第十七話~ゴブリン洞窟攻略~
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俺たちはゴブリンが根城としている洞窟に侵入を開始した。
「入り口から隈なく探索していこう、ゴブリンを生き残らせて背後から挟撃されるのだけは防ぎたい。」
「わかりました!」
入ってからは常に【探知】を使用しながら進んでいるが、数えきれないくらいの反応が出ている。これは何百体もいるだろうな。毒でどのくらいの数が戦闘不能になっているかどうか…
洞窟は下に続いており、蟻の巣のようにいくつもの部屋があり、地下に行くほどその数は増えているように感じる。
反応がある部屋を虱潰しに回っていくとゴブリンは毒の効果が効いているのかすやすやと眠っているか麻痺毒で痺れて動けなくなっているかと楽に倒すことができた。
「この調子ならすぐに巣の制圧も終わりそうですね。」
「だが、すべてのゴブリンが眠っている訳ではないだろう。これだけの数がいると毒入り飯を食べてないやつもいるだろうし、気を抜いて奇襲されたらたまったもんじゃない。」
「ここは敵の本拠地ですし、気は抜けませんね。」
そうしてゴブリンの巣をどんどん制圧していき、途中何度か動けるゴブリンと戦闘があったが少数のゴブリンでは今の俺たちの敵ではなく、瞬殺し先に進んだ。
レベルは11へと上がった。ここで嬉しい誤算があった。レベル10まではレベルが上がってもSPは10しか上がらなかったのがレベル10から11ではSPが50増えたことだ。
レベルアップでSPが10ずつしか上がらなかったらよりレベルの高いスキルを獲得するためには途方もない時間がかかるかもしれないと思ったがレベルアップによる貰えるSPが増えたのは非常に大きい。
これのおかげで俺と灯は一気にスキルレベルを上げることができた。
灯は【初級火魔法】をlv.5へそれにより【初級火魔法】はlv.Max表示となり、【中級火魔法】のスキルが解禁された。その上、【火の道を歩みし者】の称号を獲得しこれにより火魔法の火力の増加、MP消費軽減と便利な称号だ。
さらに、【MP強化】のスキルを獲得し魔法をメインウェポンとして戦う上での弱点を補った。
俺も【MP強化】と【MP回復速度強化】を取得しより自由にMPを使えるようにした。
そしてさらなる力を身に着けた俺たちは勢いを増して洞窟の制圧を続行した。進行していくと他の部屋よりもひと際大きい部屋を発見した。
「中からこれまでにないくらいの数のゴブリンの群れが見える。動いている反応もある、気を引き締めていこう。」
そうして、扉を開くとそこには今までで一番の大きさの部屋だった。
そこは食堂のような部屋だった。部屋の中央にはテーブルが並んでおり、そこには俺たちが毒を仕込んだ魔物だろうか、多くの毒入り食料が並んでおり、ゴブリン達が我先にと食事にありつこうとしていた。
周りにはすでに毒入りの食料を食らい、すでに眠っていたり、動けなくなっていたりしているが周りのゴブリンは気にせずに食事を摂取しようとしている。
「どうして周りを気にせずに食事をしようとしているんですか…?」
「わからない、俺たちにすら目を向けていないし。」
相当な飢餓状態にあるのか…?あまりにも異常な光景に俺たちが呆然としているとようやく1匹のゴブリンがこちらに視線を向け大きな鳴き声を上げた。
その声に釣られて他のゴブリンもこちらを見ると一斉に鳴き声を上げて、こちらに突撃してきた。さらには寝ているゴブリンも起き上がってきた。
「まずい!一気に来るぞ!」
「この数はやばそうです!」
「俺が前であいつらが来るのを防ぐから灯は魔法で少しでも数を減らしてくれ!」
俺は一番前で突撃してきているゴブリンに備え【ためる】を使用し、【剣術】をレベルアップさせたことによって新たに習得した技を使う。
「『連撃』」
こちらに跳びかかってきた十数体のゴブリンは4つの斬撃のもの一瞬にして断ち切られた。
スキルレベル分の斬撃を一撃で放つというスキルだがlv.4の段階でこれだけの性能を誇るとは。
「灯!」
「任せてください!『ファイアウェーブ』!」
灯は【初級火魔法】をlv.Maxにしたことにより二つの魔法を習得した。
1つは『ファイアウェーブ』火の波を生成し、広範囲を一度に攻撃できるスキルだ、その分威力は落ちるが数を相手するならもってこいの魔法だ。
そしてもう一つのスキルというのが…
「『ファイアランス』」
灯の前に現れた1本の槍は前に進むと1匹のゴブリンに刺さった後、留まることなく後方で弓を構えたゴブリンにまで槍は貫通していった。
「MPが切れる前に倒し切るぞ!灯は後方の遠距離持ちを優先してくれ!」
「わかりました!」
そこからはMPの消費を気にしつつ、広範囲攻撃を用いゴブリンの数を減らしていく。
一方的な蹂躙になっていくかと思われたとき食堂の奥、7mほどもある大きな扉が開くのを感じた。
【探知】でそちらに反応があるのは感じたがゴブリンの寝床だとでも思っていた。どうやら何か別のものが居たみたいだ。
「灯!奥からなんかが来るぞ気を付けろ!」
「はい!」
扉が開くとそこには体長5mほどのゴブリンとはかけ離れた巨体、手にはその身の丈と同じほどの大剣を手にした緑の巨人が居た。
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