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異世界管理者~世界の管理って神様じゃないんですが?~  作者: 虚繰忌廻
1章 神様誕生?!
3/8

03 最速ゲームオーバー?


「どうしたものか⋯⋯」


あの少女───キリルに転生させられたのは良いが、まさか平原の真ん中で目を覚ますことになるとは⋯⋯。

どこかしらの家の赤ん坊からというお約束なんてことはなかったようだ。


身体つきから察するに16,7歳といったところだろうか。26歳の身体に比べれば全然動きやすい。

見たところ種族は人間、前世との違和感もあまり感じられない。


「そう言えば情報を記憶として伝えるとかなんとか言ってたな」


確かに、知らない情報のはずなのに元から知っていたかのような気持ち悪い感覚がある。この記憶のことだろう。

内容をざっくりまとめるとこうだ。 


世界の規則ワールド・コードを絶対の規則とし、管理者は行動する。

・世界の規則の定める原則は3つ。

 1)管理する世界のルールを構築し、世界の機能を回復させる。

 2)縺薙?隕冗エ??蜑オ荳悶?豕募?縺ョ蝓コ縺ォ謌舌j遶九▽縲

 3)以上に抵触した存在は管理者、または蜑オ荳冶?により断罪される。

・世界のシステムは世界の規則を順守していれば管理者の自由である。


普通に文字化け⋯⋯まぁ脳内でモヤのようになっている感覚なのだが、これではルールなんて構築できないぞ。 因みにこの記憶と共に多分キリルの言葉なんだろうが、「文字化けしている場所は僕も読めないし、多分効力の切れた原則なんじゃないかな。だから気にしないでいいよ☆」とか楽天的な助言が書かれている。

なんて気楽な神様───いやいい加減な管理者なんだろう。その世界で暮らしてた俺って⋯⋯⋯それは流石に失礼か。

 

───ゴ⋯ゴゴゴ⋯⋯⋯ゴゴゴゴゴ!


こんな何もない平和そうな平野に土煙が舞い上がっている場所が見える。明らかに近づくにつれて大きくなっている。

 

「ははは⋯⋯本当に異世界なんだなぁ」


ようやく物陰が見えてきたときは猪?馬?のような四足歩行動物が走っていると思っていた。それがどうしたことか、黒々と3メートル近くはありそうな巨大馬が全力疾走してくる羽目になるのやら。

あの速度だと今からアイツと徒競走なんてしようものなら数秒と待たず追いつかれてお終いだろう。かと言って何かできる力もない。


「何もせず死ぬとか御免被りたい話なんだがな⋯⋯!」


巨大馬と衝突する刹那、横に全力で回避した俺は間一髪で突進を躱す。

あっぶねー、マジで馬の突進が交通事故レベルって頭おかしすぎるだろこの世界⋯⋯。こんなまぐれ回避なんて連続でなんてできないし、体力がきれる方が早いだろうな。なんとか打開策を考えないと。

 

そう思考する間にも巨大馬は再度こっちに狙いを定めて突進してくる。2回目、3回目の突進も回避こそ成功したが、飛び退いたときに足先を掠った。

流石に緊張感はともかく生活習慣の悪さが祟ってきてるな。体力の限界が早い。次が避けれるかさえ危うくなってきた。


「まぁどちらにせよ死ぬ瞬間が前後しているだけで結果を変えられてないんだよな」


その後も火事場の馬鹿力というか粘り強さというか、危うさもあるが回避には成功する。数を重ねるにつれて避けるコツを掴んできて余計な体力を使わない工夫をするようになった。

13回目、いくら慣れてきたとはいえ転生したて、不慣れな身体に環境、そして未知の怪物に襲われるとなると元々多くない体力が底をつきかけ、肉体に疲労がたまる。


「あっ─────」


足がもたれて十分な踏み込みができずに倒れてしまった。

これは死んだな、と瞳をつぶり衝撃に備える。


 





