第二十話~戦いの後のご褒美~
見に来ていただきありがとうございます。
投稿する時間帯がバラバラなので投稿する時間を探っているのですがここだ!というのが決まりません(泣)
「た、倒したんですか…?」
「ああ、そうみたいだな…」
倒れ伏したゴブリン・キングはいつまで経っても動く気配がない。あれだけの攻撃を加えられて生きている方がおかしいだろう。
「一応念のため首を落としておこう、こいつの生命力なら起き上がって攻撃してくる可能性もある。」
「そ、そうですね。今の体力でまた戦いたくはありませんし…」
俺は落ちている剣を拾い上げ、ゴブリン・キングの首を真っ二つに斬り落とした。これで再び動き出すことはないだろう。
「しばらく休憩したらこいつが出てきた扉がある部屋を探索しよう。残る部屋もそこだけだしな。」
「もうMPもすっからかんです。」
「俺の方もかなり危なかったな残りのMPも10を切っているし。」
そうして俺たちは戦闘での疲れを癒すべく、寄り添いながら心を落ち着かせていた。互いのMPがある程度回復すると灯の『ヒール』によって互いの傷を治した。
「もう、お兄さんは私にお説教をされる前に怒られるようなことをするんですから、いいですか、お兄さんの体はもうお兄さんだけのものではないのです。お兄さんがいなくなったら残された私はどうすればいいんですか?」
「ごめんよ、でも灯を守るためにはどうしてもああするしかなかったし、こうしてお互い生き残れたんだからいいじゃないか。」
「はぁ…お兄さん、生き残ればけがをいくらでもしていいなんて訳ではないんですよ?私がどれほど心配したことか…」
「まあまあ、灯なら俺がどれだけ傷を負っても治してくれるんだろ?」
「もう…」
灯は少しそっぽを向いて少し照れくさそうにするとこちらを向き直し、話題を変えてきた。
「それより、ゴブリン・キングが最初に居た部屋ってどうなってるんですかね?早く見に行きましょうよ!」
灯はそういうとゴブリン・キングが出てきた扉の方へ小走りで向かっていった。
「ちょっと!【探知】に反応がないからって罠とかがないわけじゃないんだぞ!」
扉へ向かっていった灯を追いかけ、扉へと近づいていく。
「それにしても、すっごい大きな扉ですね…普通のゴブリンにこんな扉開けられるんですかね…?」
「ゴブリン・キング専用部屋ってことなんだろうな、他の手下が入って来れないようにしていたんだろう。」
俺たちはゴブリン・キングが出てくるときに開けたドアをくぐり部屋の中へと入っていった。
そこはゴブリン・キングの寝床だったのだろう、奥には藁なんかを敷き詰めたベッドに周りには肉や果物なんかが置いてあり他にも酒樽のようなものまで置いてあった。
「すごいですね…これだけの量の食料があれば中に居たゴブリン達も毒入りの食料を食べずに済んだのではないでしょうか…?」
「明らかにここらへんでは見かけない食べ物ばかりだし、ゴブリン達に酒造りの知識なんてある訳がないだろうし、ここまでの進行で酒を造っているような場所なんてなかったのに…」
そうして何故ゴブリン・キングの部屋にこんなものがあるのかと疑問を抱きつつも、他に何かないかと探しているとゴブリン・キングの寝床の奥の壁に何か隙間のようなものがあるのを【探知】で発見した。
俺はその隙間の場所に近づき、壁にある四角く壁が切り離された後のようなところを押すと、壁の一部が外れ中から見覚えのある石が出てきた。
「これは…」
「もしかして、ダンジョンコアですか?」
そう、そこにあったのは俺たちが湖で見つけ、今は拠点に置いてあるはずのダンジョンコアだった。
しかし、そこにはあるのは間違いなく俺たちの拠点と同じダンジョンコアだった。
「どうしてこんなところに…」
「ここもダンジョンだったということなんだろうか?だとしたら説明がつく、ここにある食料や酒なんかにも。」
そうして俺たちはダンジョンコアに触れると、最初に触れたときに出た懐かしい機械音声のような声が聞こえた。
『当ダンジョンのダンジョンマスターの消滅を確認、他ダンジョンマスターの接触を確認ダンジョンの統合を開始します。』
「うおっ!」「きゃっ」
ダンジョンコアは俺たちが最初に触れたときのように光を発し、その光が収まると再び反応はなくなった。
「統合ってどういうことでしょうか?」
「さあ、このダンジョンコアが俺たちのものになったってことだろうか?」
いつものようにダンジョンコアを起動するとメニューが表示された。
『名称未定ダンジョン』
DLv.5 (230/1000)
DUR 7000/7000
DMP 700/700
DP 34/300
PL 2
所持ダンジョンコア数 2
前回ダンジョンコアを見たときから魔石を与えていないのでレベルが上がるはずがないのだが、今見るとレベルが3から5まで成長し、DPも増えている。
「でもこのゴブリンの巣にはあれだけのゴブリンが居たのにDPの増えている量が少なくないですか?」
「確かにな…この洞窟の拡張に使っていたとしてももう十分拡大した後にも見えるしどうしてなんだろうか…?」
「もしかしてですけど、一日で貯まったほとんどのDPをここにある食料に使っていたとかですか…?」
「あ~…」
「もしかしてあのゴブリン・キングが途中から参戦してきた理由ってお酒の飲みすぎで酔って寝ていたとか…?」
「そんな気がするな…」
最初からゴブリン・キング出張ってきてたらもっと厳しい戦闘になったかもな…」
ゴブリン・キングが私利私欲のためではなく、もっとダンジョンを強化するためにダンジョンを利用していたらなかなか恐ろしいことになっていたかもな…
「でもダンジョンに罠なんか設置してもゴブリン達が先に踏み抜きそうですよね~」
「ゴブリンならありえそうだな、なら繁殖のために食料なんかを増やす方が一番よかったのかもしてないな…」
数が多いことはシンプルに強みになる、強敵が来ても数で押し切ればいいんだしな。
「探索もこれで粗方し切っただろうし、ここの食料とゴブリン達からの魔石を回収したら拠点に戻ろうか、早く拠点に戻って眠りたいな。」
「そうですね、もうへとへとです…」
そうして俺たちは、撤収の準備を始めた。
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