第四話~転生初日でダンジョンマスター!?~
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ひとまずスキルを取得した俺たちは転生した場所の周辺を探索するために起き上がったそばにある湖を見渡した。
「かなり広いですね〜。これなら飲み水の心配はいらないですね。」
「ああ、来ていきなり水がなくて死ぬなんて心配はしなくていい分安心できるな。」
「そうですね、あとは食料さえあれば目先の目的は達成できそうですね。あれ、あそこに何か光ってるものが浮いていませんか?」
そう灯に言われてみていると確かに20mほど先に虹色に光っている物体が見える。
「光が反射して光っているだけなんだろうか、でもあれだけがあんなに光っているのは不思議だな。」
「ですよね!もしかしたら何かいいものかもしれませんしどうにかして取りにいけるといいんですけど…」
プールとかなら簡単に取りに行けるんだけどこの湖で取りに行けるかは自信がないな…
「もしかしたら、私ならいけるかもしれません!」
そういえば灯は鳥のような体になったおかげで【飛行】スキルがあるのか、でもすぐに飛べるようになるのだろうか。
「【飛行】スキルってすぐに飛べるようになるのか?」
「やったことがないのでわかりませんがスキルがあるので試す価値はあると思います!」
そういうと灯は少し距離を取り翼を広げると少しずつ羽ばたきながら浮き上がっていった。
「ほらほら見てください!私飛べてますよ!」
すごいな、人が空を飛べるようになるとはこれなら簡単にあの光る物体を取りに行けるかもな。
「じゃああの石を取りに行ってきますね!」
そういうと灯は湖の上を飛びながら5m、10mと飛んだところでだった。灯は少しずつゆっくりとなっていき少しずつおぼつかなくなっていった。このままでは湖に落ちてしまう。そう思った俺はすぐに後先考えずに湖へ飛び込んだ。
灯は少しずつ高度を落としながら湖に落下しそうになっていた。
「灯!」
俺は灯が湖に落ち沈み切る前になんとか灯を抱きかかえることができた。
「うぅ、すみません。また助けてもらっちゃって…」
「大丈夫だよ、灯が無事でよかった。それよりも早くあの光る物体を回収しよう。」
「そうですね。」
俺たちはあと数メートルの距離を泳ぎ光る物体を触った。
「これは石?いや水晶なんですかね?」
俺たちが石に触れるとその光は一瞬強くなり収まると、不思議な声が聞こえた。
『ダンジョンコアに触れた生命体を確認、登録者に適応するためアップデートを開始します。』
え?どういうことがダンジョンコアとはどういうことだ?あの神さまが用意してくれたのか?
とりあえず早く湖からでなければこのままでは二人とも溺れてしまう。
「とにかく早く陸地に上がろう、落ち着いてつかまっててね。」
「わ、わかりました。」
そのあと俺たちは何事もなく、陸地に起き上がることができ、灯の【初級火魔法】で焚火を焚いて体を温めることになった。気候も日本にいたときと同じ夏なおかげで凍えずに済みそうだ。
「でもダンジョンコアっていうのはいったいなんなんだ?あの後から触ってもうんともすんとも言わなくなったし。」
神さまもダンジョンコアなんて説明をしてくれなかったし、いったいこれはなんなんだろう。
「ダンジョンというと魔物が蔓延っていて冒険者が一攫千金を目指して日々ダンジョン探索をするみたいなイメージがありますが…」
「私たちがダンジョンを管理して魔物を生み出すとしてもそれって、神さまからの亜人族の方々を救うっていうのに矛盾していませんか?」
そうだよな、だったらそんなものをわざわざ神さまが用意するわけもないし偶然湖の上に浮かんでいただけなのか?
「とりあえずはアップデートが終わるまでに体を温めてまっていないとな。」
俺たちが服を乾かしてから10分ほど経ったころだろうか、ダンジョンコアはまた光だしアナウンスのようなものが流れ出した。
『ダンジョンコアのアップデートが終了しました。ダンジョンマスター【神谷達也】【菊野灯】を登録、ダンジョンマスターに称号【ダンジョンマスター】を付与します。』
え?【ダンジョンマスター】だっていったいどういうものなんだ?
「いったい称号があるからってどういったことができるんだ?」
「もしかしたら【鑑定】でわかるかもしれません。」
そういうと灯はステータス画面を開き、称号の欄にある【ダンジョンマスター】を注視し始めた。
「なるほど、そういうことですね。」
【鑑定】によって見た、【ダンジョンマスター】の説明にはこう書いてあったらしい。
【ダンジョンマスター】
・ダンジョンコアに最初に触れた人物に称号【ダンジョンマスター】を付与し、付与されたものはダンジョンコアによってダンジョンを管理することができる。
・スペル『ダンジョンマネジメント』
【ダンジョンコア】
・局地的な魔力の密集によって生み出され、最初に触れた生命体に適応して生命体をダンジョンマスターとする。
「おそらくは私たちが転生した際に偶然生み出されたもののようですね。もしかしたらこれを有効活用できれば住居問題も解決するかもです。」
それならば早いとこなにができるかを確認するべきだな。
『ダンジョンマネジメント』
俺たちはダンジョンコアに向かいスペルを唱えた。
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