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第二十五話~宴の準備~

見に来ていただきありがとうございます。

俺たちは6人を拠点まで案内した。拠点まで歩いている途中、軽くだが彼らについて聞いた。どうやら彼らは俺たちでいうところの苗字に当たる部分が彼らの一族を表すものとなるようだ。猫人族のミールはオーロット族、翼人族のハルがメイト族、ドワーフのガントはロック族という一族、家族のようなものらしい。


その他、先ほどはあまり会話することがなかった3人、それぞれ熊人族、牛人族、羊人族という種族のようで名前をグル、カイト、メイリアという名前のようだ。一族の名前はゾゾ族、ミノ族、メメリー族というらしい。


「そういえば、どうして俺たちの方に向かってきていたんだ?かなり一直線に向かっていたようだったが」


「ああ、それはね」


ハルが話始めようとすると、それをミールが遮った。


「みゃーの友達がおみゃいらを見つけたからにゃ!」


そういうと先ほどまで灯の肩に止まっていた青い鳥がミールの頭の上に飛び移った。


「あっ、ピーちゃん…」


灯、あの鳥に名前を付けていたのか…、それにしても人懐っこい鳥だがそれがどうして…?


「ミールはテイマーなの、動物とかを使役して周辺を探らせることができるのよ」


「こやつの鳥の一羽がわしらの同胞を見つけたというからわしらはおぬしらの方へ向かったのじゃ」


テイマーというのはそういうことができるのか、鳥なんかの動物を使役できるならかなり広範囲を索敵できそうだな。


「みゃあは友達がどこにいるかはわかるけど遠くの友達と意思疎通ができるわけじゃないにゃ。今回は仲間を見つけたらその場で待機してもらう予定だった友達が珍しくとみゃっていたからおみゃあらのところに向かったてわけにゃ」


「そういうことか、別に俺たちに懐いていたわけじゃなかったのか」


「そんなぁ…」


そうして軽い雑談をしながら時間を潰し、俺たちは拠点へと帰ってきた。


「へぇ~、この森の中にこんな場所があったなんてね…」


「すごいっすね~、ここなら俺たちの目的も達成できそうじゃないっすか?」


「目的とはなんですか?」


「あ~、それは話すと長くなるから先に野営の準備だけでもさしてもらえないかしら。もう日も沈み始めているし。」


「ああそれは大丈夫だ、それじゃあ灯俺たちは今日の夕飯の準備をしよう。」


「わかりました!ちょうど食材もたくさん手に入りましたし、腐る前に消費してしまいたいですからね」


「それは助かるわ、メイリア!調理の手伝いをしてもらってもいいかしら?」


「わ、わかりました!」


そうするとメイリアは俺たちの方に近づいてくるとペコリと頭を下げた。


「よ、よろしくお願いします!不束者ですがよろしくお願いします!」


「メイリア、そりゃあ嫁入りの挨拶にゃ」


「よ、嫁!?だ、だめですよ!お兄さんは渡しません!」


「あ、いや、これは、違うんです!」


「もう、ミールったらあまりメイリアを揶揄わないの、早く私たちはテントの設営にかかりますよ」


「わかったにゃ~」


「ほら、男衆もさっさと設営を始めるわよ」


「わしらはおぬしらが話終わるのを待っていたのじゃがな」


「おう」


「わかったっすよ~」


そうして彼らはメイリアを残してテントの設営の方に行った。残されたメイリアは俺たちを伺うようにこちらを髪の毛の間からこちらを覗いている。


「メイリアさん、もこもこしていて枕にしたら気持ちよさそうですよね~」


彼女は羊人族という種族なだけあって羊毛のようなものが体を覆っていてかなりもこもことしている。


「さ、触ってみますか?」


「いいんですか!?なら、お言葉に甘えて…」


そうすると灯はメイリアに近づきその体に抱き着いた。


「おぉ…これは癖になりそうですね」


灯はメイリアの体に抱き着き顔を埋め気持ちよさそうにしている。しばらくして満足したのか顔を上げたがその顔は緩み切っている。


「灯、そろそろ食事の準備を始めよう。今日は人数も多いし色々しないといけないしな」


「料理なら任せてください!い、いつもみんなの料理を作っていますので!」


「それは頼もしいな、でもいつも一人で作っているのか?」


「ええ、私はあまりみんなの役に立てていないですし、せめて料理だけでもって…」


そういうとメイリアは少し落ち込んでいるのか俯いてしまった。


「メイリアは自分のことを過小評価しすぎにゃ、メイリアがいなかったらみゃあたちは今頃野垂れ死んでいるにゃ」


メイリアはテント設営の作業を抜け出してきたのか後ろからメイリアに抱き着いてきた。


「きゃ、ミールちゃん…」


「長達がみゃあ達じゃ心配だからってメイリアを送り出してきたわけだしにゃ~、ハルはああ見えて料理は壊滅的だし男どもは食えればいいとかで雑だからにゃ。メイリアが居なかったら終わってたにゃ。」


「そ、そんなことないよ…」


ミールの励ましのおかげかメイリアも先ほどの状態から少しは持ち直したようだ。


「ミール、テントの設営を抜け出すな」


「あっ、グル!みゃあはさぼってたんじゃないにゃ!ミールがまたくだらないことを言ってたから活を入れていただけにゃ!」


熊人族のグルはミールをひょいと持ち上げて肩に担ぐとそのままテント設営の方へと向かっていった。2mを超える巨体のグルがミールを持ち上げるとまるで親子のようだな。


「それとミール、お前には皆、感謝している」


そう一言だけ告げてグルはすぐにテント設営の作業に取り掛かった。メイリアは少し顔を赤くし照れくさそうにしていた。


「皆さん仲がいいんですね」


「そうですね、村の仲間たちはずっと互いに支えあって生きていますから」


「俺たちも料理の準備に取り掛かろうか」


俺たちは料理に取り掛かったのだがここで一つ嬉しいことがあった。メイリアが調味料をいくつか持っていたのだ、今まで調味料無しで肉を焼いたり果物をカットしたり程度だったのだが、これによって料理の幅が一気に広がった。


メイリアは俺たちがゴブリン・キングの部屋から手に入れた食材を手際よく使っていきどんどんと料理を作っていく、完全にメイリアのスピードに置き去りにされた俺たちは食材を切ったり鍋に火をかけたりとメイリアのサポートに集中していた。


ミール達が言うようにメイリアがいるおかげで食事面が充実するな…


そうして彼らのテントの設営も終わり、こちらも料理を作り終え、俺たちは食事にすることにした。

読んでいただきありがとうございました。


誤字・脱字指摘していただけるとありがたいです。


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