第十八話~小鬼の王~
見に来ていただきありがとうございます。
最近、友人に誘われ麻雀を始めましたが奥が深く執筆の方が疎かになってしまっています。
緑の巨人は俺たちを見据え、雄叫びを上げると周りからゴブリンが湧き出してきた。
「お兄さん!あいつの名前はゴブリン・キング!レベルは17!私たちよりも高レベルです!」
レベル17、今の俺たちが今のゴブリンとの戦闘によって数レベル上がっているとはいえそれでも追いつかないほどのレベルをしている。
「あいつの注意は俺が引き付ける!そのうちに灯は他のゴブリンの一掃に集中してくれ!」
「わかりました!」
灯ならゴブリン・キング以外のゴブリンなら余裕を持って対処できるだろうが、あいつだけはヤバい。
魔法型の灯では近距離に来たら攻撃を躱すだけでも精一杯になってしまう。俺があいつのヘイトを稼ぎ、灯が攻撃されないようにしなければいけない。
俺は、ゴブリン・キングへと一直線に向かい、途中の障害となるゴブリンを薙ぎ倒しながら最高速で向かう。
ゴブリン・キングとの衝突する直前、今俺にできる最強の一撃を放つために剣を構える。『ためる』を使用しながら『連撃』を撃つ。
同時、四連撃がゴブリン・キングを襲うが、ゴブリン・キングが大剣を俺に振り下ろすと連撃とぶつかり激しく火花を散らしながら相殺した。
この技を真正面から受け捌ききれるとは、流石は格上、一筋縄ではいかなそうだ。
ゴブリン・キングは俺の攻撃を捌くと大剣を再び上に持ち上げこちらに斬りかかってくる。
俺はその攻撃を横に跳びことで回避し、空いた横腹に『スラッシュ』を叩き込む。しかし、ゴブリン・キングにはあまり大きなダメージにはなっていないようだ。
ゴブリン・キングは少しよろめいた程度で再びこちらを見据えると追撃を加えるべく攻撃をしてくる。
さらには召喚したゴブリン達も各々の武器を構え突撃してくる。
俺は、ゴブリン・キングの攻撃を避けることに集中し迫りくるゴブリン達を『スラッシュ』で弾き飛ばす。
灯を横目で確認すると一方的に攻撃できてはいるが弓持ちのゴブリンを守るように立ち回られ、攻めあぐねているようだ。
灯の方へ注意を割いている隙にゴブリン・キングは大剣を頭上に構えている。まだこちらとの距離があるのにどうしてと考えているとゴブリン・キングは雄叫びを上げながら一気に大剣を振り下ろした。
大剣が地面に振り下ろされると地面を砕きながらこちらに斬撃が飛んできた。斬撃はゴブリン達を巻き込みながら向かってくる。
斬撃をギリギリのところで避けたが砕け散った、礫が俺の体にあたり吹き飛ばされる。
そのまま壁にぶつかると、ゴブリン・キングは嘲笑うかのように鳴き声を上げると再び大剣を振り上げ先ほどの攻撃を繰り出してきた。
1発目よりも距離が開いているおかげで攻撃を食らう前に躱すことができたがそれでも防戦一方なのは変わらない。
奴は召喚したゴブリンをこちらに突撃させ、盾にしながらこちらに攻撃してくる。
レベルは17、MP切れを狙うにも敵の消費とこちらの回復では間違いなくこちらが負けるだろう。なんとかして『ためる』と『連撃』を直撃させる必要がある。
灯がこちらに参戦するまでひたすら耐えきるしかない。
ゴブリン・キングの召喚によってゴブリンは無尽蔵に湧き続ける、召喚されるよりも多くのゴブリンを倒さなければ押し負けてしまう。
ゴブリン・キングから来る衝撃波を躱しつつゴブリンを減らし続ける。防御だけではなく攻撃も行わなければならない状況のため、躱し切れずに何度かゴブリンの攻撃を食らってしまう。
この世界に来てからまともにダメージを食らうのはこれが2度目、泣き出しそうな痛みを食らうがここで俺が倒れてしまっては灯までやられてしまう。それだけは何があっても避けなければならない。
唇を噛み締め、血の味を感じながら俺は戦闘を続ける。
ゴブリン・キングも召喚をし続けることは消費するMPも馬鹿にできないのか、大剣による衝撃波をメインにしゴブリン達も無駄死にを避けるためか自分の周りで待機させ、弓や投石による援護射撃のみに集中させている。
攻撃の数こそ減ってはいるが、その分こちらの行動先を読んで攻撃を放つので厄介さはあまり変わらない。
ゴブリンがコブリン・キングの周りにいるせいでこちらから攻撃を仕掛け辛くなっている。
避けることにだけ集中する、それだけのことだが神経を今までで一番使う。ゴブリン・キングの攻撃にばかり集中していると、側近の1匹の矢が足を掠めた。
痛みに一瞬怯んだ隙に、ゴブリン・キングが衝撃波飛ばしてきた。
剣で衝撃を受け止めはできたが、吹き飛ばされ思い切り壁にぶつかった。
口から血を吐きだし、体中は打撲まみれ、流石にこれはまずい。
ゴブリン・キングがトドメを刺そうと大剣を大きく振り上げようとすると、火の槍がゴブリン・キングに突き刺さりそれによりゴブリン・キングはよろけて剣を落としてしまった。
「お兄さん!」
灯がゴブリンの掃討を終わらせて駆けつけてくれたみたいだ、あれだけの数をこの短時間で全て倒し切るとは灯も大きく成長したんだな…
そんなおやじ臭いことを考えていると暖かい光に包まれ、体の傷が消えていく。
灯の【回復魔法】によって立ち上がれるようになった俺は再びゴブリン・キングへと戦うために剣を構える。
「ありがとう、灯助かったよ。」
「お兄さんは何度私を心配させれば気がするんですか?これが終わったら話し合いをしなければいけないようですね。」
「お説教は優しくして欲しいな…」
「それはお兄さんのこれからの態度次第です。」
「それじゃあお説教を受けるためにもこいつを倒さないとな。」
「そうですね、援護は任してください!」
俺たちは落とした大剣を拾い上げたゴブリン・キングを倒すために行動を開始した。
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