第十話~連戦と強敵の予感~
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コボルトを倒した場所から離れ周囲を確認し終えた後、レベルアップを終えたステータスの確認を行った。
菊野 灯(15) Lv.2
HP30/30
MP42/50
STR 11
MGP 24
INT 23
AGI 13
DEX 10
DEF 8
SP15
≪スキル一覧≫
【読書lv.2】【算術lv.4】【絵画lv.3】【初級火魔法lv.1】
【回復魔法lv.1】【解毒魔法lv.1】【鑑定lv.1】【ダンジョン輸送lv.1】
≪種族スキル≫
【飛行lv.1】
≪称号≫
【転生者】
神谷達也(24) Lv.2
HP 70/70
MP 16/21
STR 29(+30)
MGP 13
INT 28
AGI 21
DEX 30(+30)
DEF 19
SP15
≪スキル一覧≫
【算術lv.8】【疾走lv.1】【持久力lv.2】【格闘術lv.1】
【道具作製lv.1】【隠密lv.1】【探知lv.1】【剣術lv.1】
≪種族スキル≫
【嗅覚lv.1】【狼化lv.1】
≪称号≫
【転生者】
「ステータスはお互い長所が伸びやすいようですね。」
「あぁだがそれだけが成長するってわけじゃないと思う、俺のINTなんかは一番他に比べると高いステータスだったが今回のレベルアップではあまり伸びていないしな…」
おそらく、単純にレベルアップで一定の数値が伸びるというよりはレベルアップにかかるまでの行動によって伸びるステータスが変わってくるのだろう。
「SPが10も上がっていますよ!レベルアップでSPを入手できるならある程度たまったら使うを繰り返してレベルアップをしやすくした方がいいですかね?」
「あぁ、レベルアップでSPが入手可能ならある程度はためらわずに使った方がいいだろうな…」
「でしたら、魔法のレベルアップをしてもいいですか?遠くから先手を取って攻撃できた方がお兄さんも戦いやすそうでしたし…」
「ああ、灯はそれでいいと思う。俺の方はどうしようかな…3つまでlv.2にできるし【剣術】【探知】あたりは上げときたいが他はどうしような…」
「ここは【格闘術】を上げときますか?剣が使えないなんて場面も多いでしょうし。」
「ならそうしようかな。」
俺は【剣術】【探知】【格闘術】のレベルを上げた。
【探知】はレベルが上がったことにより探知範囲が広がったが、【剣術】と【格闘術】はレベルアップにより新たに技が使えるようになった。
【剣術】では『スラッシュ』、剣を振ることによって数m先に斬撃を飛ばす技、【格闘術】では『ためる』という力を溜めることにより次の攻撃の威力を増加させるというものだった。
試しに木に向かって『ためる』を使いながら『スラッシュ』を使用すると、木に深々と斬撃が入り込み、音を立てながら倒れた。
状況次第では『ためる』を活用したほうがMP消費を抑えつつ大ダメージを与えることができそうだな。
「こっちの方は確認が終わったがそっちはどうだ?」
「はい、【初級火魔法】をlv.2にしたのですが10Pでlv.3にしてみたのですが、lv.2だと魔法の強化みたいなのでしたがlv.3だと『ファイアアロー』というものが使えるみたいですね。」
灯は『ファイアアロー』を使用すると火が矢状に形成され、『ファイア』よりも勢いよく前に進み地面に突き刺さった。
「これなら隠れて狙撃することもやりやすくなりそうですね!」
「あぁ、威力も上がっているし灯も頼もしくなったな。」
「えぇ、お兄さんの援護は任せてください!」
「よし、じゃあまた時間にも余裕があるし森林探索を続けようか。」
そうして俺たちは探索を再開し辺りを進んでいると【探知】に今度は集団の反応があった。
「この先に反応があった、灯の【鑑定】で見てもらいたいし、今度は一緒に行こう。
俺の後ろについてきてくれ。」
「わかりました。」
俺たちはゆっくりと集団にばれないように木や草の陰に隠れながら近づくとそこには緑色の体に頭部に角が生えた身長100㎝ほどの鬼が居た。
(コブリンという魔物みたいですね…レベルは2が2体、lv.3が1体ですね。どうしましょうか?)
(数が俺たちよりも多いが灯の魔法で先制攻撃はできそうだし戦ってみよう。危なくなったらすぐに俺が【狼化】で灯を抱えて逃げれば大丈夫だろう。)
灯にはここにいてもらい、俺は『スラッシュ』射程範囲にゴブリンが入るように近づいた。
灯に手でOKサインを出すと灯が『ファイアアロー』をゴブリンに向かって放った。
ゴブリンは周囲を警戒していたようだが、気づいても『ファイアアロー』の速度に対応できず、ゴブリンのうち一匹は頭を打ち抜かれ息絶えた。
仲間がやられたことに驚いているうちに俺は残り2体のうち1体に『ためる』を使用して『スラッシュ』を放つと、胴体が真っ二つになり動かなくなった。
残り1体、一番強そうなゴブリンはようやく状況を理解したのか、激昂しこちらへと向かってきた。
剣でゴブリンの攻撃を受け流しつつ、ゴブリンの腹に蹴りを入れるとゴブリンはよろめいた。
そこへ待機していた灯が『ファイアアロー』を打ち込みゴブリンは絶命した。
「ありがとう、灯。助かったよ。」
「いえいえ!なんとか勝利しましたけどやっぱりお兄さんが近距離で戦うのはひやひやしますね…」
「ああ、思ったよりも精神的負担が大きいな…」
こういったことはこれから続いていくだろうし、慣れていかないとな。
「私も戦闘に慣れていかないとですね…」
奇襲なんかを受けたときに灯も敵の攻撃に晒される可能性も出てくるだろうしな。
「すぐにとはいかないだろうが、少しずつでもなれていくべきだろうな。」
ひとまずはこの死体の処理を考えないとな、コボルトの時とは違ってあまり食べられそうな感じもしないな…
「そういえば、魔石って魔物のどこにあるんだろうな?」
体の表面には見えないがどこにあるんだろうか…?
「体表にないんでしたら中にあるんですかね?」
「体を解体する必要があるな…」
俺は手に持っている剣を使いゴブリンの体を裂くと心臓部分に石のようなものがあった。
「それが魔石みたいですね。」
「これをダンジョンコアに与えればダンジョンを成長させることができるみたいですね。」
「ああ、なるべく倒した魔物からは魔石の回収だけでもしておきたいな。」
残りの死体からも魔石を回収すると探知にこちらへと走って向かってくる生物を検知した。
「灯!何かがこっちに向かってきてる!【飛行】で木の上に避難してくれ!」
「わ、わかりました!」
灯は翼を広げ急いで木の上に逃げた。
そして灯が安全地帯まで逃げたのを確認し、こちらへ向かってくる何かに向かい剣を構えた。
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