あれ⋯⋯何も来ないんだが。気づく間もなくとかいうパターンだろうか。

そう思い後ろを振り返ると巨大馬が倒れている。電柱よりも太いであろう首に深々と切り傷が刻まれている、致命傷だ。


これで巨大馬に襲われて死ぬというダサすぎる結末はなくなった⋯⋯そう、()()()()()()()()()()()()、だ。

音もなく直径2メートルほどある首に致命傷を与える切り傷をつける「モノ」───少なくとも巨大馬より強い存在であり、人間でもない。




黒く空を覆うかのようなシルエット。一対の翼と黄色の角。そして俺を真紅の双眼で覗くモノ────竜だ。




流石異世界……まさか転生した場所に偶然竜が現れるなんて⋯⋯⋯⋯しかも邪竜とも言われても納得する黒竜だ。

さてどうする。竜と言えば生態系の中で上位存在とかよく言われるが、こいつは避けるとか逃げるとかの概念で考えちゃいけないな。弱者を襲わないとかいう確率にかけて一か八か逃げるべきか。


「おーい!大丈夫かー!」


そんなことを考えていると遠くから男の声と共に馬車のような音が聞こえてくる。

声のした方に振り替えると胸当てをつけ帯剣した金髪の男がこっちに向かってきていた。


まさか人に会えるとは⋯⋯。行く当てもなかった俺にとっては嬉しいことこの上ないが、今は黒竜と対峙している最中だ。仮に男が戦えたとしても負けたら俺も死ぬ。

俺のせいで誰かが死ぬのは勘弁したいな⋯⋯せめて引き返す時間稼ぎでも出来ればいいんだが。


すると黒竜は翼をはためかせ飛び去ってしまった。

俺は数秒呆然とした後、危機が去ったことに安堵しその場に倒れこんだ。

何とか生き延びれた。マジで死ぬかと思った。しかしなんで黒竜は飛び去って行ったんだ?


「おい!大丈夫か!」


馬車から降りて金髪の男が声をかけてくる。


「あぁ、心配ない。ただ緊張が抜けて力が入らないだけだ」


「そうか、安心したぞ。まさか黒龍様と戦おうなんて言う無謀な事をするとは、一体何を考えているんだ?」


「黒竜様?」


「さっきの黒い龍のことだ。ここディアス=オーリア周辺は黒龍様を土地神として崇め慕っているんだ。実際、竜種に勝つことは限られた者だけだし、魔物の抑制にもなるから皆敵対しないってだけなんだがな」


土地神⋯⋯か。確かに巨大馬を一撃で倒すくらいの強さを持つやつに敵対するよりかは共存する方が建設的だな。


「ところでディアス=オーリアってなんだ?」


「狭間の街ディアス=オーリアを知らないのか?すぐ近くにある城砦都市だぞ?」


「実は俺は記憶喪失でな、これまでの記憶がなく気づいたら此処に居たんだ」


「それは災難だったな⋯⋯分かった。俺が町まで案内してやろう。そうと決まれば早く馬車に乗れ、ここら一帯は高レベルの魔物が湧きやすいから危ないんだ」


「分かった、感謝する」


金髪男が優しい奴で良かった。俺が馬車に乗ると金髪男は手綱を握り馬車を走らせる。


それにしても城砦都市か、一体何のための城砦なんだろうか。ここらが平野だから戦争に不利だから、いや魔物の線もあり得るな。

どちらにせよこの世界は命のやり取りが日常的なんだな。俺も巨大馬なんかの魔物に対して逃げるだけじゃだめだ、早急に攻撃手段を覚えないとな。


「見えてきたぞ、あれが狭間の街ディアス=オーリアだ!」


さぁ、やっと異世界管理生活の第一歩だ!

更新間隔滅茶苦茶空いてしまってすみません<m(__)m>

間隔は元々広めで行く予定でしたが今後はこんなには空かずに更新しますのでご容赦を……。

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