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第二十九話~村への出発~

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俺たちは周辺の調査を切り上げ、拠点に戻ってくると、そこには大量の魔物の死体があった。


「あはは…、これはですね…」


「灯の【ダンジョン輸送】は便利にゃね~、ついつい狩りすぎてしまったにゃ」


「いや~、久しぶりに張り切っちゃったっす!」


「こやつら、止まれというとるのに全く止まる気配がなかったのぉ」


どうやら、灯の【ダンジョン輸送】の便利さを知ったミールが周辺の敵を探し、カイトがそこまで走り倒し尽くしてしまったようだ。


「こんなに狩ってどうするのよ…」


「たくさんありますね…」


「…」


俺たちも一匹、大物を狩ってきているのでこいつ1匹でも今日の食事はなんとかなりそうだ。


「干し肉にでもしとけばいいにゃ、どうせタツヤが村に着くまでに時間もかかるし、村のみんなのお土産にして驚かせてやるにゃ!」


「まあそれなら皆も喜ぶし、いいのだけど、ミール?あなたも手伝いなさいよ…?」


「みゃあはこいつらを村まで案内しなきゃいけにゃいから、するのは大量に狩り尽くした、カイトがするにゃ!」


「え~、それはないっすよ!」


「私も手伝いますし、皆で頑張りましょう?」


「全くもう…ミールったら」


そして俺は、倒した魔物の解体作業に移り、作業を終えた後、皆で晩飯と風呂を済ませ就寝に入った。


それから数日を調査と干し肉作りに費やした、調査によって分かったこととしては、周辺の魔物も脅威となるものも少なく比較的狩りがしやすいこと、湖にも魚などが豊富にいるので船の方でも安定して収穫がありそうということだ。


他には、ガントが鉱山の可能性が高い場所を見つけ開拓できれば、武器の生産なども安定できるとのことだ。


魔物の種類は、スライム、ゴブリン、コボルトなどの子供でも訓練をすれば余裕を持って倒せる魔物からファング・ボアやドラゴリザード、大きなトカゲのような一人では対処の難しい魔物までいるので、皮や牙の素材は集めやすいようだ。


しかし、スパイダー系の魔物やバード系の魔物が少ないので、糸や羽の収集には少し苦労しそうだとのことだった。


そこのところはダンジョンコアによって解決できそうなので当面の問題ではないと思われる。


そして調査もひと段落し、ひとまずハル達の村に向かうために俺、灯、ミールは拠点を出発することにする。


「申し訳ないのだけのよろしく頼むわ」


「ああ、まあ日が沈んだら戻ってくるし、それほど大変ではないがな」


「そうですね~、前までは遠くへ行く場合は野営の問題をどうしようかと思っていましたが、今では拠点に帰れるようになりましたからね」


「普通ならこんなことありえないにゃ」


「村にはダンジョンマスターになった人は居なかったのか?」


俺たちはダンジョンコアに初めて触れて、ダンジョンマスターになったのでそういった人が居てもおかしくないと思うのだが…


「少なくともそんな話は聞いたことはないわね。でもダンジョンは山脈に近づくにつれて増えていくし、人は皆山脈から離れて暮らしているからそれが関係しているのかもしれないわね」


人がダンジョンマスターになるだけで戦力の拡大の面で考えると凄まじいからな、俺たちは二人で生活していた時ですらその恩恵に享受していた訳だし、ダンジョンで活動する人間が増えるだけで大幅にDPが使えるようになるわけだしな。


「村には攻略したダンジョンのダンジョンコアは取って置いてはいないのか?」


「申し訳ないのだけどないでしょうね」


ダンジョンコアは基本、奥の方でダンジョンの魔物達が大事に守っているのだろうが、攻略したのなら回収ぐらいしていてもおかしくないのだがな…


「私達も、ダンジョンコアと思しきものは見つけるのだけれども基本的には破壊一択になってしまうわね」


「どうしてなんですか?」


灯が不思議そうに首を傾けるが確かに疑問だな…


「私達が触っても反応がなかったというのもあるけど、一番大きな理由はダンジョンの無力化ね、ダンジョンコアを破壊するとダンジョンコアによって召喚された魔物だったり罠なんかは機能停止するのよ、そうすると安全にダンジョン内を物色できるのよね」


「なるほどな、ダンジョンコアを壊すとそんなことが起こるのか、俺たちが攻略したゴブリン・キングのダンジョンは罠とかは置いていなかったな」


「そういえばそうですよね、一つくらい有ってもおかしくないのですが…」


「ゴブリンがメインのダンジョンだと、罠があってもゴブリンが踏み抜いていたり、飯だけは豊富だったりするのだけど、もしかしたらその召喚というのを有効活用するだけの知能だないのが原因かもね」


「ああ、それは…」「まあ私達にしてみれば攻略が楽になるしいいのですが…」


「そんなわけで村に行ってもダンジョンコアを渡すことはできないわね、それにそれほど村に余裕もないからあまり歓迎することができなくなってしまうのも申し訳ないわ」


「ああ、俺たちは別に養われに行く訳じゃないからな」


「ええ、私たちはみなさんのお役に立つために行きますので!」


「タツヤもアカリもいい子ね~」


ハルは俺たちを両手を広げ捕まえるとそのまま力一杯で抱きしめた、この年でこれはなかなか恥ずかしいし、胸に顔を抑え込まれ少し息苦しい。


「ハル、流石にこれは…」「ハルさん、苦しいです…」


「あら、ごめんなさいね」


「ハルは時々おばさんくさいにゃ」


「そうじゃのぉ、そんなんじゃ嫁の貰い手も出てこぬぞ」


「私はみんなのために外に出て行かないといけないから仕方ないの!それにミールもガントもそういう話は聞かないじゃない!」


「みゃあはまだ若いから大丈夫にゃ」「わしも鉱山採掘や鍛冶で忙しいからのぉ」


「もう…」


そうして軽い雑談をしながら俺、灯、ミールは拠点を出発し、村へと向かった。


俺は【狼化】を使い、二人を背に乗せてミールの指示に従い一気に村へと駆けていく。


「すっごい速いにゃね~~~!」「風が気持ちいいですね~」


【狼化】のレベルも上がり、上昇するDEXも上がったおかげで今までの倍以上の速度で走っている。


そうして夜になるとダンジョンコアを残し、拠点に帰り、メイリアが作ってくれていた食事を堪能し、風呂に入り疲れを癒しながら布団で寝るという贅沢な遠出を行う。


数日後、予定よりもかなり早い時間で俺たちはハル達の村へと辿り着くことができた。


読んでいただきありがとうございました。


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