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第三十四話~鼠人族の長~

見に来ていただきありがとうございます。


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昨夜の飲み会も明け、俺たちは服を見繕うためにアルピアさんに教えてもらった鼠人族の作業をしている場所へと向かっている。


途中、鼠人族の人に道を尋ねながら俺たちは村にいる全ての人の服などを製作しているという作業場まで辿り着いた。家の扉を開け、中に入るとそこには様々な種族に対応させた大きさや構造の服がぞろりと立て掛けられていた。


「すみませーん!アルピアさんに紹介されて来たんですが…」


「はーい!」


家の中から返事はしたのだがどこにいるかが見当たらない。


「どこにいらっしゃいますかー?」


「ここです!」


声が聞こえたほうへと目を向けると、テーブルの方から頭がぴょこんと見え、椅子に乗り上げながらこちらの方へと顔を出した。


「こんにちは、アルピアさんから服をいただけると聞いて来た、タツヤとアカリです」


「昨日村に来た子たちですね、アルちゃんから聞いてるよ~。服が欲しいなら体の寸法を測りたいからこっちに来てもらってもいい?」


「わかりました」「は、はい!」


俺たちは鼠人族の女性の方へと向かい、ようやく彼女の全身を見ることになった。彼女の身長は120㎝ほどで途中ですれ違った鼠人族の人よりも小さい。髪は灰色でハリネズミのように少しトゲトゲしくなっている。


「わぁ…!マスコットみたいでかわいい…!」


「私、こう見えても鼠人族の中だったら年長者のお姉さんなんですよ?かわいいはよしてください!」


「すみません、可愛くてつい…」


「まあ褒められるのは嬉しいので許してあげます」


そう言って鼠人族の女性は胸を張り、ふんっとしているがどうしても可愛らしく見えてしまっている。女性は何かに気づきハッとするとまた俺たちに話し出した。


「そういえば、まだ自己紹介をしていませんでした!私はチュール・ローララット、鼠人族の族長なんかをしてますが、服の事なんかは気軽に相談してね」


「え!?族長さんだったんですか!?」


「そうですよ~、偉いんですからもっと敬ってくれていいんですよ?」


「族長さんがわざわざ俺たちのために服を見繕ってもらってもいいんですか?」


「大丈夫ですよ~、肩書は族長ですが基本は村の会議の代表という訳で服を織ることは鼠人族としての仕事ですから誰でも行ってるんですよ」


「ありがとうございます、それじゃあ俺と灯の分の服をいただいてもいいだろうか?二人とも今着ている分しか服がなくて…」


「そうなの?じゃあ二人の服をいくつか用意するから先にアカリちゃんから寸法を測らして貰ってもいい?」


「わかりました!じゃあお兄さん、私は先にやってもらうので待っててくださいね」


「ああ、ここで待っているよ」


二人は奥の方へ向かい、しばらくすると俺のところに戻ってきたので、今度は俺が寸法を測るためにまた奥へと向かった。


「それにしても二人とも変わった服を着ているんですね~、もしよかったら私にくれませんか?修繕の方もできたらお返ししますので」


「ああ、俺たちも直してもらえるなら喜んで渡すよ。この服も思い出が詰まってるしまた着られるようになったら嬉しいからな」


俺が服を渡すと言うとチュールさんは手を上げて喜びを表している。


「わ~い!最近は新しい素材がなくて作れる服にも限りがあったんですよね~」


やっぱりチュールさんはどことなく子供っぽいような気がする。俺が微笑ましく見ていると彼女はこちらに気づき、両手で顔を隠して照れくさそうにしている。


「これは違うんですよ…!嬉しかったのでついついこうなってしまっただけで、普段はこんなことにはならないんです…」


「まあまあ、そういうところも愛嬌があっていいと思いますよ。」


「う~、年長者としての面目がぁ…」


「みんなも堅苦しくない方が話しやすいですし、それもチュールさんの美徳ですよ。灯も待たせていますし早いところ寸法を済ませれしまいましょう」


「そうですね…それじゃあぱっぱと測ってしまうのでじっとしててくださいね~」


チュールさんは素早い手つきで体の寸法を測っていき、俺たちに合ったサイズの服を少し手直しするようなのでそれが終わるまでは俺たちは家の中で他の服なんかを眺めつつ時間を潰した。


数十分ほど時間が経過すると、チュールさんは作業を終え、俺たちはチュールさんが用意してくれた服に着替えることにした。


俺は村にいる狼人族が来ているような伸縮性のある上着に動きやすいズボン、灯はハルやアルピアさんが来ているような少し背中の部分が開いたワンピースを着ていた。


「少し露出が多いので恥ずかしいですね…」


「まあ」翼人族が着やすい服だとどうしてもそんな風になってしまうわね。誰かに手伝ってもらえるなら色々と着られる服も増えるんですけど…」


「だったら少しいいですか?」


灯はチュールさんに耳打ちし、何かを伝え終わると二人はこちらを見ながらうんうんとうなずき合っていた。


「じゃあアカリちゃんの服はそうさせてもらうわね」


「はい!ありがとうございます…」


俺たちはチュールさんから何着か服を貰い、俺たちの服を代わりに渡した後、拠点に戻り服を預けた。


服を一新した俺たちは今日溜まったDPの使い道を相談するため、アルピアさんの元へと向かった。









読んでいただきありがとうございました。


誤字・脱字指摘していただけるとありがたいです。


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