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マセガキ誕生

 童貞のまま死んだ。

 童貞のまま死んだ。


 苦しみだけは人一倍。幸せなんて一つもなかった。


 絶対に許せない。

 絶対にだ。どいつもこいつもコケにしやがって。

 次は、必ず――


「何になる?」

「ラッキースケベ」

「ん?」

「ラッキースケベです」

「…………」


 ダークルームに光芒がさす。影は二つ。

 神様はしばらく思案した。淀みない男の決断に。

「お前は何を言っとるんじゃ?」


(あかんのか)

 メガネで小太りの学生服は思った。

(――コイツは何も解ってない。このボケ老人は)

 こんなブスに生まされ、ちんちくりんに生まされ、女に言い寄っても「は?」「怖い怖い」「それセクハラですよ」としか言われなかった男の心情など。イケメンは「クール」と呼ばれ、ブスは「暗い」と呼ばれる理不尽など。


「はぁ、お前という奴は……」

 ――ほざけ。心を殺されたから、人の心を殺すのだ。

 絶対に許さない。


「だれが『コイツ』じゃ」

「え?」

「だ、れ、が『ボケ老人』じゃ!」

 あ、思考がバレるタイプ?


「ラッキースケベ? ふざけんな」

「すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませあーー」


 ――いつもこうなる。マウントを取られ。力ずくで。

 ボケでもかまさないと、やっていられない。


 何か、光につつまれた。


「消え失せろ! お前はガキになれいッ!」


 ちょっと! まだスキルも何も――


「うわぁあああーー!!!」

 このクソガ……ミが。

 いたいた。お前みたいなイケメンが。マウント取りの。


 しかし、何でガキなんだ――


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