第十六話~掃討のための準備~
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翌日、日が昇る少し前に目を覚ました俺たちはゴブリン達に効率よく毒を回らせるための準備のため、俺たちはゴブリンの巣周辺の魔物を狩っていた。
狩った魔物は灯の【ダンジョン輸送】によって拠点のダンジョンコアへと転送していく。レベルアップにより大きい物も運べるようになったので小さくしないと送れなかった、ファングボアなんてのも【解体】を行わずに運ぶことができるようになった。
これによって探索中に魔物の死体を小さくする手間が省けより多くの時間探索を行うことができた。
どうしてゴブリンの巣周辺の魔物を狩っているかというと、それはゴブリンが早い段階で狩りを終えるのを防ぎ、毒の回っていない食料を食べさせないようにするためだ。
一度に多くのゴブリンに毒を盛るためには、同じ時間に獲物を発見し巣に持って帰ってもらう必要がある。
そのためには朝からゴブリン達が狩ろうとする魔物を先回りで1匹でも多く潰しておき、日が沈み始める少し前に毒入りの獲物を巣の周りに配置し、それをゴブリン達に持って行かせたい。
「まだゴブリン達は動き出していないし、早いところここら辺の魔物はある程度狩りつくしたいな。」
「巣の周りはゴブリンが普段狩っているせいか、あまり魔物が居ませんね…」
「このままだったらゴブリンが行動領域を広げるのもそう遅くないだろうな…」
後数日放置するだけでゴブリン達は一気に俺たちの拠点の方へ近づいてくるだろうし早いところゴブリンの巣掃討を終わらせたい。
「ひとまず、ここら辺の魔物も狩り尽くしたし、次の場所へ行こう。」
そうして俺たちはゴブリンの巣周辺の魔物狩りをしていき、もう巣周辺の魔物を狩りつくしたと判断し、拠点で毒を仕込むために一度帰還した。
「とりあえずはこいつらに毒を浸み込ませるとするか。」
「結構量もありますし大変そうですね~。」
「昨日、調べた濃度の睡眠薬を魔物に切り口を広げて流すのと一応口からも入れて染み渡らせるようにしよう。」
「じゃあ私は毒の作製をやっていきますね!」
睡眠薬を始め、麻痺毒、通常の毒などを魔物を軽く切り、そこから流し込む。念のため、口から胃にも流し込み満遍なく肉に毒が触れるようにする。
そうして数時間ほど作業を続けた俺たちは全ての肉に毒を浸み込ませ終えた。
「これだけあれば、巣にいるすべてのゴブリンに毒を行き渡らせることができそうですね。」
「後はこの肉をどう運ぶかですね…」
「それについてはこいつを使おうと思っている。」
俺は簡易的な祭壇の上に置いてあるダンジョンコアを持ってきた。
「俺がゴブリンの巣周辺を回るから灯は俺が出てしばらくしたら【ダンジョン輸送】のスキルを使って俺の床に毒入りの魔物の死体を送ってきて欲しいんだ。」
「でもそんなうまくいきますかね?」
「転送する回数を2回に絞り、スキルを使用する回数を減らせば何とかなるだろう。あいつらも今頃は食料を手に入れられず焦り始めるころだし、そんなときに大量の食料がおいてあったら何も考えずに持って帰るだろう。」
じゃあ移動も考えるとあまり時間も残されてないし俺は出発するから時間がたったら送ってきてくれ。
俺は【狼化】を使いゴブリンの巣まで一気に駆け抜けていく、灯が【ダンジョン輸送】を使い毒入りの肉を送り込んでくるまでに転送できる場所まで移動しなければならない。
ゴブリンの巣周辺に到着すると複数の魔物が移動し続けているのを感知した。
おそらく獲物が取れないので焦って探しているのだろう。
もうそろそろ灯が転送してくるだろうし、このゴブリン達の移動先にまずは待機しておこう。
そうしてゴブリン達の進行方向から距離を離した場所で十数分ほど待っていると、灯から【ダンジョン輸送】で毒入り魔物が送られてきた。
魔物の死体を置き、ゴブリン達に気づかれないように木の上に隠れつつ観察していると、ゴブリン達は魔物に気づき鳴き声を上げながら近づくとこの人数では一度に全てを運べないことに気づき見張りに数体を残し他のゴブリンは仲間を呼びに行ったみたいだ。
これなら全ての肉を巣に運び込んでくれるだろう。
俺はもう半分の肉が転送されてくるのに備えるために、ここから離れ他の場所で獲物の調達をしているゴブリンの集団へと向かっていった。
2回目の転送も無事終わり、巣へ運び込んだのを確認したのち、灯をこちらへ連れてくるために拠点へ戻った。
「おかえりなさい!うまくいきましたか?」
「ああ、ゴブリン達は巣に毒入りの食料を運び込んでくれたしそろそろ食事を始めるころ合いだろうから早いとこゴブリンの巣へ向かおう。」
そして灯を背に乗せて再びゴブリンの巣へ戻ると入り口には見張りと思われるゴブリンが2体立っている。
「でもどうやって中のゴブリン達に毒の効果が出たことを確認しましょう?」
「肉を拠点に持って帰ってからずいぶん時間も経っているしそろそろ頃合いだと思うんだがな…」
俺たちが突入の頃合いを見計らっていると、見張りに立っているゴブリンが苛立ち始めた。
「どうしてあのゴブリンは怒っているんでしょうか?」
どうしてあのゴブリンは怒り始めた?何か原因があるのだろうか…?
「もしかしたら、見張りの交代がいつまで経っても来ないんじゃないだろうか。飯も碌に食えていない状態でずっと待たされているとかか?」
「でしたら中にいるゴブリンに毒が効き始めてみんな寝ちゃってるんじゃないでしょうか?」
「だとしたら今が突入のタイミングだ。いくぞ。」
「はい!」
見張りに立っているゴブリン達に一気に近づき、剣で斬りかかるとゴブリンは鳴き声を上げ倒れ伏した。
「洞窟内では【飛行】もうまく使えないだろうからなるべく灯は俺の後ろにいてくれ!」
「わかりました!お兄さんの背中は任せて下さい!」
俺たちはゴブリンの巣掃討のため洞窟内へと歩を進めた。
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