次元を越えし者の系譜 魔科学の狭間に佇む乙女
エリーゼとクリスティアンは迷宮の奥を進み、遂に巨大な門にたどり着いた。門には複雑な紋章が刻まれており、エリーゼの前世の記憶の中でもよく見かけた印だった。
「この門の向こうが、儀式の舞台なのかもしれない」エリーゼが言う。
二人は門の前に立ち、エリーゼが宝物庫から手に入れた古の鍵をその鍵穴に差し込んだ。するとゆっくりと門が開き始め、その先に巨大な広間が現れた。
広間の中央には、高さ10メートルを超える巨大な杭が立っていた。その杭の周りを見渡すと、複雑な装置が幾つも配置されていた。
「これらが儀式の準備なのね」エリーゼが分析する。「科学と魔法の力を利用して、何かを実現しようとする装置のようだわ」
二人は立ち止まり、その光景を眺めた。エリーゼの前世の記憶が頭に浮かぶ中、ここでの儀式の意味を考え込んだ。
ふと、クリスティアンが気づいた。「エリーゼ、あの杭には文字が刻まれているぞ」
エリーゼが杭の周りを歩き回りながら、刻まれた文字を確認する。
「この文字、前世の言語で"新しき世界の扉"と書かれているわ」
クリスティアンの表情が引き締まる。「つまり、この儀式は新しい世界を生み出すためのものなのか?」
エリーゼは頷いた。
「そうよ。この広間が、かつてkonashたちが新たな世界を目指した場所なのね」
クリスティアンは言った。
「だが前世では、その試みは失敗に終わったはずだ。私たちにできることがあるのか?」
エリーゼはクリスティアンを見つめ、言葉を選んだ。
「前世では失敗したかもしれない。しかし今の私たちには、前世の教訓がある。その上であの儀式に挑戦すれば、きっと新しい未来を切り開けると思うの」
二人は決意を新たにした。失敗の歴史に学び、今度こそ魔法と科学の調和ある新世界を生み出すことを誓った。
エリーゼとクリスティアンが儀式の準備に取りかかろうとした、その時。突如として巨大な揺れが広間を捉えた。
「何事だ!?」クリスティアンが驚きの声を上げる。
天井から岩塊が次々と落下し始め、二人は危うく潰されるところだった。エリーゼが魔力の防御壁を展開して、間一髪のところで難を逃れた。
「こ、この揺れは一体!?」エリーゼが息を切らしながら言う。
すると、広間の入り口から巨大な姿が現れた。高さ5メートルはあろうかという怪物が、獰猛な形相で這い入ってきたのだ。
「クリスティアン、あれは試練のひとつなのかもしれない!」エリーゼが叫んだ。
二人は手加減なしの攻撃を受けながらも、それでも立ち向かう構えを見せた。するとその怪物は、人の言葉で語りかけてきた。
「konashの生まれ変わりよ。そなた等が魔科学の扉を開こうというのならば、我に打ち勝たねばならぬ!」
エリーゼはクリスティアンを見た。前世の生まれ変わりと言われたことに、戸惑いを隠せなかった。
そしてクリスティアンがエリーゼに込めた言葉。「行こう、エリーゼ。君の力を私に見せてくれ!」
エリーゼは頷き、すべての力を解き放った。前世の記憶から生まれる魔力と、現世の科学的思考力を掛け合わせ、怪物に立ち向かっていった。
広間は次々と攻撃の光と衝撃に包まれていく。エリーゼとクリスティアンの全力の戦いが、そこに実現されていったのだった。
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