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砂糖菓子からの卒業

作者: ぴのこ

ぴいすけは、たのしい事が好き。

小学生の頃は、テレビアニメや映画とか、図書館の本を読んでいた。本を読むと大人に褒められるのもよかった。外で近所のこと自転車で走り回ってお出かけするのも楽しかった。

中学生になったころに、テレビゲームを買ってもらったし、中学生になるころには、みんなお小遣いをもらえるようになって、本屋さんや古本屋さんで小説や漫画を買って、貸したり貸してもらったりしながら、たくさん読んだ。もちろん中学校に行けば図書館の本も増えて、たくさん読んだ。

子供でも、現実には大変なことがいっぱいあるけど、本や漫画やゲームをしていると、あまーいお砂糖のお菓子をほおばっている時みたいに、胸の奥からたのしい感じがあふれてくる。


ぴいすけは、特にやりたいことはなかった。楽しく過ごせたらいいの。もちろん学校では、ちゃんと勉強して、点数が高ければ褒められるのもうれしい。勉強の合間に、砂糖菓子みたいな本や漫画やゲームで楽しんだりして、平和に育っていった。けど、特にやりたいことはなかった。


褒められるためにやっていた勉強は、それなりに成績がよくって、いい学校に行って、いい会社に入った。自分でもかっこいい仕事だと思うけど、何かしたいと思って入ったわけではない。そして、急に砂糖菓子から卒業はできない。仕事の合間にゲーム、ネット小説。時代の流れとともに、砂糖菓子の形は変化して、誘惑してくる。仕事も頑張りたい。砂糖菓子も誘惑してくる。家庭を持った。もっと砂糖菓子の時間が無くなる。子供ができた。あぁ、砂糖菓子はどこへ行ったの?


子供が大きくなって、ふっと一息、久しぶりに見た漫画が、あまり面白くない。小説も、読むのが億劫で。ゲーム、操作がむつかしくなってて、でも昔みたいに練習して上手になろうっていう気も起きない。

あれ、いつの間にか私、砂糖菓子いらないんじゃない?

でも大丈夫、今度孫が遊びに来るから、それが楽しみ。

いつの間にか砂糖菓子を卒業してましたとさ。

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