか、行かねばならない。お父様、お母様に挨拶に行く。
「マリーンよ」
「マリーン」
「お父様、お母様!」
「行くが良い。衣装を揃えた」
「私の伝来の宝石をあげるわ。つけなさい」
「はい、必ずや!」
「「「魔王マリーン様!バンサイ!バンザイ!バンザイ!」」」
とバンザイ三唱され臣民の期待を背負い飛龍に乗り旅だった。
空中で3日の行程、途中、先に出立していた飛龍隊から空中で補給を受ける。
飛龍の負担を和らげるためだ。
そして、飛龍は空中で餌をもらう。
「「「グギャ!グギャ!」」」
これで飛龍は3日間寝ないで飛ぶことが出来る。
そして、人族の都の近くのドラゴン山、山頂に降り立つ。
断崖絶壁だ。
ここには友好ドラゴンが住んでいる。
「グギャ!グギャ!」
「うむ。よろしく頼むぞ」
光輝く金貨をあげて縄張り内で宿営をする。
「魔王様、ここからは魔道師軍団の役目ネ!」
「うむ。頼むぞ。ネフリ」
王宮のモグラと魔道通信で連絡をする。
「ピピピ~、王宮、ドラゴン山、応答するネ!モグラ1,符号3」
「ガガガー、符号1ドラゴン山、王宮、予定通りピクニック・・」
私は発声訓練をする。
【ア~ハハハ、何と貧弱な勇者どもか?これが異界から呼び寄せた勇者か?】
残り1日はゆっくり休んで。私は戦いのドレスコードに着替える。
肌が露出する戦衣、戦いと言うよりも私の美貌を強調するものだ。
いつもこんなの着ていたら疲れる。
「よし、行くぞ」
私は側近を連れ。飛び立った。
そして王宮の真上の空中で待機する。
「魔王様!1.2.3『今』で突入するネ!爆裂魔法で天井をぶっ飛ばすネ」
「分かった」
「「「1.2.3・・・今!」」」
ドカーンとほどよく天井が崩れる。爆裂魔法に指向性をつけ。中の人が怪我しない爆裂魔法だ。
何故、ここで圧死させないかはよく分からない。
☆☆☆フランドラ王国王宮
「皆の者、異世界から良く来てくれた!我はフランドラ王だ。邪悪な魔王を倒してもらいたい・・・な、何だ!天井が・・」
ドカーン!
「な、何?」
「いきなり。何?」
「これは、もしや、魔王が出てくるなり!」
【ア~ハハ、これが勇者か?か弱いのう。妾を倒しに勇者を召喚したか?】
普段、妾なんて言わない。
ここで精一杯、威圧を発し。魔力を発散する。
【どうだ。見たか?妾の力を!今のうちに尻尾を巻いて降参するが良い!】
すると、予想外の事が起きた。チビの黒髪族の男、眼鏡だ。眼鏡が眼鏡を直しながら我の前に跪いた。
「魔王陛下様、到底、かないません。私は藤木達也です。どうか魔王様の部下にしてください」
「いらぬ」
腕を横に払い。シュン!と風魔法で首を斬った。
「「「ヒィ」」」
「藤木!」
「えっ、降参しろと言ったのに」
次に、ヒョロヒョロの黒髪族が前にやってきた。
「ヤレヤレだぜ。俺のスキルは『何でも鑑定』・・・確かに不遇職かもしれない。しかし、そう『何でも』だ。つまり・・・ギャアアアーーーーー」
「ファイヤー!」
部下が飛龍にブレスさせやがった。
「おい、ズール、口上ぐらい聞いてやれ」
「はい、魔王様にタメ口をききやがりましたから、それに何か腹が立ちます」
「ふむ。それは良い。以後気をつけるが良い」
「了解です」
黒髪族は黙ったか?
我は王宮を見渡す。
いるか?姫は?
