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第十五話~作戦会議と検証~

見に来ていただきありがとうございます。

コブリンの大量発生の原因調査を終えた俺たちは作戦を練るために拠点へと帰還していた。


「でもどうやって洞窟を制圧しましょうかね?」


「あの洞窟がどれほどの大きさかはわからないが外にあれだけの数のゴブリンが居たと考えると中はその倍以上いてもおかしくないからな。」


500体を超える数のゴブリンが居ると仮定するなら俺たち二人では掃討しきる前に俺たちのMPが切れてしまう。


なんとかして突入する前に数を減らせればいいのだが。


「外に狩りへ出てきたゴブリンを地道に減らしていくとかでしょうか?」


「それもいいと思うがどうしても時間がかかってしまうのと流石に外に狩りに出たゴブリンが何日も続けて帰ってこなくなれば洞窟の中にいる仲間に勘付かれれば警戒を強めてしまうしな。」


「う~ん、なかなかいいアイデアが浮かびませんね。」


「俺と灯にもっと多くの敵を一度に攻撃できるようなスキルがあれば正面から一気に攻勢にでることもできるんだがな…」


「スキルレベルを上げるために必要なSPもどんどん増えていますし、レベルアップ以外に現状ではSPの獲得方法が見つかっていませんしね…」


今日のゴブリンとの連戦でレベルが1つ上がったのだが灯は温存の方向だ。なるべく早く【初級火魔法】をlv.5にあげておきたい。


俺は【剣術】か【格闘術】のレベルを上げたいがどちらも優秀だから迷う。【剣術】を上げたほうがゴブリンを多数相手取っても距離を保ちながら一方的な蹂躙ができるのだが、【狼化】使用時は【格闘術】を多く使うので洞窟の中にいるかもしれない強敵相手ではこちらの方が役に立ってくれるだろう。


洞窟内では序盤は通常のゴブリンを相手取るだろうし【剣術】を上げておくか…


俺は【剣術】をlv.4にしておいた。


「しかし、二人で数も未知数な相手に勝負を挑むのはやはり難しいな、こちらの方がスキルなどのアドバンテージがあるとはいえ…」


「食事に毒を仕込むとかできたら一気に一網打尽できそうなんですけど…」


結構えげつないことを思いつくな灯は…だが、それなら不可能ではなさそうだな。


「もしかしたらできるかもしれない。ゴブリン達は昼間は狩りに出かけているし、そこの獲物を先に俺たちが仕留め毒を仕込めればあいつらは毒なんて思わずに拠点に持って帰りそうだ。」


「それなら気づかれることなく、毒を仕込めそうですけどそれを食べて以上に気づかれたら毒の入った食事を避けそうですね…」


「そのための準備は色々しないといけないだろうな。入れる毒も普通の毒だったり麻痺毒、睡眠薬なんてのもいいと思う。」


「睡眠薬をメインにした方が異変には気づかれなさそうですね。」


「ああ、毒はそれほど濃くせずに薄めることで効力がでるのを遅らせたほうが効き始めるまでにより多くの毒をまくことができる。」


効力を調べるためにはある程度検証する必要があるな…


「一応今までの探索で集めた薬草なんかがあるので毒の作製は問題なさそうですね。」


試しに睡眠草というのを磨り潰し、水で溶かしたものを灯が【鑑定】で調べたところ。


睡眠(極小)を与えるというものだった。


「流石に【鑑定】のレベルが低いのもあって効果がどのくらいで効くかはわかりませんね。」


やっぱりどれくらいで効くかは個体差もあるし簡単にはわからないだろうな…


「俺が試しに使ってみるか…」


「えぇ!?危ないですよお兄さん!」


「でも睡眠程度なら命の危険もないし、灯も【解毒魔法】の効果を試すなら丁度いいんじゃないか…?」


「でも…」


「心配してくれてありがとう、でもこれもゴブリンの巣を制圧するためには必要なことだから。」


そういい灯の頭を撫でていると灯はこちらに顔を上げた。


「もう、今回はいいですけどあまり危ないことはやめてくださいよ。」


「ああ、灯を守るために俺はもっと長生きしないといけないからな。」


「そうですよ、お兄さんは私が死ぬまでずっと一緒に居なきゃいけないんですからね。」


「灯の方が9歳も若いしそれは頑張らないとな。」


この世界、気を抜けばいつ死ぬかわからない世界だし、寿命を全うして死ねるかもわからないがせめて灯だけはこの世界を平和にした後好きな人と結婚して幸せに暮らして欲しいな。


「よし!じゃあ今日は早いとこ検証と準備を終わらして、明日に備えて寝よう。」


そして俺たちは毒の遅効性を確かめるために、睡眠草を磨り潰したものをいくつか濃度を変え水に溶かし睡眠薬を作製した。


ひとまず濃いものから順に使っていると、早いものでは5分ほどで効き始め、薄めていくと10分、30分と遅くなっていった。最後のものは30分以上かかるだろうということで先に食事を済ませようとここ数日お馴染みとなっている肉とベリーなどを一緒に炒めたものと少量の果物を食べている時に効果が効き始め眠ってしまった。


顔に何かが触れたのを感じ起き上がると灯がこちらを覗き込んでいた。


「もう、食事中にいきなり倒れちゃうんですから睡眠薬のことを忘れててびっくりしちゃいましたよ。」


「あぁ、ごめん。でも睡眠薬がどのくらいで効き始めるかもわかったしこれなら明日の作戦もうまくいきそうだ。」


「それならよかったです。じゃあ食事の続きをしましょう!」


そして俺たちは食事を終え、明日の準備を完了させた。明日は朝早くから準備をしていかなければいけないので俺たちは早めに就寝に就くことにした。











読んでいただきありがとうございました。


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