表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~  作者: Takahiro
終章 少しだけ平和になった世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

764/766

20世紀の終わり

 1980年代を通して、砲を主兵装とする従来型の艦艇はほぼ絶滅した。上陸作戦などに使われる可能性を見込んで僅かな戦艦が稼動状態で保存されているが、それも間もなくスクラップか記念艦になるであろう。


 1988年、国連海軍の高雄型ミサイル巡洋艦六隻が全て竣工した。最後にアメリカから納品されたのは六番艦の羽黒であった。もちろん船魄は妙高型重巡の羽黒を引き継いでいる。


「これで、一先ずの更新は終わりましたね。改めてよろしくお願いします、姉様方」

「うん。改めて、これからもよろしくね、羽黒ちゃん。元妙高型の絆は、絶対に切れないよ!」

「あんたはもう一番艦じゃないんだから、そんな調子に乗らないでよ」


 愛宕が妙高に言った。愛宕は二番艦なので、妙高の姉ということになっている。


「愛宕ったら……。わたくしはそんなことは思っていません。那智さん、足柄さん、羽黒さん、これからもよろしくお願いしますね」

「あんた達は全員妹なんだから、お姉ちゃんの言うことに従わないとダメよ」

「そんなことはありませんって……」


 何だかんだ言って、新たに結成された六人姉妹は仲良くやっていけそうである。もっとも、高雄型ミサイル巡洋艦はまだ増える予定なのだが。


 ○


 国連海軍の主力空母、翔鶴型空母は今のところ三隻までが竣工しており、まだまだ増やす予定である。なお、エンタープライズは唯一保有を許されている原子力空母として、まだ暫く今の身体のままで現役にとどまってもらう予定だ。エンタープライズは瑞鶴の妹になりたがっていたが。


 陸奥型ミサイル戦艦についても、既に陸奥・天城・大和の三隻が就役済みである。こちらもまだ建造中なのだが、四番艦については信濃と命名されることが決まった。信濃はようやく戦艦になりたいという夢を叶えることができたのである。


 ○


 1989年、イギリスで反ファシズムを掲げる暴動が発生。アメリカと国連軍の仲介により国民投票が行われ、イギリスはヨーロッパ・アーリア人連合を離脱した。経済的に復興を遂げたイギリスとアメリカはドイツからの独立志向を強め、反対にドイツの影響力が低下していることは否めなかった。


 同年、独ソ日米の首脳達がマルタで会談し、冷戦が終結したことを確認した。但し、東西ポーランドについてはファシズムと社会主義との隔たりが大きく、統一はならなかった。ドイツとソ連がポーランドの分断状態を望んでいる以上、統一はまず見込めないだろう。


 1991年、長年ドイツに併合されていたオーストリア・チェコ・スロバキアで独立を求める大規模なデモが発生。武力で鎮圧すれば国連軍が飛んでくることは明らかであり、ドイツは譲歩せざるを得なかった。これら三ヶ国は流血なしに独立を果たしたのである。


 この出来事は一般にドイツ崩壊と呼ばれる。もっとも、経済に多少の混乱が出たものの、ドイツ国のほとんどは人口の面でも経済の面でも旧来からのドイツが占めており、ドイツ経済にとってそれほどの実害はなかった。但し、国内の離反を抑えきれなかったことで、国際的な影響力が低下することは免れなかった。


 ○


 1993年、独ソ日米は京都海軍軍縮条約を締結。1930年のロンドン条約以来となる国際的な軍縮条約であった。また、国連軍は元より各軍種において世界最強の軍隊の8割を上限としていたので、自動的に軍備の上限が定められることとなった。


 条約発効後の各国の保有鑑定数を記す。


 以下、大日本帝国海軍:国連海軍:ドイツ海軍:ソ連海軍:アメリカ海軍の順に各艦種の保有上限を並べる。また必要であれば各艦種の定義を付記する。


 主力空母(基準排水量6万トン以上)

 9:6:5:4:3


 主力戦艦(基準排水量2万トン以上かつ誘導弾を主兵装とする)

 8:6:6:4:3


 主力巡洋艦(基準排水量8,500トン以上かつ誘導弾を主兵装とする)

 12:8:8:6:6


 駆逐艦(基準排水量2,500トン以上)

 48:32:34:40:24


 潜水艦

 30:12:36:38:12


 国連海軍は総合力としてドイツ海軍とほぼ同等である。つまり、例えばドイツ海軍と国連海軍が手を組めば、大日本帝国海軍を簡単に凌駕することができる。これは国連軍の抑止力を保つに理想的な軍事バランスである。


 1959年以降、少なくとも国家同士の戦争は一度も起こらず、何度か発生した内乱も最小限の犠牲のうちに収めることに成功している。常設国連軍という人類史上初めての試みはは今のところ、成功していると言えるだろう。


 1996年、陸軍と空軍についても軍縮を約束したニュルンベルク軍縮条約が締結。これらにおいても海軍と同様のバランスが保たれることになった。


 ニュルンベルク条約下の国連陸軍の戦力はソ連陸軍に対応し、戦車1万6千両、装甲車両3万両などを数える。キューバ国内だけでは基地が足りないので、主にアメリカやメキシコに基地を置いている。また国連空軍は主力戦闘機900機ばかりを保有している。


 国連軍は国際社会の番人として広く受け入れられた。そして時代は21世紀に入る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