「おい、人族の王よ。姫はいないか?残酷で野心家、計算高く美しい姫は?」
「魔王よ。愛しい我が姫はやらん。皆、守れ!」
あれ、王宮にドレスを着たオークがいる。片手に袋を持っていて栗をむさぼり食っている。
「ヒィ、ゃんだー、オラ、魔王に誘拐されるのだか?魔族にあれやこれされてしまうだかーーーー!」
「「「・・・・・」」」
これは参った。どうしたら良い。
「魔王様、これ誘拐してもダメな系です」
「嫌ですよ」
どうしたら良い。
「どうもこうもないネ、誘拐するネ」
ネフリの提言にしたがった。
「勇者様たち!姫を守って頂ければ結婚を許可する!」
王の懇願に黒髪族たちは沈黙を保った。
シーンである。
しかし、やらねばならない。それが魔王の勤めだ。
誘拐しようと騎士を蹴散らすと。
粗末なドレスを着た少女が立ち塞がった。
「魔王殿、話会いをしましょう」
とか言う。ネフリに聞いてみた。
「おい、あれは誰だ?」
「モグラの情報だと側妃の子で不遇を受けているネ。勇者召喚に反対した良識派の姫ネ。貧乏姫と言われているネ」
相手はガキだ。一喝するか。
「ほお、人の理の外にいる魔族に話会いが可能だと思う浅はかさよ。そこをどけ、でないとお前を殺すぞえ」
「いいえ。天井を爆破したときに私達を殺す事が出来ました。ここまで来られたことは、我が王国の防空網の機密を得たものと推測します。それに何故今日召喚すると分かったのですか?
このような手間をかける貴方たちには目的があるはずです。十分、話会いが出来ると思いますが?」
嫌なことを言う少女だ。
「そうだわ。魔王殿。陛下を殺して私達を殺しても義士が立ち上がり必ず国を保つと分かっているからこんな手段をとっているのね」
違うけど説明が面倒くさい。無視を決め込むことにした。
すると、今度は黒髪族の細マッチョな男が剣を持ち貧乏姫の前に立ち塞がった。
「姫、私はクラス委員の源信治、姫を守ります。ジョブは勇者です」
「お止め下さい。召喚した私達が悪いのです」
チィ、イチャコラやっている。
だから、
「おい、あの黒髪族をフクロにしろ」
「「「オラ、オラ、オラ!」」」
寝転がせて蹴りまくって。
オーク姫を連れ去った。
帰りは行きの逆順、途中で観光をして。
そのまま魔王城に帰ってお父様、お母様に報告し。
「よくやったマリーンよ」
「グスン、心配したわ。無事に儀式を成功させて感無量だわ」
「よおし、四天王を配置だ。勇者を迎え討つぞ!」
・・・とやったが、来ない。来ない。
何故?
ビビらせ過ぎたのか?
「ダメね。愚王ね。姫を救ったら結婚させる言っているネ、勇者やる気にならないネ」
「何だとー、だから男って奴は・・・」
「イケメン王子じゃなくて不細工王子を誘拐してみるネ」
「魔王様!人族から交渉したいと書簡が来ました。ドワーフ王国経由です」
「何?」
手紙の内容はあの貧乏姫からだ。
『話し合いましょう』とか書かれている。
「何故、貧乏姫の署名なのだ」
「モグラの情報だと、王は姫がいなくなってやる気をなくして伏せっているネ、フランドラ王国は貧乏姫が掌握しつつあるネ」
もう、嫌だ。あのふくよかな姫は?獄卒たちに聞いて見た。一応、貴族牢に近いから不満はないはずだ。
「おい、太った姫は何をしている?」
「・・・はい、イケメン獄卒を誘惑しています」
「飯食っています」
「寝ています」
そうか、
「もう、良い。無条件で帰せ」
もし、次この機会があったのなら、降参した奴は素直に加えてやろうと思う我であった。
最後までお読み頂き有難うございました。




