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第二十八話~調査の手伝い~

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翌朝、目覚めた俺たちは皆で朝食を取り、彼らの周辺調査を手伝うことにした。


調査の効率を上げるため俺たち8人を二手に分けることにした、互いの役割を考慮して、第一班を俺、ハル、グル、メイリアとなり第二班を灯、ミール、ガント、カイトになった。今回は周辺の調査ということで俺と灯は分かれて彼らを案内することになる。


「お兄さんと離れてしまうとは…」


「まあまあ、ここら辺の調査だから拠点に戻ればまた一緒になるんだから…」


「それに、この周囲をすでにある程度探索している俺たちが案内を務めたほうが調査も早く終わるだろう?」


こうしたほうが彼らの調査を速やかに行うことができると説明すると灯は納得してくれたようだ。


「でも、私が見ていないところで危ないマネはしないでくださいね」


「わかってるよ、それにこの周辺の魔物程度だったらもうお互い苦戦することはないだろうしな」


そうして俺たちは探索のための準備を行うことにした。準備を終え、俺たちは二手に分かれ、森の調査を開始した。


調査と言っても基本は俺たちが見つけた木の実の群生地だったり、どんな魔物がいるかの説明だったりをメインに彼らが移住しても生活できるだけの食料があるか、家を建てるための資源がどのくらいあるかなどを調べていくのでそれほど危険もなく雑談をしながらのんびりと進んでいった。


「ハルたちの村にはどれくらいの人が住んでいるんだ?」


「大体、千人を超えるくらいかしら。私たちの他にも色んな種族の子が身を寄せ合って暮らしているの」


ハルによると彼らの他にも犬人族、鼠人族、そして俺が転生してなった狼人族というのがいるらしい。


「それだけ多くの種族が一緒に暮らしているのに皆、協力し合って暮らしているんだな、俺の居た世界じゃ信じられないような話だ」


「もちろん種族ごとにそれぞれの生活の仕方というのがあって不満を抱くことだってもちろんあるわ、でもみんな折り合いをつけて協力して暮らしているの。」


それだけの種族が居て、皆が協力し合って暮らせるというのはすごいことだ。皆が生き残るために必死なんだろうな、少しでも仲間同士で喧嘩をすることが村全体が滅びる原因になるかもしれないしな。


俺たちは【探知】で発見した魔物を狩りながら今日の分の食料を確保していく。途中、メイリアが持っていた調味料などについても聞いたのだがどうやらこの森には探せば色んな場所にあるらしい。


「調味料なんかは村に居る犬人族の子がよく見つけてきてくれるんです。」


どうやら村での食料調達は主に犬人族と狼人族が中心となって行っているらしい、今回の遠征でも彼らの種族の主力は狩りや採取のため村に残り働くことを優先させたらしい。


彼らの村ではそれぞれの種族が得意なことをしてそれぞれが村に貢献しているらしい。


「食料調達だってみんなある程度はできるようになるし、狩りをする人が絶対に偉いってわけじゃないし、そうやって威張ることがないように子供の頃からみんな色んな子と触れ合ってお互いを尊重し合えるように教育されるの」


村では種族間の待遇の差がでないように皆が助け合いながら暮らしているようだ。


「昔のグルなんてすごかったのよ?熊人族は体格も大きいし子供のころはみんなのガキ大将だったんだから」


あの寡黙なグルがガキ大将?あまりそんなイメージは湧かないな…


「おい、ハル」


「グルさんは私がみんなと遊び始めてからは今とあまり変わらないので、ガキ大将ってみんなが言ってもわからないんですよね…」


「ふふふ、メイリアが来てからは大人しくなっちゃったもんね」


グルはこれ以上何か言うと墓穴を掘ると察したのか歩く速度を速めどんどん前に進んでいく。


「あっ!グルさん!一人で行くのは危ないですよ!」


メイリアはグルを追いかけ、ハルと二人残されてしまった。ハルは少し神妙な顔つきになって話始めた。


「村のみんなも仲間思いの人ばかりだし、タツヤとアカリが私達のために行動をしてくれるって知って嬉しく思うわ」


「ああ、俺たちもハル達と話して、俺たちにできることをしてハルたちの手助けをしたいって思ったからな」


ハルたちは今日も生きるために必死に暮らしている、手伝うことになったきっかけは神さまから頼まれたからだが昨日、今日と話して俺たちも彼らの力になりたいと思った。


「ありがとうね、それじゃ!前に行ったグルたちを追いかけないと!」


ハルはグル達を追いかけるために翼人族特有の翼を広げ飛んで行った。俺はそのハルを追いかけるために走り出した。レベルアップによって大幅にDEXが上がり、すぐに前に行ったグル達に追いつくことができた。


途中、一度だけファング・ボアの中でもかなり大きな個体との戦闘になったが苦戦することもなく、勝利することができた。


グルはその巨体に見合った剣と盾を持っており、ファング・ボアの攻撃を盾で受け止め、お返しとばかりに剣で一撃をお見舞いしている。ハルも風魔法を使い、ファング・ボアの瞳を傷つけ、それによりファング・ボアは大きく蹌踉(よろ)めき、体勢を大きく崩した。


そしてハルは俺に対して付与魔法を使う。『フィジカル・アップ』という魔法により一気に体に力が漲り、その効果を実感しながら俺はファング・ボア目掛けて跳びかかる。


俺は【格闘術】をレベルアップさせたことにより新たに取得した技を使う。


「『蹴撃』!」


俺は空中で1回転しながらファング・ボア目掛けて脚を振り下ろす。脳天に一撃を食らったファング・ボアは短い悲鳴を上げるとそのままその場に倒れ伏し、動かなくなった。


「グルさん、少し止まってくださいね。」


メイリアは戦闘後グルに近づき、回復魔法を使用してグルを癒す。


「ありがとう」


グルが短く感謝の言葉を言うとメイリアは少し照れくさそうに言葉を紡ぐ。


「いえ、私はみなさんのように直接、攻撃することができないので…」


「でも、メイリアのおかげで私達は怪我を気にせずに戦えるのよ」


「ああ、俺も回復魔法には助けられているしな」


「あ、ありがとうございます…」


「じゃあ、探索もこの辺にして帰りましょうか。流石にこの大きさのファング・ボアを持ち運びながらの探索は骨が折れるしね」


その後、俺たちはファング・ボアの死体を解体し皆で分散して拠点まで持ち運ぶことにした。こう考えると灯の【ダンジョン輸送】の便利さを実感するな…


俺たちは拠点に戻ってくると灯たちももうすでに拠点に帰って来ていたようだ。


「あっ、お兄さん!お帰りなさい!」


こちらに気付いた灯はニコニコしながらこちらに近づいて来たのだが、一つ気になることがあった。


「ああ、ただいま、灯。それにしてもあれはいったい?」


そこにあるのはダンジョンコアの周りに山のように置かれた魔物の死体だった。

読んでいただきありがとうございました。


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