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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

浮気王子の末路~リアルBL好きな女王の男妾になりました~

作者: Ash

 浮気した挙句、婚約者に婚約破棄を告げた王子。

 しかし、そんな勝手な真似を王が許すはずがなく、王子はとある国の女王の男妾として輸出された。実質上、永久の国外追放である。

 ついでに、王子の浮気を手伝っていた側近たちも。




 ◇




 王配どころか、側室でもなく、男妾。その地位の低さに王子たちは怒り狂っていたが、女王は居並ぶ家臣たちの前で、王子たちに説明してやった。


「女性を甚振って喜ぶ男性たちの罰って、罰を与えるほうにも心理的被害を及ぼすのよ。だって、強姦の罰が同性からの強姦だなんて、まともな精神をしている同性愛者に強姦を強要していることじゃない?」


 何の脈絡もない話をされて苛立つ王子たち。


「だから、女性に危害を加えた者は私の妾にするの。でも、妾としてやっていけないなら、それなりの待遇が待っているわ。王城に置いておけないなら、娼館に入ってもらうの」


 やっと妾になった理由について語られたが、女性を甚振ったおぼえがない王子たちは、その末路に騒ぎ出した。「やってもいない罪でそんあ目に遭うなんて、あり得ない! 父王に言いつける!」と。


「あらあら。騒がないで。あなた達の祖国もこれは知っていて、送ってくるのよ。自国では幽閉して穀潰しにしかならない厄介者を、この国は必ず処理するからって」


 幽閉して穀潰しにしかならない厄介者たちは、娼館落ちすら考慮に入れられて、輸出された事実を知らされ、愕然となった。そこまでされるほど酷いことを自分たちがしたのか、と。

 信じられない気持ちだった。


「そう。あなた達は捨てられたの」


 王子たちは自分たちが捨てられたように、王女や令嬢だって捨てられた可能性に聞いてみれば、


「もしかして、女性も送られてくるのかって? そうよ。彼女達も幽閉するしかない身の上だからね。本人の資質に合った場所に送ってあげるの。厳しい環境の修道院に送っても、修道院が迷惑するだけじゃない。彼らは厳しい環境で生きることで神の存在を肌で感じたい人たち。権力者に脅されて、甘ったれた人々のお守りをさせられるなんて、可哀想でしょ」


 女王はどこの国にもある僻地の一度、入ったら生きて出て来られないという噂の修道院について語りだした。


「そうそう。私の婚約者も浮気相手と結婚しようと、濡れ衣を着せようとしたから、私はこの国を作ったの。同性愛を隠して生きるしかなかった人々にも協力してもらったから、見目だけは良い男性には、恋愛ごっこを手伝ってもらわなければいけないの。私の妾となったなら、しっかり、家臣達とイチャついてね」


 王子たちも身におぼえがある婚約破棄と婚約者の断罪を、女王はされたほうだった。


 この国は婚約者の浮気の挙句、婚約破棄されて家も追い出された令嬢が作った、伯爵家の領地規模の小さな国。

 そんな彼女と友好のあった同性愛者の友人が、同じ志向の仲間と共に作った、一つの城と城下町。それに周辺のいくつかの村で構成された国。

 世界中の王侯貴族が要らない令息令嬢を送り付けて来て、冤罪だった者は自分の力で国に役立とうと、仕事を見付けて王城に居場所を作る。罪人は同性愛者の家臣と恋愛ごっこを繰り広げるか、娼館落ちして、全員、役立ってもらっている。


 勿論、娼館落ちしても反抗的な罪人には、食事抜きや暴力などの折檻はするが、強姦魔やそれを指示した者以外には乱暴な客を付けたりはしない。

 乱暴な客の中には娼婦や男娼を殺してしまう者もいたが、強姦被害の関係者の場合が多いので特に問題にはならない。この国に送られた時点で罪は確定していて、情状酌量を悉く無くした結果が娼館落ちなのだから。

 職業としての娼婦や男娼は娼館ではなく、王城で暮らしていて、女王の庇護下にいるのだから、娼館は反省のない罪人達が暮らしていると、この国の人間は知っているし、他国でも囁かれているから、報復目的の外国人は娼館に足を運ぶ。

 罪人は他国で復讐者が手を下せる状況にしてあるから、必ず処理されるのだ。

 冤罪で妾として送り込まれても、彼らはそこで生き抜こうとして、娼館落ちなどしない。そして、自分を捨てた祖国のことは忘れて生きていくので、二度と祖国には戻らない。


「愛妾なんて不安定な立場が嫌なら、一部は下賜したから、真似たら良いわ。丁度、この場に呼んでいるのは、同性愛者の家臣達よ。見染められるように媚びを売りなさい。あなた達の浮気相手のようにね」




 そして、今日も王城にはリアルBLが展開され、女王はニマニマと見、恋人募集中の同性愛者の家臣達は物欲しげな顔で見ている。恋人のいる者や既婚者達(同性婚・異性婚問わず)はそんな彼らを追い立てて、仕事を再開させる。

 それが”要らない”と捨てられた者たちの国の、王城の平和な日常であった。

王子たちが娼館落ちしたら、元婚約者の家から刺客が来そうです。

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