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第二十六話~宴会と情報共有~

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俺たちはメイリアが用意してくれた食事を囲み、久しぶりの料理と言える食事に舌鼓を打っていた。


「うぅ~、お兄さんどれもこれも美味しいですよ!」


「あぁ、ここに来てから間違いなく一番の料理だな…」


しっかりと味付けされたスープに、色取り取りに盛り付けされたサラダに、香ばしいステーキなど地球に居たころなら簡単に食べれたが今では食べることができなくなった食事に二人とも感動していた。


「そうっすよ、そうっすよ、メイリアの料理は格別っすからね~」


「おみゃあらもメイリアに膝まづくにゃ!」


そういいながら二人はものすごい勢いで食べ物を口にしていく。かなりの量の料理を作り、余ってしまうのではと思ったのだがこのペースだと下手したら足らないなんてこともありそうだな。


「メイリアが作ったのにどうしてあなたたちが威張っているのよ…」


「あはは、美味しく食べでもらえるなら私はそれでいいので…」


そうして宴会は続いていく、ゴブリン・キングから手に入れた酒も振る舞いつつ俺たちはひと時の安息を楽しんだ。


そしてようやく話しは、俺たちの話、そして彼らがここに来た目的について移った。


「私たちは、次の移住地を探すためにこうして探索を続けているの」


「移住地って今は村かなにかがあるんじゃないのか?」


「えぇ、そうなのだけど私たちの村もかなりの人数がいるし常にそこで暮らしていくには食料の問題だって出てくるのよ」


「農作とかはしていないのか?」


「してはいるのだけどあまり安定してはいないわね、農作をするにもある程度土地を広げていかないといけないし、そうすると魔物に発見されるのを早めてしまうの」


「早めてはいけないのか?討伐すればいいのではないか?」


「ええ、小さい集団なら村の者たちで協力して倒すのだけど私たちが最も危惧しているのはダンジョンからこちらへ進行してくる魔物よ」


ダンジョンからの魔物?俺たちが倒したゴブリン・キングの居たような場所だろうか?


「ダンジョンなら俺たちも1度だけ攻略したことがあるのだがそんなに危険なのか?」


「ええ、ゴブリン・キングが居て苦戦はしましたがなんとか二人でも攻略できましたよ?」


「え!?あなたたち二人でなんて危ないことをしてるのよ!ゴブリンだって1匹1匹は弱いけれど数がいればそれだけ危ないのよ!?」


「「す、すいません…」」


「まあよいではないかハル、こやつらも無事に生きておるのだから、それにそれだけの強さがあるならわしらの村に来ても活躍できるではないか」


「もう、いい?これからはダンジョンを見つけても二人きりで突撃しないように!今回はたまたま上手くいっただけで次は死ぬかもしれないのだから」


「「はい、すみません…」」


確かに、今回は上手く掃討できたが危ない場面も多かったしな…


「まあその話はもう終わりにして、ダンジョンなのだけれどあなた達が遭遇したゴブリンのダンジョンは比較的まだ対処がしやすいものなの、私たちも過去何度か攻略したことがあるわ」


「でも、私たちの暮らしている村の東の方、アリアドネ大山脈に近づくに連れて魔物はどんどん凶暴に、強力になっていくの。あなた達が攻略したコブリンのダンジョンだって東の方で出現していたらもっと多くのゴブリンが、ゴブリン・キングだって1体では済まない数が居るの。」


「それは…」


あのゴブリン・キングが1体でも俺たちは苦戦を強いられたのにそれが数を増しているとは、下手したらキングよりも強い個体がいる可能性もあるだろうしな…


「それにダンジョンはが強大になるにつれてやつらは特殊なスキルを持ち始めるの、下手に攻め入ればこちらが返り討ちになるなんてことも当然あるわ。過去にもダンジョンを攻略しに行った仲間達が帰らぬ人になったことだってある」


「そんなことがあったのか…」


特殊なスキルとはダンジョンスキルのことだろうか、今の段階だとDP敵に取得することもできないし大きなダンジョンになればそれだけDPを潤沢に蓄えた、ダンジョンがあるってことだろうな…


「ええ、だからあなた達が無事で本当によかったわ。仲間を失うのはごめんよ、かつて私たちを逃がすために消えていった英雄達の思いを継ぐためにも私たちはみなで生き抜かなければいけないの」


だから、彼女は二人でダンジョンに攻略しに行った俺たちにこうまで真剣に怒ってくれたのか…


「消えていった英雄とは何なんだ?」


「あなた達はまだ若いし、二人きりでいたのだから教えてもらっていないのかしら。」


そうしてハルは消えていった英雄達について話し始めた。


「何十年も前、私たち亜人族の国は人族に侵略に遭い、山脈を乗り越えここまで逃げるしかなかった。山脈にはドラゴンやゴーレムなどの私たちでは到底勝つことのできない魔物の巣窟となっているの、そしてその山脈を抜けるため殿を務め、多くの者たちがなくなったと言われているわ。その同胞を私達は英雄として称え、彼らの想いを継ぎ、こうして行動をしているの」


亜人族の人々は数を減らしながら山脈を越え、逃げ延びたと聞いていたが、まさかそんなことがあったとは…


「大体、半年から1年ほどで東のダンジョンの魔物達に村の存在を気づかれ攻め入られる、襲撃前に敵の規模が分かり撃退できるならそうするけど、少しでも怪しいのなら私達は村のみな総出で遠くへ逃げ出し、また新たな村となる場所で生活を始めるの。」


俺たちももう少し、ゴブリン達を放置していたらこちらに気づく可能性も高かっただろうしな、今回は先に気づけたから素早く対処することができたが、あちらにゴブリン達に気づかれていたら逃げることになっていたかもな…


「あなたたちに問題がないのだったらここを次の移住先にさせて欲しいの、水も豊富だしここら辺にはあまり魔物もいないようだしね」


「それは俺たちとしても大歓迎なのだが…」


神さまに亜人族のことを頼まれた訳だし、そのためにできることがあるなら喜んでするのだが、俺たちのことをどう説明したらいいだろうか。


隣に座っている灯も同じことを考えていたのか俺に近づき内緒話を始めた。


「お兄さん、私達のことはどのくらい伝えればいいのでしょうか?」


「人族に国を追われたなら俺たちが王国に召喚されたやつと同じ星から転生してきたって言わない方がいいのだろうか?」


「でも神さまに頼まれたとかのことを説明するときにおかしくなりませんか?」


確かに俺たちがあなた達を救うために来たとか伝えても世迷言のように思われるかもしれないし、今後一緒に暮らしていく上で隠し事をして後々、バレて信頼関係を失うのは嫌だしな…


それに、この人たちから嫌な感じもしないし伝えたほうがいい気もするな…


「やっぱりありのままを伝えよう、もしそれで関係が決裂してしまっても彼らを手助けする方法はいくらでもある」


「そ、そうですね。この人たちに噓は付きたくありませんし。」


そうして俺たちは彼らに俺たちの事情をそのまま伝えることにした。


「なあ、今から言うことを信じてもらえるかわからないが…」


この話の後、彼らが俺たちと共に歩んでくれることを信じて。







読んでいただきありがとうございました。


誤字・脱字指摘していただけるとありがたいです。


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