第十三話~経過報告と新たな予感~
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あれから俺たちは十日ほど森林探索と拠点整備をしながら過ごしていた。
基本は灯の魔法で先制攻撃を仕掛け、油断したところを俺が『ためる』を使用した状態で『スラッシュ』を発動するのを基本とした。
そうしてレベルアップとスキルの獲得を繰り返し俺たちは森林探索も安定して行うことができた。
森林探索初日で遭遇したファング・ボアとも数度の戦闘を行ったが今ではスムーズに狩ることができている。
俺たちはステータス画面を見ながら次はどのスキルを成長させるかについて話し合っていた。
菊野 灯(15) Lv.8
HP121/121
MP110/110
STR 28
MGP 55
INT 38
AGI 30
DEX 27
DEF 21
SP23
≪スキル一覧≫
【読書lv.2】【算術lv.4】【絵画lv.3】【初級火魔法lv.4】【初級水魔法lv.1】【家事魔法lv.1】
【回復魔法lv.2】【解毒魔法lv.1】【鑑定lv.2】【ダンジョン輸送lv.2】
≪種族スキル≫
【飛行lv.2】
≪称号≫
【転生者】
神谷達也(24) Lv.8
HP 175/175
MP 63/63
STR 61(+30)
MGP 30
INT 39
AGI 50
DEX 61(+30)
DEF 48
SP14
≪スキル一覧≫
【算術lv.8】【疾走lv.1】【持久力lv.2】【格闘術lv.3】
【道具作製lv.2】【解体lv.2】【隠密lv.2】【探知lv.3】【剣術lv.3】
≪種族スキル≫
【嗅覚lv.1】【狼化lv.2】
≪称号≫
【転生者】
俺も灯もレベルは8にまで上昇し溜まったSPを消費して灯は【初級火魔法】含む4つのスキルレベルをあげた。lv.4からlv.5にするためにはSPが50必要になるので現段階ではレベルを上げるのを見送っている状態だ。
俺は【剣術】【格闘術】【探知】をlv.3に、【道具作製】【隠密】をlv.2にし幅広くスキルを成長させた。
≪種族スキル≫に分類されるものはスキル獲得からのレベル上げができないようだが、継続的に使用することでスキルレベルが上がっていくようだ。
今回攻撃系のスキルのレベルアップでは、新たな技の習得はできなかった。だが灯の【初級火魔法】はlv.4になったことにより『ファイア』や『ファイアアロー』を一度に複数使用することができるようになった。
これにより図体がでかい魔物に対しても一度に大ダメージを与えることができ、連戦でも安定して戦えることができた。
「SPもある程度あることですし、私は【MP強化】か【MP回復速度強化】のスキルを獲得してより長時間戦えるようにしたいですね。」
どちらのスキルもSP20とlv.1の段階から要求量が多いがその分強力なスキルではあるんだよな。今の森林探索も灯のMPが少なくなる、もしくは日が暮れ始める前に帰るが基本となっている。
灯のMP問題を解決することがイコールでレベルアップにつながると考えればMP関係のスキルを獲得するのは最優先事項と言ってもいい。
俺の方は残りSPが14なのもあり基本は温存の方向だ。次のレベルアップでSPが20を超えるので、ステータス上昇系のスキルを取ることを考えているが、魔法の取得も視野に入れている。俺はMPが灯ほど伸びていないので【MP強化】のスキルは必須になるだろうが遠距離攻撃手段も1つは手にしておきたい。
「探索の時間も段々と伸びてきている、長期戦に備えて【MP回復速度強化】を先に取得しておこう。」
「はい!」
灯は【MP回復速度強化】のスキルを獲得した。
「lv.1の段階でSP20、lv.2にするためにはSP100が必要だと思うとかなりお高い買い物をした気分です…」
「ああ、だがそれに見合った性能はあるからな。」
このスキルのすごいところは休んでいなくてもMPを回復させることができる点だ。おおよそ1分間で1のMPを回復でき、睡眠など精神を休めることで回復速度をさらに強化できる。長期戦にはうってつけのスキルだ。
「これでさらにお兄さんのお役に立ちますね!」
「今まででも十分すぎるほど灯は活躍してくれているよ。」
「えへへ、ありがとうございます。」
「しかし、ダンジョンコアのおかげで生活必需品が手に入るのも嬉しいですね。」
あれから魔物の討伐を続けていた俺たちは手に入れた魔石をダンジョンコアに与え続けていたおかげでダンジョンコアのレベルも3にまで上がった。
『名称未定ダンジョン』
DLv.3 (32/200)
DUR 6000/6000
DMP 600/600
DP 0/150
PL 2
ダンジョンの名称はまだ決まっていない、灯ダンジョンだったり達也ダンジョンだったりいくつか候補が上がったのだがなかなかこれだというものが思い浮かばない。ダンジョンの名称が決まらなくても特に不便はないため今はスルーの方向でいい案が出たらということになった。
DPの上限が上がったのが現段階だと一番ありがたい、このダンジョンに人が来てもDPが上限以上手に入る状況ではもったいなさすぎる。
俺たちはDPを消費して今までのテント生活から小屋生活へとグレードアップし、布団を引いて、睡眠の質の向上をした。その他は、斧とシャベル、灯の欲しいものが3つほど。
そして最後はぼっとんトイレとごみ処理用スライムだ。
今まではお互い気を使いながらだったがトイレを召喚したことにより、外でする心配がなくなった。
仕方がないとは言え、毎日外で行うのは思った以上に恥ずかしい。
ここはお互い何とかしたかったため2名による全会一致で可決した。
【道具作製】のスキルによって簡単な個室を作り周りから見られないようにし、安心して用を足せるようにした。
出た老廃物なんかは生活で出たごみと一緒にスライムに与えれば1日ほどで食べて処理してくれる。
その他には探索で手に入れた材料を使い小屋周辺に簡単な柵の設置をした。
この湖は周りから魔物がやってくることのないオアシスになってはいるがいつ魔物の進行があってもいいよう、柵と扉の設置を行い安全性を高めた。
こうして俺たちは着実とこの世界での生活基盤を築いていた。
そして俺たちは昨日の探索で発生した疑問を解決するべく今日もまた森林探索へと赴くのであった。
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