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第十九話~ボス攻略~

見に来ていただきありがとうございます。

灯がこちらへ合流したおかげで召喚されるゴブリンの対処に余裕を持つことができ、ゴブリン・キングへの攻撃にも時間を割くことができるようになった。


「灯は周りのゴブリンを優先してくれ!」


灯の『ファイアウェーブ』によって俺の前に火の波が生成し、障害となるゴブリンを消し炭にしていく。


留まることなく前に進み、ゴブリン・キングへと攻撃を仕掛けに行く。正面からでは奴の大剣の防御を突破して攻撃を当てることはできない。なんとしてでも奴の攻撃を避け一撃を打ち込まなければならない。


ゴブリン・キングは衝撃波を放つほどの余裕はなく、袈裟斬りによって俺に攻撃を仕掛けてくる。俺はその攻撃を奴の横腹に斬撃を叩き込む。


「『連撃』!」


4つの斬撃がゴブリン・キングの腹に叩き込まれると。ゴブリン・キングの脇腹を切り裂きながら血を噴出させた。


ゴブリン・キングは少し苦しみの悲鳴を上げると地面に刺さった大剣を抜きながらこちらへと振り回してくる。


剣でゴブリン・キングの攻撃を受け流すと、こちらを向いたゴブリン・キングの背中に5本の火の矢が刺さり、さらには遅れて1本の火の槍が突き刺さる。


コブリン・キングは背中を焼かれたことで苦悶の叫びを上げ、己に魔法を当てた灯を見据えると雄叫びを上げながら灯の方へ突進していく。


灯がゴブリン・キングと接近戦を行うのはまずい、ステータスで負けている状態近接用のスキルを持っていない灯ではもろに攻撃を食らってしまう可能性が高い。


「灯、飛んで攻撃を避けることにだけ集中しろ!」


灯は飛んでゴブリン・キングから逃げるように立ち回ろうとするが、ここは洞窟の中、高さを稼げない。ゴブリン・キングの巨体をもってしては灯の【飛行】を用いても一方的に攻撃を行うことができない。


灯の方へ向かうゴブリン・キングに追いつくべく周りにいる雑兵を斬り捨て、【狼化】を発動して一気にゴブリン・キングを追いかける。


【狼化】によるDEXの上昇を用いても離された距離を詰め切ることができない。灯の牽制としての魔法を食らいながらも全く怯むことなく灯へと直進し、大剣を振り上げた。


振り上げた大剣は灯の足を掠めながらも灯は深手になる前に躱すことができた。


灯に攻撃した隙をついて、俺は背後から渾身の一撃を加える。【ためる】を使用し体を回転させながら勢いを付けた足蹴りをお見舞いする。


ゴブリン・キングは悶絶しながらその場にうずくまる。


「灯!このまま押し切るぞ!」


「はい!」


ゴブリン・キングはうずくまりながもその場にゴブリンを召喚する。時間稼ぎのためだろうかこれまでで一番の量のゴブリンを召喚する。


しかし、量を優先させたせいか、その分1匹ごとの能力は高くなくゴブリン・キングごと『ファイアウェーブ』によってその体を燃やされていく。


周りのゴブリンが居なくなり、ゴブリン・キングに直接攻撃を加えようとするが、その前に立ち上がったゴブリン・キングは最後の力を振り絞り大剣を天に掲げる。


「衝撃波が来る!」


俺たちは衝撃波から逃れるために全力で回避に移る、弾け飛んだ瓦礫にぶつからないよう衝撃から距離を取るとゴブリン・キングは持っている大剣を放りなげ、素手で俺に向かい突進してくる。大剣を捨てた分速度を上げたゴブリン・キングは俺にのしかかりその巨体をもって押し潰そうとしてくる。


体がゴブリン・キングの圧倒的な質量によって筋肉が壊れ、骨が軋む。


体中から血が溢れてくるの痛みに耐えながらゴブリン・キングとの力比べをしていると、ゴブリン・キングの背後に灯が『ファイアランス』を叩き込む、1発、2発、3発と火の槍を叩き込み続けると流石の苦痛にこちらにかける力が一瞬弱まった。


その一瞬の隙を見逃さず俺はゴブリン・キングの巨体を蹴り上げ、空いた隙間から抜け出し、地面に顔をぶつけたゴブリン・キングへ向け最後の一撃を放つため構えを取る。


『ためる』を使用し、全身に力を籠めるそのまま両腕を振り上げ握り締めた拳をゴブリン・キングの首に向け振り下ろす。


俺が振り下ろす、その瞬間灯の放った5本の『ファイアランス』がゴブリン・キング目掛けて飛んでくる。


俺の拳と灯の槍、二つの攻撃が同時にゴブリン・キングへと襲い掛かり、その攻撃を受けたゴブリン・キングは短い悲鳴を上げると、地面に倒れ伏したまま動かなくなった。



読んでいただきありがとうございました。


誤字・脱字指摘していただけるとありがたいです。


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