01 不思議な少女
ここはどこだろう。
温度を感じない地面に淀みのない空気。白昼夢でも見ているのだろうか。あたりを見渡しても朧気に見えるだけで何も分からない。
「目が覚めたみたいだね」
「!?誰だ!」
霧だった場所から生まれたかのように現れたのはシルバーブロンドの髪に紫色の目を持った中性的な人物。
透明感を持った淡い青の布に白の布を纏った神秘的な服装に思わず息を呑む。
「君は⋯⋯女の子?」
自分でも的を射ない質問をしていることは理解しているが、気になってしまったものは仕方ないだろう。うん、きっと。
その人物は一瞬目を見開くと声を上げて笑い出し、
「最初の質問がそれとは、どうやら君は大分変わっているようだね。
そうだな…答えるなら性別はない⋯⋯かな?君が感じたような性別だと思ってくれればいいさ」
少なくとも人間でない⋯⋯ということだろうか。まぁさっきの反応からするに現状に至る経緯を知っているという事だろう。
「さて──察しの通り僕は君のことを知っているよ。君は少し世界の規則に抵触した。そのため、君には死んでもらい今に至ると言う訳だね」
「世界の規則?なんだ、それ」
「あれ!?僕が君を理不尽に殺したことはスルーなの?!」
十二分に神様であろう人(という事にする)がオロオロしているが別に大したことではないだろう。
───というより見当がついている。俺は永久機関の原理⋯⋯⋯世界の矛盾を発見してしまったのだから。
こんな夢物語、誰も見向きもしなかっただろうに。神様だってそりゃ見つけられては堪ったもんじゃないだろう。得てして至った現状だ。
「コホン。取り敢えず世界の規則っていうのは僕なんかの管理者が絶対厳守しているマニュアルみたいなものだね。
僕たちは世界の規則──≪ワールド・コード≫に従って世界の運営や整備をするというわけだよ」
「なるほど⋯⋯この星の神様というわけか」
「あはは!そんなまさか、僕は神様なんかじゃないさ」
からからと笑いながら言う彼女に嘘をついている素振りはない。
神様ではない、ということは彼女は一体なんだというのだろうか。
笑いつかれたのか⋯⋯はたまた間を計っていたのか、彼女は今までと打って変わりこちらを冷ややかな瞳でみつめる。
「さて、親睦も深まったところで本題に移るとしようか」
「察してはいるが敢えて聞かせてもらおう、管理者さん?」
いつの間にか白いもやのような霧は晴れ⋯⋯⋯彼女は七色に煌めく水晶のような椅子へと腰かけ言う。
「君の処罰についてさ」
まず最後までお読みくださりありがとうございます!
そして初めまして、虚繰忌廻と言います。
初投稿ということで拙さ満点の文章ではありますが、長い目で読んでいただけると幸いです。
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